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「ルード卿、結界魔道具はどうでしたか?」
「あれは本当に素晴らしかった。ぜひ騎士団で採用させて頂きたい。つきましては、アルト商会と正式に契約を交わしたいと思っています。」
「それは良かったです。そこで相談なのですが、魔道具を当分の間貸し出す代わりに、使用中のデータを提供していただけませんか?」
魔道具の開発にはどうしても必要な耐久性のデータ。私は特に結界魔道具の耐久性を上げるため、多種多様なデータが欲しかった。
「随分肝の据わったお嬢様ですね。私達魔法騎士を実験に使うとは。」
ふふ。この際使えるものは何でも使います。
「ですが、安心して下さい。性能に自信があるものしかお渡ししません。ぜひお互いに納得のいくものが完成するまでお付き合いください。」
「分かりました。アルト嬢、これからよろしくお願いします。」
ルード卿は立ち上がると、私に握手を求めた。
「こちらこそ。」
私は快くルード卿の右手を握った。
「皆さん、レディもいることですし、この辺でお茶にしましょう?」
詳しい契約内容を話し合っていると、アンネ夫人が数人の侍女を連れて部屋に入ってきた。侍女達はテキパキと指示通りにお茶を並べる。
「アンネ。」
子爵は心なしか疲れた顔で夫人を見ている。
「あなた、私とのお話はまだ終わってませんからね?」
「あ、ああ。」
2人の様子を窺っていると、ウィルが私の耳元に顔を寄せる。
「昨夜遅く帰って来た父に、母が僕達のことを話したんだよね。夜中ずっとあの勢いで話してたみたいで、流石の父も逃げ出したんだよ。」
なるほど、だから子爵は朝食の席で私達の話題に触れなかったのね。いつも以上に無口だったから疲れているのかと少し心配だった。ただでさえこれから事業提携で忙しくなるのに、私達のことまで動いてもらって大丈夫かな。
「心配しなくても大丈夫だよ。あれでもすごく喜んでるから。朝一番におめでとうって言われたしね。今は母に気圧されてるけど。」
「ふふ。」
リングドン夫妻の関係が微笑ましくて、つい笑い声が出てしまった。
「もう、ウィル!イチャついてないで貴方もこの人とちゃんとお話しなさいね。じゃないといつまでも話が進まないわよ。」
「はい、母上。」
2つの溜息が同時に聞こえた。
「あれは本当に素晴らしかった。ぜひ騎士団で採用させて頂きたい。つきましては、アルト商会と正式に契約を交わしたいと思っています。」
「それは良かったです。そこで相談なのですが、魔道具を当分の間貸し出す代わりに、使用中のデータを提供していただけませんか?」
魔道具の開発にはどうしても必要な耐久性のデータ。私は特に結界魔道具の耐久性を上げるため、多種多様なデータが欲しかった。
「随分肝の据わったお嬢様ですね。私達魔法騎士を実験に使うとは。」
ふふ。この際使えるものは何でも使います。
「ですが、安心して下さい。性能に自信があるものしかお渡ししません。ぜひお互いに納得のいくものが完成するまでお付き合いください。」
「分かりました。アルト嬢、これからよろしくお願いします。」
ルード卿は立ち上がると、私に握手を求めた。
「こちらこそ。」
私は快くルード卿の右手を握った。
「皆さん、レディもいることですし、この辺でお茶にしましょう?」
詳しい契約内容を話し合っていると、アンネ夫人が数人の侍女を連れて部屋に入ってきた。侍女達はテキパキと指示通りにお茶を並べる。
「アンネ。」
子爵は心なしか疲れた顔で夫人を見ている。
「あなた、私とのお話はまだ終わってませんからね?」
「あ、ああ。」
2人の様子を窺っていると、ウィルが私の耳元に顔を寄せる。
「昨夜遅く帰って来た父に、母が僕達のことを話したんだよね。夜中ずっとあの勢いで話してたみたいで、流石の父も逃げ出したんだよ。」
なるほど、だから子爵は朝食の席で私達の話題に触れなかったのね。いつも以上に無口だったから疲れているのかと少し心配だった。ただでさえこれから事業提携で忙しくなるのに、私達のことまで動いてもらって大丈夫かな。
「心配しなくても大丈夫だよ。あれでもすごく喜んでるから。朝一番におめでとうって言われたしね。今は母に気圧されてるけど。」
「ふふ。」
リングドン夫妻の関係が微笑ましくて、つい笑い声が出てしまった。
「もう、ウィル!イチャついてないで貴方もこの人とちゃんとお話しなさいね。じゃないといつまでも話が進まないわよ。」
「はい、母上。」
2つの溜息が同時に聞こえた。
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