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薬草園での話し合いから数日、私はリーン先生とデルと、どんな医療魔法が欲しいか具体的に話し合った。薬師からの意見は新鮮で、思いついた魔法を早速実験したくなってしまった。今は我慢。
それ以外の時間は薬草園で実際に使われているアルト商会の魔道具を見せてもらった。
使い勝手など新たに発見したところは、今後の制作に活かせそうだ。
「リル、毎日お疲れ様。ちゃんと休みも取ってね。」
今は、ウィルの提案でリングドン邸の庭でお茶の時間を楽しんでいる。
「ありがとう、ウィル。それにしても本当に綺麗なお庭。妖精が遊びに来そうね。」
「そう?僕にはリルの方が綺麗だと思うよ。知ってる?リルの髪は陽の光を浴びると輝くんだよ。リルこそ妖精みたいだね。」
ウィルのストレートな褒め言葉に私は声が出せなくなってしまった。
そこへ可愛らしい声がかかる。
「良いお天気ですね。私もご一緒してもいいですか?」
後ろを振り向くと水色の華やかなドレスを着たリリーさんが微笑みを浮かべながら立っていた。
「リリー、どうして本邸に?」
リリーさんの後ろにいた侍女の1人が私達の同席の許可を待たずに、もう一つの席を用意してしまった。
「奥様とお話ししていたんです。こちらではリルメリア様と歳の近い侍女はおりませんから、私が話し相手にと。」
リリーさんは私を伺うように話始めた。
「私のような者にリルメリア様のお話し相手が務まるとは思えないのですが、少しでもここでお力になりたいのです。」
祈るように指を組み瞳に涙を溜めてお願いされた。そんな風にお願いされたら断れない。
「分かりました。よろしくお願いしますね。」
私も同性の話し相手がいるのは心強い。
「嬉しいです。よろしくお願いします。」
リリーさんは嬉しそうに頬に手を当てて笑っていた。
「そうだ!ウィルフレイ様、学院はどうでしたか?お手紙もありがとうございました。ウィルフレイ様のお手紙とても嬉しかったんですよ。ぜひ、王都のお話を聞かせて下さい。」
それからリリーさんはずっとウィルに話しかけていた。久しぶりにウィルに会えたリリーさんを気遣い、私は2人の会話を見守った。
リリーさんの会話はウィルと過ごした幼少期の話が多く、私は相槌を打つことしか出来ない。
そのうち、リリーさんとウィルの距離がなんだか近いようで気になってしまった。少しづつ私の胸の中に影がかかっていく。
「ふふ、私達姉弟のように育ったんですよ。いつも一緒だったのに、ウィルフレイ様は王都の学院に行ってしまわれたから、私寂しくって。リルメリア様なら分かってくれますよね?」
「そうですね。」
リリーさんの手が度々ウィルの腕に触れている。私はその手を視線で追ってしまった。
少し疲れてきた私の所に、ネルがリングドン子爵の伝言を伝えにきた。
「ウィル、ごめんなさい。少し抜けるね。」
「父上から?」
「うん。今から執務室に行ってくる。」
「僕も一緒に行くよ。リルの力になれることもあるからね。」
ウィルは恭しく私の手を取った。
いつもよりかしこまった態度と花に囲まれた景色のおかげで、まるで王子様のように見えるウィルに笑ってしまった。
「ええ、ではよろしくね。」
なんだか少し気持ちが落ち着いて、私も気分はお姫様になってしまったようだ。
優しくエスコートされている私は、後ろから送られる恨みのこもった視線に気づくことはなかった。
それ以外の時間は薬草園で実際に使われているアルト商会の魔道具を見せてもらった。
使い勝手など新たに発見したところは、今後の制作に活かせそうだ。
「リル、毎日お疲れ様。ちゃんと休みも取ってね。」
今は、ウィルの提案でリングドン邸の庭でお茶の時間を楽しんでいる。
「ありがとう、ウィル。それにしても本当に綺麗なお庭。妖精が遊びに来そうね。」
「そう?僕にはリルの方が綺麗だと思うよ。知ってる?リルの髪は陽の光を浴びると輝くんだよ。リルこそ妖精みたいだね。」
ウィルのストレートな褒め言葉に私は声が出せなくなってしまった。
そこへ可愛らしい声がかかる。
「良いお天気ですね。私もご一緒してもいいですか?」
後ろを振り向くと水色の華やかなドレスを着たリリーさんが微笑みを浮かべながら立っていた。
「リリー、どうして本邸に?」
リリーさんの後ろにいた侍女の1人が私達の同席の許可を待たずに、もう一つの席を用意してしまった。
「奥様とお話ししていたんです。こちらではリルメリア様と歳の近い侍女はおりませんから、私が話し相手にと。」
リリーさんは私を伺うように話始めた。
「私のような者にリルメリア様のお話し相手が務まるとは思えないのですが、少しでもここでお力になりたいのです。」
祈るように指を組み瞳に涙を溜めてお願いされた。そんな風にお願いされたら断れない。
「分かりました。よろしくお願いしますね。」
私も同性の話し相手がいるのは心強い。
「嬉しいです。よろしくお願いします。」
リリーさんは嬉しそうに頬に手を当てて笑っていた。
「そうだ!ウィルフレイ様、学院はどうでしたか?お手紙もありがとうございました。ウィルフレイ様のお手紙とても嬉しかったんですよ。ぜひ、王都のお話を聞かせて下さい。」
それからリリーさんはずっとウィルに話しかけていた。久しぶりにウィルに会えたリリーさんを気遣い、私は2人の会話を見守った。
リリーさんの会話はウィルと過ごした幼少期の話が多く、私は相槌を打つことしか出来ない。
そのうち、リリーさんとウィルの距離がなんだか近いようで気になってしまった。少しづつ私の胸の中に影がかかっていく。
「ふふ、私達姉弟のように育ったんですよ。いつも一緒だったのに、ウィルフレイ様は王都の学院に行ってしまわれたから、私寂しくって。リルメリア様なら分かってくれますよね?」
「そうですね。」
リリーさんの手が度々ウィルの腕に触れている。私はその手を視線で追ってしまった。
少し疲れてきた私の所に、ネルがリングドン子爵の伝言を伝えにきた。
「ウィル、ごめんなさい。少し抜けるね。」
「父上から?」
「うん。今から執務室に行ってくる。」
「僕も一緒に行くよ。リルの力になれることもあるからね。」
ウィルは恭しく私の手を取った。
いつもよりかしこまった態度と花に囲まれた景色のおかげで、まるで王子様のように見えるウィルに笑ってしまった。
「ええ、ではよろしくね。」
なんだか少し気持ちが落ち着いて、私も気分はお姫様になってしまったようだ。
優しくエスコートされている私は、後ろから送られる恨みのこもった視線に気づくことはなかった。
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