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魔法科にある図書室は、2つの階に分かれていて、1階は学院の生徒であれば誰でも利用することが出来る。それに対して2階は、閲覧許可が必要な魔法書が保管されているため、立ち入るには許可証が必要だった。
「わあ、広い。」
初めて図書室に入った私は、思わず声を出してしまった。
そこは図書室という割には窓が多く、外からの光が降り注いでいる。1階の読書スペースは2階まで吹き抜けになっていて開放感があった。
今は午後の授業中だからか、利用している生徒はいない。私はこの贅沢な空間を独り占めすることにした。
早速私はお気に入りの席を見つけ、本を読み始める。
午後の日差しが程良く入ってきて気持ちがいい。
眠気を払うように窓の外に目を向けた。
「アルベルティーナ様?」
外には、アルベルティーナ様と一人の女性教師が言い争っているところが見えた。
しばらくすると決別してしまったのだろうか、女性教師がアルベルティーナ様の元を去ってしまった。
「あっ」
こちらに振り返ったアルベルティーナ様と目が合う。気まずい。
アルベルティーナ様は私に軽く会釈するとその場を離れてしまった。
「お疲れ様。ずっと本を読んでいたの?」
ウィルが図書室まで私を迎えに来てくれた。
「うん。つい集中して読み切っちゃった。」
「キリが良いならそろそろ帰ろうか。」
私はいつも通り差し出された手を取って、ゆっくりと椅子から立ち上がった。
今日の午後も私は図書室に来ている。昨日見つけた魔法による植物の育成方法は中々興味深かった。続きを探してみよう。
見つけた本を持って昨日と同じ窓際の席に座ると、アルベルティーナ様に声を掛けられた。
「ご機嫌よう、リルメリア様。少しよろしいかしら。」
「ご機嫌ようアルベルティーナ様。」
「その、昨日はお見苦しいところをお見せしてしまいました。」
私の向かいに座ったアルベルティーナ様は会話の途中で下を向いて黙ってしまった。
心配になって私が声を掛けようとすると、アルベルティーナ様が泣きそうな顔で尋ねてきた。
「アルト家の商会は魔道具を作成していると聞きました。あの、弱い属性を強化する魔道具はありませんか?私にはどうしても必要なのです。」
属性強化の魔法は考えなかった訳ではなかった。弱い属性であっても、強化できる魔法があれば、今よりも上位の魔法が使えるようになるのではないかと考えた。
でも出来なかった。他属性の魔力で他の属性魔法を強化することが出来ない。
「残念ですが、ありません。」
「そう、ですか。」
アルベルティーナ様は悲しそうに私の返答を受け止めていた。
「アルベルティーナ様、理由を聞いてもいいですか?もしかしたら力になれるかもしれません。」
強化魔法は無理でも何か方法があるかもしれない。
私の魔法で誰かの力になれるならなってあげたい。
私はアルベルティーナ様の返事を静かに待った。
「わあ、広い。」
初めて図書室に入った私は、思わず声を出してしまった。
そこは図書室という割には窓が多く、外からの光が降り注いでいる。1階の読書スペースは2階まで吹き抜けになっていて開放感があった。
今は午後の授業中だからか、利用している生徒はいない。私はこの贅沢な空間を独り占めすることにした。
早速私はお気に入りの席を見つけ、本を読み始める。
午後の日差しが程良く入ってきて気持ちがいい。
眠気を払うように窓の外に目を向けた。
「アルベルティーナ様?」
外には、アルベルティーナ様と一人の女性教師が言い争っているところが見えた。
しばらくすると決別してしまったのだろうか、女性教師がアルベルティーナ様の元を去ってしまった。
「あっ」
こちらに振り返ったアルベルティーナ様と目が合う。気まずい。
アルベルティーナ様は私に軽く会釈するとその場を離れてしまった。
「お疲れ様。ずっと本を読んでいたの?」
ウィルが図書室まで私を迎えに来てくれた。
「うん。つい集中して読み切っちゃった。」
「キリが良いならそろそろ帰ろうか。」
私はいつも通り差し出された手を取って、ゆっくりと椅子から立ち上がった。
今日の午後も私は図書室に来ている。昨日見つけた魔法による植物の育成方法は中々興味深かった。続きを探してみよう。
見つけた本を持って昨日と同じ窓際の席に座ると、アルベルティーナ様に声を掛けられた。
「ご機嫌よう、リルメリア様。少しよろしいかしら。」
「ご機嫌ようアルベルティーナ様。」
「その、昨日はお見苦しいところをお見せしてしまいました。」
私の向かいに座ったアルベルティーナ様は会話の途中で下を向いて黙ってしまった。
心配になって私が声を掛けようとすると、アルベルティーナ様が泣きそうな顔で尋ねてきた。
「アルト家の商会は魔道具を作成していると聞きました。あの、弱い属性を強化する魔道具はありませんか?私にはどうしても必要なのです。」
属性強化の魔法は考えなかった訳ではなかった。弱い属性であっても、強化できる魔法があれば、今よりも上位の魔法が使えるようになるのではないかと考えた。
でも出来なかった。他属性の魔力で他の属性魔法を強化することが出来ない。
「残念ですが、ありません。」
「そう、ですか。」
アルベルティーナ様は悲しそうに私の返答を受け止めていた。
「アルベルティーナ様、理由を聞いてもいいですか?もしかしたら力になれるかもしれません。」
強化魔法は無理でも何か方法があるかもしれない。
私の魔法で誰かの力になれるならなってあげたい。
私はアルベルティーナ様の返事を静かに待った。
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