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ありのままの姿見せるのよ

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私が宮崎県西都市の地域おこし協力隊になり、3ヶ月が過ぎようとしています。
まだ3ヶ月ですので、地域(=西都市)のことも、地域おこしの真髄も、まだまだ何もわかっていません。

ただ、この3ヶ月間は、目が覚めている時間はほぼずっと、「地域おこしって何かな」と考えてきました。
何を達成すれば、「地域おこしに成功した」「任務を完了した」と言えるのだろうか、と。

これが30年前であれば、産業を興し、人口を増加させ、経済を発展させ、市街地を広げ、全国的知名度を上げるのが正解だったでしょう。
今もそれが正解だと捉えて、地域おこし協力隊にそれを期待する人もいるでしょう。それはそれでいいのです。
というかそれができるなら一番いい。
私も「シムシティ」とか「A列車で行こう」とかでそれを散々達成してきました。
(ゲームの話です)

でも今は、人口減少、SDGs、サステナブルの時代。
「広がれ、増えろ、稼げ、ウメヨソダテヨ」の時代でないのははっきりしています。
日本全体が小さくなっていくのです。その縮小圧力とでもいうべき時代の力に、九州の静かな町が抗うことはできません。

まずこの現実をしっかりと見つめなくては。
しかしそれは負けを認めることとは違います。

現実を見つめる目から、勝ちをとる秘策は生まれます。
第一、目を瞑っていたら、何も楽しくないです。
楽しくないことは続かない。

人員も時間も資金も限られている片田舎は、物量戦に持ち込まれては絶対に敵いません。
地域おこしというと、まず箱ものに目が行きがちです。
もしくは、移住支援金の金額の多寡とか。

けれどそれは違う。悪手の極みであると私は思います。
モテない朴訥とした男子高校生が、合コン前に一念発起して髪を金髪にして、甲高い声を出して自分をアピールしたつもりになっているようなものです。
モテない息子のために、かき集めた結納金をちらつかせてお見合い相手を募集するようなものです。
それでは本当の有為な出会いはやってきません。
結納金目当てで結婚しようとするような、ろくでもない縁しかできません。

合コン会場に行く必要があるのは確かです。
でも、髪を金髪にする必要はないのです。
いつものように、首にタオルを巻いて、軍手をポケットに押し込んで、ゴム長靴で行けばいいのです。

くすくすという笑い声もするでしょう。
そんな声、放っておけばいいのです。

そして、いつもの姿を存分に披露したら、
「じゃあ、牛養い(牛の餌やりのこと)があるから、先に帰るわ」
と手を振って笑って帰ってしまえばいいのです。
その堂々とした背中を見て、きっとついてくる人がいます。

地元の人は言います。
この町には何もない。何をしてもどうしようもない。
変わらなければいけない。

違うと思います。
変わる必要なんかないんです。
今のままでいい。

朝早く起きて、生垣の刈り込みをしている人。
家の前をきれいに掃き、花壇の花に水をあげている人。
ショッピングセンターのトイレもきれいです。
今月食べる分の米をその都度精米して、
お互いの畑でとれた野菜についてあれこれ言いながら交換して夕べの味噌汁に入れる。
夜は焼酎をちびっと飲んで、鶏を刺し身で食べて、
ちょっとオンラインゲームもして、
アイスを食べて寝る。

いいでしょう?
いいんです。
すごくいい。
私はすごく好きです。

まあ私も変わり者の一種ですから、
こういう生活が刺さるのは少数派なのかもしれません。
100人にこういう生活ができるよと声をかけても、応えてくれるのは1人とかかもしれません。
でも、その1人の心には、
強く深くしっかりと刺さることでしょう。

私もそうでしたが、
人が移住を決意するために必要とするエネルギーは、
並大抵のものではありません。
合コンの二次会に誘うのとは訳が違うのです。
万人受けを狙っていたら、
何にもならない。

もっと。
もっとありのままを。
そしてそれを見せつけて。
思う存分見せびらかしてやるのだ。

この町のありのままを見つけ出して、
それを外に見せびらかす。

まずはそれが自分の務めと思っています。
励みます。

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