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第4章 大森家に差し込む不幸の影
4.〈 08 〉
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今回ばかりは、マサコちゃん正真正銘の大ピンチです。
腕力では勝ち目なし。頭脳面ではどうか? アタシの巧みな口の力を駆使して説得すれば、こんな超難局だって切り抜けられるかもだよ。
アタシでもやれるか? ――うん、やるしかない、ファイト!
まずは口を開ける。すると相手の指の1本が口の中へ入り込んでくる。
そこをすかさず噛む。
「痛っ!!」
お次は右の足先を力いっぱいふりあげる。
固いパンプスの先端が、ズゴッと男の股にめり込む。
「ぐはっ**!」
あらまあ、勢いつけ過ぎちゃった。ごめんね。
でも念のため、うずくまった男の脳天にハンドバッグを落とす。
角の1番頑丈な部分が、ゴツッと鈍い音を響かせる。
「ふがぁ☆彡!?」
「これ以上はアタシの方が犯罪者になっちゃうから終わりにしてあげるけど、今度会ったときはタマ2個とも砕いちゃうよ。この意味わかるかなあ?」
「うぅぐぅぅ~」
どうやら説得できたみたい。1件落着、メデタシ!
「じゃあね?」
「くぅぅ……」
お別れの挨拶もOKみたい。早くカラメルコーンを買って戻らなきゃね。
しっかし、護身術の1つでも会得してなきゃオチオチ夜道も歩けないだなんて、イヤな世の中ねえ。スケベエな男どもが悪い!
駅前の〈フレッシュマート〉中原駅前店でお目あての品を2袋ゲット。
帰り道も同じ場所を通ったけど、男には会わなかった。タマが救われたね。
そうして中原総合病院の休憩スペースに戻った。
「ただいま~」
「おお正子、お帰り」
「正男は?」
「まだ意識が戻らない」
「そう……」
すぐに回復できるレベルじゃあないのね。
「ねえお父さん、これ食べて」
「お、コンビニ限定のマシュマロ味か?」
「そうだよ、おいしいから」
「豪華なディナーだ。お前はいいのか?」
「いいの。こっちは正男のだから」
ダイエットしなきゃだし。ふふ。
「ねえカラメルコーン、歌ってよ?」
「夜の病院で歌うものではないぞ」
「それもそうね。じゃあ、手の平のくらべっこしよっか?」
「懐かしいな、お前が小さい頃によくやったものだ」
お父さんの左手とアタシの右手を重ねる。
「大きくなったな?」
「でも、まだお父さんの方が大きいよ」
「男だからな」
「お父さんだからだよ」
「そうか」
「うん」
アタシが小さい頃はもっと大きかったお父さんの手の平。
その温かさは今もかわってない。
「あの頃のお前、少しでも大きくしようと指を伸ばしてたものだ。父さんはそれを見るのが好きだった。なんの不満も不安もなく、ただ懸命に広げてる正子の手の平がな」
「ふうん」
アタシもお父さんの手が好きだった。重ねて温もりを感じると、確かになんの不満も不安もなくなるから。正男が生死をさまよっているというのにね……。
しばらく待っていると看護師の女性が現れて「ご説明させて頂きますのでこちらへどうぞ」と呼ばれた。
医師のお話を聞いた。正男は〈脳挫傷〉なんだって。意識が戻ってからの後遺症が気になるところ。
どちらにしても今のところ状況に変化はなさそうとのこと。だからアタシたちは1度帰宅する。長期戦になるかもだし。
アタシとお父さんは大森家の1員であると同時に社会の1員であるから、明日以降もお仕事がある。
お母さんが大森家からいなくなっても、アタシたち3人の生活がとまらなかったのと同じように、この先アタシとお父さんはやるべきことがある。たとえ正男が生死をさまよっていてもだ。
やるべきことをやらないでは、正男が目を覚ましたときに会わせる顔がない!
3月7日水曜の朝を迎えた。今月に入ってからずっと暖かい。
大森家への春の訪れは土曜の予定。正男の合格発表の日。
今朝は2人だけの食事となった。お父さんの出張や正男の病気や修学旅行でそういうケースもあったけれど、今回は突然で想定外の欠員だ。
「正子、なにかのときのための預金通帳とカードを渡しておく。暗証番号は、横浜ギャラクシーパークだ。わかるな?」
「うん」
1128だね。家族の誕生日とか使うのは危険だけど……。
父はいつも通り大学へ出かける。もちろん病院から連絡があれば、アタシが知らせることにしている。
アタシもいつも通りWEB小説を読んで居眠りをする、つもりだった。
でも読書に集中できないし、かといって眠くもならない。
それでテレビをつけた。そしたらなんと、またもや驚愕的なニュースがアタシの耳目に飛び込んでくる!
《――工業大学大学院、機械工学科教授の大森数正容疑者51歳を、詐欺容疑で逮捕しました。警視庁の調べによりますと、大森容疑者は5年ほど前から、取引のある複数の業者に対し架空の発注を行うなどして、国から研究費として合わせて4千万円余りをだまし取ったということです。繰り返してお伝えします。本日午前8時過ぎ警視庁捜査2課は、研究費の架空請求を行ったとして――》
「えっえええぇー、お父さん?? なんなのそれ?! ウソでしょう!」
《――に対し架空の発注を行うなどして、国から研究費として合わせて4千万円余りをだまし取ったということです。警視庁の取り調べに対し、大森容疑者は容疑を全面的に否認しています。》
「ちょっとちょっと、どういうこと!? お父さんが詐欺だなんて、そんなことあるわけないじゃん!! おいおい警視庁さん、なに逮捕してくれちゃってんのよ!」
《かわって桜の開花情報です。気象予報士の神田川さん、お願いしま~す。》
《はいはい、わたしは今ここ新宿御苑前にきております。今年の桜はですねえ、恐らく全国的に――》
「おいこら神田川さん、あなたは出てこなくていいってば! サクラなんてどうだっていいし! お父さんの無実を先に報道しろってぇの!!」
テレビに怒鳴っても仕様がない。
まずは伯父夫婦に連絡しなきゃだ。家の電話で登録してある番号へかける。
『はい、大森でございます』
「もしもし、伯母さん?」
『正子ちゃん、お父さんのことね?』
「うん」
向こうも既にニュースかなにかで知ってるらしい。
『まずは落ち着いてね』
「はい」
昨日からアタシには落ち着く必要ばかりだ。
『主人に連絡しようと思ってたところなの』
「そうですか、すみません」
『正子ちゃんが謝ることじゃないでしょ?』
「はい、でも……」
あ、正男のこと話そうか? どうしよう?
また折を見て伝えればいいか。正男はすぐ回復するんだもんね。
よっし、それで決まり!
『主人の知り合いに優秀な弁護士さんがいるのよ。だから心配いらないわ』
「はい、わかりました」
通話を終えた。まだ胸がドキドキしてる。
しっかりするんだマサコちゃん、これがアタシの現実なんだよ。
腕力では勝ち目なし。頭脳面ではどうか? アタシの巧みな口の力を駆使して説得すれば、こんな超難局だって切り抜けられるかもだよ。
アタシでもやれるか? ――うん、やるしかない、ファイト!
まずは口を開ける。すると相手の指の1本が口の中へ入り込んでくる。
そこをすかさず噛む。
「痛っ!!」
お次は右の足先を力いっぱいふりあげる。
固いパンプスの先端が、ズゴッと男の股にめり込む。
「ぐはっ**!」
あらまあ、勢いつけ過ぎちゃった。ごめんね。
でも念のため、うずくまった男の脳天にハンドバッグを落とす。
角の1番頑丈な部分が、ゴツッと鈍い音を響かせる。
「ふがぁ☆彡!?」
「これ以上はアタシの方が犯罪者になっちゃうから終わりにしてあげるけど、今度会ったときはタマ2個とも砕いちゃうよ。この意味わかるかなあ?」
「うぅぐぅぅ~」
どうやら説得できたみたい。1件落着、メデタシ!
「じゃあね?」
「くぅぅ……」
お別れの挨拶もOKみたい。早くカラメルコーンを買って戻らなきゃね。
しっかし、護身術の1つでも会得してなきゃオチオチ夜道も歩けないだなんて、イヤな世の中ねえ。スケベエな男どもが悪い!
駅前の〈フレッシュマート〉中原駅前店でお目あての品を2袋ゲット。
帰り道も同じ場所を通ったけど、男には会わなかった。タマが救われたね。
そうして中原総合病院の休憩スペースに戻った。
「ただいま~」
「おお正子、お帰り」
「正男は?」
「まだ意識が戻らない」
「そう……」
すぐに回復できるレベルじゃあないのね。
「ねえお父さん、これ食べて」
「お、コンビニ限定のマシュマロ味か?」
「そうだよ、おいしいから」
「豪華なディナーだ。お前はいいのか?」
「いいの。こっちは正男のだから」
ダイエットしなきゃだし。ふふ。
「ねえカラメルコーン、歌ってよ?」
「夜の病院で歌うものではないぞ」
「それもそうね。じゃあ、手の平のくらべっこしよっか?」
「懐かしいな、お前が小さい頃によくやったものだ」
お父さんの左手とアタシの右手を重ねる。
「大きくなったな?」
「でも、まだお父さんの方が大きいよ」
「男だからな」
「お父さんだからだよ」
「そうか」
「うん」
アタシが小さい頃はもっと大きかったお父さんの手の平。
その温かさは今もかわってない。
「あの頃のお前、少しでも大きくしようと指を伸ばしてたものだ。父さんはそれを見るのが好きだった。なんの不満も不安もなく、ただ懸命に広げてる正子の手の平がな」
「ふうん」
アタシもお父さんの手が好きだった。重ねて温もりを感じると、確かになんの不満も不安もなくなるから。正男が生死をさまよっているというのにね……。
しばらく待っていると看護師の女性が現れて「ご説明させて頂きますのでこちらへどうぞ」と呼ばれた。
医師のお話を聞いた。正男は〈脳挫傷〉なんだって。意識が戻ってからの後遺症が気になるところ。
どちらにしても今のところ状況に変化はなさそうとのこと。だからアタシたちは1度帰宅する。長期戦になるかもだし。
アタシとお父さんは大森家の1員であると同時に社会の1員であるから、明日以降もお仕事がある。
お母さんが大森家からいなくなっても、アタシたち3人の生活がとまらなかったのと同じように、この先アタシとお父さんはやるべきことがある。たとえ正男が生死をさまよっていてもだ。
やるべきことをやらないでは、正男が目を覚ましたときに会わせる顔がない!
3月7日水曜の朝を迎えた。今月に入ってからずっと暖かい。
大森家への春の訪れは土曜の予定。正男の合格発表の日。
今朝は2人だけの食事となった。お父さんの出張や正男の病気や修学旅行でそういうケースもあったけれど、今回は突然で想定外の欠員だ。
「正子、なにかのときのための預金通帳とカードを渡しておく。暗証番号は、横浜ギャラクシーパークだ。わかるな?」
「うん」
1128だね。家族の誕生日とか使うのは危険だけど……。
父はいつも通り大学へ出かける。もちろん病院から連絡があれば、アタシが知らせることにしている。
アタシもいつも通りWEB小説を読んで居眠りをする、つもりだった。
でも読書に集中できないし、かといって眠くもならない。
それでテレビをつけた。そしたらなんと、またもや驚愕的なニュースがアタシの耳目に飛び込んでくる!
《――工業大学大学院、機械工学科教授の大森数正容疑者51歳を、詐欺容疑で逮捕しました。警視庁の調べによりますと、大森容疑者は5年ほど前から、取引のある複数の業者に対し架空の発注を行うなどして、国から研究費として合わせて4千万円余りをだまし取ったということです。繰り返してお伝えします。本日午前8時過ぎ警視庁捜査2課は、研究費の架空請求を行ったとして――》
「えっえええぇー、お父さん?? なんなのそれ?! ウソでしょう!」
《――に対し架空の発注を行うなどして、国から研究費として合わせて4千万円余りをだまし取ったということです。警視庁の取り調べに対し、大森容疑者は容疑を全面的に否認しています。》
「ちょっとちょっと、どういうこと!? お父さんが詐欺だなんて、そんなことあるわけないじゃん!! おいおい警視庁さん、なに逮捕してくれちゃってんのよ!」
《かわって桜の開花情報です。気象予報士の神田川さん、お願いしま~す。》
《はいはい、わたしは今ここ新宿御苑前にきております。今年の桜はですねえ、恐らく全国的に――》
「おいこら神田川さん、あなたは出てこなくていいってば! サクラなんてどうだっていいし! お父さんの無実を先に報道しろってぇの!!」
テレビに怒鳴っても仕様がない。
まずは伯父夫婦に連絡しなきゃだ。家の電話で登録してある番号へかける。
『はい、大森でございます』
「もしもし、伯母さん?」
『正子ちゃん、お父さんのことね?』
「うん」
向こうも既にニュースかなにかで知ってるらしい。
『まずは落ち着いてね』
「はい」
昨日からアタシには落ち着く必要ばかりだ。
『主人に連絡しようと思ってたところなの』
「そうですか、すみません」
『正子ちゃんが謝ることじゃないでしょ?』
「はい、でも……」
あ、正男のこと話そうか? どうしよう?
また折を見て伝えればいいか。正男はすぐ回復するんだもんね。
よっし、それで決まり!
『主人の知り合いに優秀な弁護士さんがいるのよ。だから心配いらないわ』
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