赤唐辛子の童話作品集

（１作品目）ヒゲを無くしたミケ子ちゃん

（０３）逃がさにゃいわよ！

　でもね、その時とき、ミケ子こちゃんが、お魚さかなの匂においに気きづいて目めを覚さましました。
　何なんと、おいしそうな鯛たいが目めの前まえにいるではありませんか。
　ミケ子こちゃんは、タイ吉きちくんに跳とびかかります。

「逃にがさにゃいわよ！」

　ところがあまりにも勢いきおいよく跳とんだので、ヒゲを忘わすれてしまいました。
　ヒゲはミケ子こちゃんにとって、瞳ひとみの次つぎに大切たいせつなものです。