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第6章. 絵露井家の崩壊
064. 反ワリメ食反対運動
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ここのところジャパンのネット界隈やらマスメディアで超ホットな話題として取り沙汰されるトピックスは、まるで日替わりデイナーのメインディッシュであるかのように文字通り1日ごとに入れ替わりで新登場してくる有り様だ。
そんな今日もまた突沸No.1超ハイウェイを1人勝ち独占で突っ走るスーパーカー的ウルトラファミリー全員集合状態となった最上級ホッテスト・超トップレス・エンドレス摂氏800億℃の熱さを伴う話題が〈反ワリメ食反対運動〉である。
発端は帝京都内の牛丼チェーン店舗内で起きた超すけべ大騒動である。2日前の夜8時半頃、大好き吉屋・シブヤ店に、これと云った特徴のない18歳前後の男が入店し、券売機で超人気の最新メニュー〈しゃぶしゃぶ牛丼〉の食券を購入しようとしたとき、どう云うわけか不明だが、突然にして発狂状態になったのである。その男は靴と靴下そして身につけているあらゆる衣類をすべて脱ぎ捨て、すっぽんぽんの全身を晒した上で「ワリメワリメ、ワリメ丼を食わせろ! バイトの女、制服を脱いで、パンツも脱いでくれ! オレにワリメ丼を食わせてくれ~」と叫び、ふにゃふにゃしていて超臭そうな陰茎を手で握り締め、激しく擦りつつ迫った。
だがしかし、そのアルバイト女性はミジンコの欠伸で沼の底に立つ微塵すら怯える様子を見せることなく「この大好き吉屋に〈ワリメ丼〉と云うメニューはございません。お召し物をお忘れになることなく残らずお持ちになり早々にお帰り願います」と冷静な対応をした。それと同時に店長の28歳男性と客の数人が協力して全裸男を取り押さえ、アルバイト女性の貞操は守られた。
通報を受けた警察官が特別急行、略称〈特急〉してきて、その破廉恥極まりない発狂全裸男は現行犯逮捕された。罪状は「ワリメ保護法違反」である。牛丼を食べにきていた客の数名がこの超すけべ大騒動をスマホで撮影した動画をネット上にアップしたことで、夏物を1掃する恒例の大処分ビッグバン・バーゲンにも負けない超大盛り上がりのお祭りビッグウェーブを巻き起こす。そのトレンドは数段階の荒波を経て盛り上がる成長型ファッションである。
まず牛丼店のアルバイト女性の対応について「それこそ神対応だ!」とか「あれが天使対応だ!」とか「バイトの鏡だ」など称賛する声で溢れた。そして次は「ワリメ丼てなんだ?」とか「ワリメ丼、超食いたい!!」とか「ワリメ丼はヤバい!」などが乱舞した。
だがしかし、それ以降キーワード〈ワリメ丼〉を書いて投稿したネット市民が1人の例外もなく超光速的な速さで垢バン(アカウント停止)を食らうことになる。まさにジャパン当局が動き始めている証である。この国では既に言論統制が右の隅から左の隅へまで行き渡り、些細なことでも政権与党・ワリメ共生党に逆らう論調や、ワリメの人権を1マイクロメートルでも損なうような発言をした者には、同じく1マイクロメートルの容赦もない対応がなされている。こうなるとジャパンは「ワリメを食べるなんて人類史超悪の残虐行為に他ならない。よって今後ワリメ食を1マイクロメートル以内でしか聞こえないほどの小声で話したとしても死刑なのだ!」と云う〈反ワリメ食啓蒙主義時代〉に突入する。
それでもワリメ食を求める市民は次から次へと湧いて出て〈反ワリメ食反対運動〉がジャパン全土に広がる。特に帝京都内での激しさは、他の都道府県と1線を画する状況にまで悪化しており、火炎瓶だけでなく人糞まで飛び交っていると云うひどい有り様だ。それを取り締まるのは今月になって新しく組織されたばかりのジャパン特別超警察、略称〈特超〉である。特超がある限り政治運動や社会運動をする者はすべて闇へ葬られる運命にある。
70年安保闘争以来となる超大規模反対運動の火つけ役となった超すけべ大騒動犯人の全裸男はシブヤの警察署の留置場で2晩をすごした挙げ句の果てに超法規的措置で釈放されたが、現職総理大臣・筋好太郎の5番目の愛人が産んで18年間隠され続けた男子・助辺吾郎(今の名前は絵露井吾郎)であることは、決して白日の下に晒されることはない。金と権力とは、えてしてそう云うものである。
そんなこんなで吾郎が48時間ぶりで絵露井家に戻ってきた。
「ひどい目に遭ったよ」
「バカ吾郎、あんたの全裸動画が拡散されてるわよ」
「なんだと!」
吾郎は栗花が見せつけたスマホを確認する。
顔はモザイク処理がなされているが、男たちに取り押さえられる貧弱な裸体が吾郎そのものであり、睾丸が収納されている陰嚢(俗称は金玉袋)の膨らみが3個あることからも自身だと本人にはよく判る。金と権力でも封じ込めることの難しいのがネット時代の常であることも身に染みて判った。
そんな今日もまた突沸No.1超ハイウェイを1人勝ち独占で突っ走るスーパーカー的ウルトラファミリー全員集合状態となった最上級ホッテスト・超トップレス・エンドレス摂氏800億℃の熱さを伴う話題が〈反ワリメ食反対運動〉である。
発端は帝京都内の牛丼チェーン店舗内で起きた超すけべ大騒動である。2日前の夜8時半頃、大好き吉屋・シブヤ店に、これと云った特徴のない18歳前後の男が入店し、券売機で超人気の最新メニュー〈しゃぶしゃぶ牛丼〉の食券を購入しようとしたとき、どう云うわけか不明だが、突然にして発狂状態になったのである。その男は靴と靴下そして身につけているあらゆる衣類をすべて脱ぎ捨て、すっぽんぽんの全身を晒した上で「ワリメワリメ、ワリメ丼を食わせろ! バイトの女、制服を脱いで、パンツも脱いでくれ! オレにワリメ丼を食わせてくれ~」と叫び、ふにゃふにゃしていて超臭そうな陰茎を手で握り締め、激しく擦りつつ迫った。
だがしかし、そのアルバイト女性はミジンコの欠伸で沼の底に立つ微塵すら怯える様子を見せることなく「この大好き吉屋に〈ワリメ丼〉と云うメニューはございません。お召し物をお忘れになることなく残らずお持ちになり早々にお帰り願います」と冷静な対応をした。それと同時に店長の28歳男性と客の数人が協力して全裸男を取り押さえ、アルバイト女性の貞操は守られた。
通報を受けた警察官が特別急行、略称〈特急〉してきて、その破廉恥極まりない発狂全裸男は現行犯逮捕された。罪状は「ワリメ保護法違反」である。牛丼を食べにきていた客の数名がこの超すけべ大騒動をスマホで撮影した動画をネット上にアップしたことで、夏物を1掃する恒例の大処分ビッグバン・バーゲンにも負けない超大盛り上がりのお祭りビッグウェーブを巻き起こす。そのトレンドは数段階の荒波を経て盛り上がる成長型ファッションである。
まず牛丼店のアルバイト女性の対応について「それこそ神対応だ!」とか「あれが天使対応だ!」とか「バイトの鏡だ」など称賛する声で溢れた。そして次は「ワリメ丼てなんだ?」とか「ワリメ丼、超食いたい!!」とか「ワリメ丼はヤバい!」などが乱舞した。
だがしかし、それ以降キーワード〈ワリメ丼〉を書いて投稿したネット市民が1人の例外もなく超光速的な速さで垢バン(アカウント停止)を食らうことになる。まさにジャパン当局が動き始めている証である。この国では既に言論統制が右の隅から左の隅へまで行き渡り、些細なことでも政権与党・ワリメ共生党に逆らう論調や、ワリメの人権を1マイクロメートルでも損なうような発言をした者には、同じく1マイクロメートルの容赦もない対応がなされている。こうなるとジャパンは「ワリメを食べるなんて人類史超悪の残虐行為に他ならない。よって今後ワリメ食を1マイクロメートル以内でしか聞こえないほどの小声で話したとしても死刑なのだ!」と云う〈反ワリメ食啓蒙主義時代〉に突入する。
それでもワリメ食を求める市民は次から次へと湧いて出て〈反ワリメ食反対運動〉がジャパン全土に広がる。特に帝京都内での激しさは、他の都道府県と1線を画する状況にまで悪化しており、火炎瓶だけでなく人糞まで飛び交っていると云うひどい有り様だ。それを取り締まるのは今月になって新しく組織されたばかりのジャパン特別超警察、略称〈特超〉である。特超がある限り政治運動や社会運動をする者はすべて闇へ葬られる運命にある。
70年安保闘争以来となる超大規模反対運動の火つけ役となった超すけべ大騒動犯人の全裸男はシブヤの警察署の留置場で2晩をすごした挙げ句の果てに超法規的措置で釈放されたが、現職総理大臣・筋好太郎の5番目の愛人が産んで18年間隠され続けた男子・助辺吾郎(今の名前は絵露井吾郎)であることは、決して白日の下に晒されることはない。金と権力とは、えてしてそう云うものである。
そんなこんなで吾郎が48時間ぶりで絵露井家に戻ってきた。
「ひどい目に遭ったよ」
「バカ吾郎、あんたの全裸動画が拡散されてるわよ」
「なんだと!」
吾郎は栗花が見せつけたスマホを確認する。
顔はモザイク処理がなされているが、男たちに取り押さえられる貧弱な裸体が吾郎そのものであり、睾丸が収納されている陰嚢(俗称は金玉袋)の膨らみが3個あることからも自身だと本人にはよく判る。金と権力でも封じ込めることの難しいのがネット時代の常であることも身に染みて判った。
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