44 / 72
第4章. ワリメ大論戦
044. ワリメ絶対神説
しおりを挟む
新妖怪ワリメがジャパンで周知され始めて4か月が経過した今、宇宙人説にまでなってワリメ大論戦が繰り広げられているのだが、そこへ新たに〈第3の説〉と呼ぶに値する異説が超特急浮上してきた。
ネット界隈でリアルに1番熱い〈ワリメ絶対神説〉がそうである。たとえば「穴留朕歩は宇宙人に乗っ取られたのではなく、処女受胎したのだ。それで絶対神ワリメの子を産んだ。穴留朕歩は命を賭して神産みをなし遂げた英雄だ!」や「絶対神はジャパンを救うべく穴留朕歩に降臨した!」などと云う突拍子もない諸説を好き勝手に作り出している。
それらに対して「81歳のジジイがなんで処女やねん!!」とか「絶対神は唯一全能の神だろ? だったら自分の分身なんか産む必要なくね?」とか「ジャパニーズは昔から多神教推しじゃなかったっけ?」と云った反論が多いものの、それでもキーワード〈穴留朕歩の処女受胎〉がトレンド入りするほど熱く盛り上がっている。
そして〈ワリメ絶対神〉を信仰することを至上命令として掲げる宗教法人〈ワリメ絶対神学会〉が爆誕するに至った。これがワリメ歓迎党の支持団体になったことで、世間では政教分離の必要性を訴える声が多くなった。
ちなみにワリメを神聖化した宗教法人として〈ワリメ正教〉と云う教団が既にあるが「いかにもな教団名がストレートすぎて胡散臭い」や「教祖のことを教祖様と呼ばせている点が超ヤバい感じ」などの理由で信者は1万人に届いていない。それに対してワリメ絶対神学会の方は誕生から24時間で学会員が390万人を突破すると云う人気ぶりで、この先も大幅に増える見込みになっているとキャスターが伝えている。
絵露井家の居間でも、このJKHのニュース番組『ニュース・ナインティーン』を助夫と吾郎と栗花が見ている。
ワリメを神様だと思い込んでいる吾郎でも、この〈ワリメ絶対神説〉に対して慎重な姿勢を見せている。
「オレの中にあるワリメ神様様的イメージって云うのがあるんだ」
「なによそれ?」
「いやあ、なんて云うか……」
栗花の言葉に対して、なぜか吾郎は云い淀んだ。
そうなると助夫が、ここぞとばかりに口出しする。
「おいこら吾郎、その程度か! お前の親爺はもっと強かったぞ!」
「親爺って、筋好総理のことか?」
「違う、お前の親爺はワシだけだ!!」
「自分が強いと云いたいのかよ」
「そうだ。お前もこんなワシを見習って思ったことを男らしくスパッと云え!」
「判った、云うよ」
「さあ云え!」
「父さんがウザくてムカつく」
「おいこら吾郎、少しはオブラートに包め!」
助夫の云うことは結局いつもと同じで支離滅裂なので、吾郎としては1秒も相手にしたくないが、このとき都合よく出前で頼んだ極上・黒毛ジャパン牛ステーキ重が届いたので、無意味な口論は終わる。
家政婦がステーキ重やフカヒレスープや玉露茶などを配膳した。満子と四穂もそろい5人で食べることにするが、テレビではJHKの討論番組『緊急討論・ワリメ絶対神学会の実像に迫る!』が始まった。
番組の冒頭にワリメ絶対神学会の代表・割目桃核(20歳)のインタビュー映像が流される。
『ワリメ絶対神学会はどう云う教団ですか?』
『余のワリメを、ワリメ絶対神の御徴とて、崇めたてまつり、天つ神、邦つ神、やおよろずの神々の、御魂束ねたてまつり、聞こし召さんと』
『そ、そうですか。いやあ崇高ですね』
『余のワリメを、映すかえ』
『いやいや、それはテレビ的にエヌジーですので、さすがにちょっと……』
映像はここで終わり、司会の旭弐入造が、ゲストコメンテイターの1人としてスタジオに列席している新自由オナニー党の党首・四里之香織に意見を求める。
「今のインタビューについて、どうお感じになりましたか?」
「狂っています」
「あ、率直に、ありがとうございます」
続いて、もう1人ゲストコメンテイターとしてスタジオ入りしているワリメ歓迎党の党首・貧乳推しスペルマンが四里之に「自慰体験談で人気をえたあなたも同類ですねえ」と発言をしたことによって、2人の間で激しい論戦が始まる。
この討論番組もまたネット界隈に大炎上を巻き起こすことになるのだ。
ネット界隈でリアルに1番熱い〈ワリメ絶対神説〉がそうである。たとえば「穴留朕歩は宇宙人に乗っ取られたのではなく、処女受胎したのだ。それで絶対神ワリメの子を産んだ。穴留朕歩は命を賭して神産みをなし遂げた英雄だ!」や「絶対神はジャパンを救うべく穴留朕歩に降臨した!」などと云う突拍子もない諸説を好き勝手に作り出している。
それらに対して「81歳のジジイがなんで処女やねん!!」とか「絶対神は唯一全能の神だろ? だったら自分の分身なんか産む必要なくね?」とか「ジャパニーズは昔から多神教推しじゃなかったっけ?」と云った反論が多いものの、それでもキーワード〈穴留朕歩の処女受胎〉がトレンド入りするほど熱く盛り上がっている。
そして〈ワリメ絶対神〉を信仰することを至上命令として掲げる宗教法人〈ワリメ絶対神学会〉が爆誕するに至った。これがワリメ歓迎党の支持団体になったことで、世間では政教分離の必要性を訴える声が多くなった。
ちなみにワリメを神聖化した宗教法人として〈ワリメ正教〉と云う教団が既にあるが「いかにもな教団名がストレートすぎて胡散臭い」や「教祖のことを教祖様と呼ばせている点が超ヤバい感じ」などの理由で信者は1万人に届いていない。それに対してワリメ絶対神学会の方は誕生から24時間で学会員が390万人を突破すると云う人気ぶりで、この先も大幅に増える見込みになっているとキャスターが伝えている。
絵露井家の居間でも、このJKHのニュース番組『ニュース・ナインティーン』を助夫と吾郎と栗花が見ている。
ワリメを神様だと思い込んでいる吾郎でも、この〈ワリメ絶対神説〉に対して慎重な姿勢を見せている。
「オレの中にあるワリメ神様様的イメージって云うのがあるんだ」
「なによそれ?」
「いやあ、なんて云うか……」
栗花の言葉に対して、なぜか吾郎は云い淀んだ。
そうなると助夫が、ここぞとばかりに口出しする。
「おいこら吾郎、その程度か! お前の親爺はもっと強かったぞ!」
「親爺って、筋好総理のことか?」
「違う、お前の親爺はワシだけだ!!」
「自分が強いと云いたいのかよ」
「そうだ。お前もこんなワシを見習って思ったことを男らしくスパッと云え!」
「判った、云うよ」
「さあ云え!」
「父さんがウザくてムカつく」
「おいこら吾郎、少しはオブラートに包め!」
助夫の云うことは結局いつもと同じで支離滅裂なので、吾郎としては1秒も相手にしたくないが、このとき都合よく出前で頼んだ極上・黒毛ジャパン牛ステーキ重が届いたので、無意味な口論は終わる。
家政婦がステーキ重やフカヒレスープや玉露茶などを配膳した。満子と四穂もそろい5人で食べることにするが、テレビではJHKの討論番組『緊急討論・ワリメ絶対神学会の実像に迫る!』が始まった。
番組の冒頭にワリメ絶対神学会の代表・割目桃核(20歳)のインタビュー映像が流される。
『ワリメ絶対神学会はどう云う教団ですか?』
『余のワリメを、ワリメ絶対神の御徴とて、崇めたてまつり、天つ神、邦つ神、やおよろずの神々の、御魂束ねたてまつり、聞こし召さんと』
『そ、そうですか。いやあ崇高ですね』
『余のワリメを、映すかえ』
『いやいや、それはテレビ的にエヌジーですので、さすがにちょっと……』
映像はここで終わり、司会の旭弐入造が、ゲストコメンテイターの1人としてスタジオに列席している新自由オナニー党の党首・四里之香織に意見を求める。
「今のインタビューについて、どうお感じになりましたか?」
「狂っています」
「あ、率直に、ありがとうございます」
続いて、もう1人ゲストコメンテイターとしてスタジオ入りしているワリメ歓迎党の党首・貧乳推しスペルマンが四里之に「自慰体験談で人気をえたあなたも同類ですねえ」と発言をしたことによって、2人の間で激しい論戦が始まる。
この討論番組もまたネット界隈に大炎上を巻き起こすことになるのだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる