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第3章. 衆議院総選挙
034. 世にも奇妙なワリメ神様様の祟り
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これまで吾郎とワリメの神性交を邪魔した者はいないが、ワリメの悪口を云ったために祟りを受けた男が2人いるのだ。
その1人目が、吾郎と中学時代に同級だった靖田と云う少年だ。そいつは、吾郎が描いたワリメの肖像画を見て、決して口にしてはならない「おま●こ妖怪」と云ってしまったのだ。このとき周囲に女子が多数いて、この問題発言が瞬く間に学校中に拡散し、靖田は中学時代を〈ド変態ドスケベのド靖〉と呼ばれ続けた。
「トリプルでドをつけられるなんて世にも奇妙だろう?」
「そんなの祟りと関係ないでしょ!」
「いやいや、まだ続きがあるんだ」
「え!?」
「まあ、それはどちらかと云うとオチなんだけどな」
吾郎は続きを話した。靖田がワリメの悪口を云ってから、学校でなんらかの事件が発生すれば、いついかなるときも真っ先に彼が疑われるようになったのだ。
誰かの上履きがなくなっているとか、教室で飼育しているメダカのうち1匹が死んだとか、廊下の真ん中に人糞が落ちていたときにしても、どんな些細な事件だろうが、その場に居合わせている皆の99%が口をそろえて「犯人は靖田!」と叫ぶことになってしまったと云う。
これは吾郎が脚色をふんだんに盛り込んでいるフィクションなのだが、すこぶる有名な台詞「犯人はヤス」を捩ったオチでもある。
だがしかし、世間知らずの栗花は知らない。
「それって単なるイジメじゃないの?」
「違う、誰も靖田をイジメてなどいなかった」
「ド変態ドスケベのド靖なんて呼ばれる時点でイジメよ。周りはみんな、そんな遊びみたいな感覚でやっているのよ」
「ちっ、クソだな」
小学生の頃にイジメを受けていた吾郎は、自分が遊びの道具にされていたと知って今さらながら超絶にムカついてきた。
取りあえず靖田の件は終わりにして、2人目に起きた祟りを話すことにした。
「もう1人はオレの実の父さんだ」
「判る判る、祟りであんな変態チンポコリン議員になったってことよね?」
「それは違う。姉さんが口ぐせにしているチンポコリンは意味不明だからどうなのか知らないが、少なくとも父さんが変態だと云うのはずっと以前からのことなんだ」
「それじゃあ祟りってどんなこと?」
「総理総裁になってしまったことだ」
「はあ、なんでよ??」
「そうだぞ吾郎、それは祟りでなくご利益だ。与党第1党の総裁になって総理大臣の座に就けるなんてのは、国会議員として最高の栄誉だからな」
「凡人にはそう見えるのだろうね」
筋好太郎の前に自由共生党総裁で現職の総理大臣だった銀鮭鯖次郎は謎の不審死を遂げている。本人だけでなく関係者にまで影響が及ぶと云うのが、ワリメの祟りの世にも奇妙なところだ。
銀鮭の後任を決めるための自共党総裁選には、皆が祟りを怖れて誰1人として立候補しなかった。そこで仕方なく筋好が800%ほとんど無理矢理に担ぎ上げられた次第なのだ。
「あの人はねえ、国会の最中に居眠りをしていても給料をもらえてさえいればそれでよかったの。総理大臣になんてなってしまったら、そうそう寝てもいられなくなるのは論より証拠でしょ。そんなものだから本当は総裁なんてイタチの最後っ屁のように思っていたのだわ」
「なるほどなあ、満子の言葉には1本筋が通っておる」
「そうよ。ワタシはあの人の5番目の愛人だったけど、あの人はワタシの膣内に1番多く射精したのよ」
「悔しいな」
「でも今はあなたがアタシの1番よ」
「ようし、それなら1発やるか?」
「ええ、しましょ」
しっぽりと意気投合した助夫と満子は居間から出て行った。
その1人目が、吾郎と中学時代に同級だった靖田と云う少年だ。そいつは、吾郎が描いたワリメの肖像画を見て、決して口にしてはならない「おま●こ妖怪」と云ってしまったのだ。このとき周囲に女子が多数いて、この問題発言が瞬く間に学校中に拡散し、靖田は中学時代を〈ド変態ドスケベのド靖〉と呼ばれ続けた。
「トリプルでドをつけられるなんて世にも奇妙だろう?」
「そんなの祟りと関係ないでしょ!」
「いやいや、まだ続きがあるんだ」
「え!?」
「まあ、それはどちらかと云うとオチなんだけどな」
吾郎は続きを話した。靖田がワリメの悪口を云ってから、学校でなんらかの事件が発生すれば、いついかなるときも真っ先に彼が疑われるようになったのだ。
誰かの上履きがなくなっているとか、教室で飼育しているメダカのうち1匹が死んだとか、廊下の真ん中に人糞が落ちていたときにしても、どんな些細な事件だろうが、その場に居合わせている皆の99%が口をそろえて「犯人は靖田!」と叫ぶことになってしまったと云う。
これは吾郎が脚色をふんだんに盛り込んでいるフィクションなのだが、すこぶる有名な台詞「犯人はヤス」を捩ったオチでもある。
だがしかし、世間知らずの栗花は知らない。
「それって単なるイジメじゃないの?」
「違う、誰も靖田をイジメてなどいなかった」
「ド変態ドスケベのド靖なんて呼ばれる時点でイジメよ。周りはみんな、そんな遊びみたいな感覚でやっているのよ」
「ちっ、クソだな」
小学生の頃にイジメを受けていた吾郎は、自分が遊びの道具にされていたと知って今さらながら超絶にムカついてきた。
取りあえず靖田の件は終わりにして、2人目に起きた祟りを話すことにした。
「もう1人はオレの実の父さんだ」
「判る判る、祟りであんな変態チンポコリン議員になったってことよね?」
「それは違う。姉さんが口ぐせにしているチンポコリンは意味不明だからどうなのか知らないが、少なくとも父さんが変態だと云うのはずっと以前からのことなんだ」
「それじゃあ祟りってどんなこと?」
「総理総裁になってしまったことだ」
「はあ、なんでよ??」
「そうだぞ吾郎、それは祟りでなくご利益だ。与党第1党の総裁になって総理大臣の座に就けるなんてのは、国会議員として最高の栄誉だからな」
「凡人にはそう見えるのだろうね」
筋好太郎の前に自由共生党総裁で現職の総理大臣だった銀鮭鯖次郎は謎の不審死を遂げている。本人だけでなく関係者にまで影響が及ぶと云うのが、ワリメの祟りの世にも奇妙なところだ。
銀鮭の後任を決めるための自共党総裁選には、皆が祟りを怖れて誰1人として立候補しなかった。そこで仕方なく筋好が800%ほとんど無理矢理に担ぎ上げられた次第なのだ。
「あの人はねえ、国会の最中に居眠りをしていても給料をもらえてさえいればそれでよかったの。総理大臣になんてなってしまったら、そうそう寝てもいられなくなるのは論より証拠でしょ。そんなものだから本当は総裁なんてイタチの最後っ屁のように思っていたのだわ」
「なるほどなあ、満子の言葉には1本筋が通っておる」
「そうよ。ワタシはあの人の5番目の愛人だったけど、あの人はワタシの膣内に1番多く射精したのよ」
「悔しいな」
「でも今はあなたがアタシの1番よ」
「ようし、それなら1発やるか?」
「ええ、しましょ」
しっぽりと意気投合した助夫と満子は居間から出て行った。
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