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第1章. 絵露井家の騒動
015. 吾郎のワリメ体験談
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吾郎はまず昨夜いなかった四穂のために、四穂の裸を見た日の夜に起きたことを簡潔に説明してやった。
ただし吾郎は、10歳の吾郎の前に現れた奇妙な生き物の容姿について可能な限り詳細に、そのディテールを話した。そこだけは譲れなかったからだ。
熱弁を奮う吾郎の言葉を、四穂は眉をひそめながら100%耳に入れた。
「オレのタマは2個から3個に増えた。増やしたのはオレの部屋にやってきた真ジャパニーズ、正式名称はジャパニードールジャポニカジャポニアン弥勒菩薩大明神ワリメ神様様だ。あ、今の最後につけた様は敬称な。だがそれではあまりにも長い呼称になるから、真ジャパニーズを信じる者に限って、特別に〈ワリメ〉と呼び捨てにしてもいいそうだ。どうよ、寛大すぎる神様だろ?」
「そもそもなによ、ワリメって?」
「やってきた彼女がそう自称しているのだから仕方ない。ワリメ神様様と云うのは、むしろジャパンそのものと云っていい存在だ」
吾郎は『ジャパン=ワリメ』と云う説を力の限り力説した。
「ジャパンがユーラシアのワリメだと云う詭弁大便は別にいいとしても、そんな神の存在をワシに納得させるには、イカの足が兆レベルで足りぬわ」
「ちょっと、パパは黙ってて!」
「おお栗花よ栗花、どうしてお前は、ワシが黙るべきパパだと云うのか?」
「そうよ」
「よおし判った。40秒くらいは黙ろう」
「できれば兆レベルで黙ってほしいけど、まあいいわ」
こうして40秒を得た吾郎はワリメのすべてを語った。
要するにワリメと遭遇した似非ジャパニーズ男子は、例外なく睾丸つまりタマが1個多くなる。とは云え、もとからあった2個は使い物にならなくなる。それこそが吾郎が射精できなくなった要因なのだ。
追加になった第3のタマは、血の色に近いピンク色の神精液を作る器官で、その神精液に含まれる神精子がワリメ体内で作られる神卵子と結合することによって、新たな神の子ワリメが誕生するのである。
だがしかし、神射精は新月の夜にしかできないので、吾郎がワリメと初遭遇した日から28日後に、再びワリメがやってきて吾郎と神性交をした。ちなみにワリメの口の部分が性器なのだ。
「そして父さん、すまないが延長でさらに40秒だけ黙ってくれ。ワリメ神様様の出現確率が100%になるのは、午前中で湿度が69%で気温が34℃で太陽が雲によって完全に遮られている条件がそろい、しかも精通を迎えていない男子が初潮前の女子の毛の生えていないアソコを見た場合に限定されている。約9年前、そのすこぶる稀な状況に置かれたオレは、ジャパニーズで初めてワリメ神様様との遭遇を果たせたと云う栄誉を持つ崇拝されるべき真ジャパニーズ男子なんだ。判るか?」
「判る!」
「えええっ!?」
まさか助夫が真っ先に理解を示すとは思わなかった栗花が真っ先に驚いた。
「勘違いをするなよ。ワシが判ったのは、吾郎がイカれたタコよりも兆レベルで狂っておると云うことをだ。それはタコ焼きの中にイカ墨しか入っていない真っ黒いふにゃふにゃな食べ物と同じことだ」
「どうせそうだろうと思ったよ。父さんの固い頭で理解不能なのは承知の上で話したんだからな」
「黙れ吾郎! お前にアースの破壊を治せるのか? オゾン層を壊した猿どもが、このワシの屁を逃れるために落としてきやがった神もどきがワリメだと! 猿にもなれず神にもなりきれぬ哀れで醜い、それでいて萌えカワイイ神の娘だ? お前にジャパンを救えるものか!」
「くっそぉ……」
どこかで聞いたような長い台詞で助夫が叱責したため、吾郎はあっけなく怯んだ。
だがしかし、意外なところから光明が射す。
「オジさん待って。私も奇妙な生物に会ったのですもの、同じあの日に。だから私は、この超ド変態さんが云ったことを信じます。だってワリメそのものなのよ」
「えええっ!?」
まさか四穂が吾郎を信用するとは思わなかった栗花が真っ先に驚いた。
「そうか四穂ちゃん、ありがとう。さあオレの胸にこい」
「いやよ!!」
「そうよ、調子に乗ってんじゃないわよっ!」
高らかに「パッコーン!」と云う音が響いた。栗花が履いていたスリッパを脱いで、力任せに吾郎の後頭部を叩いたからだ。
ただし吾郎は、10歳の吾郎の前に現れた奇妙な生き物の容姿について可能な限り詳細に、そのディテールを話した。そこだけは譲れなかったからだ。
熱弁を奮う吾郎の言葉を、四穂は眉をひそめながら100%耳に入れた。
「オレのタマは2個から3個に増えた。増やしたのはオレの部屋にやってきた真ジャパニーズ、正式名称はジャパニードールジャポニカジャポニアン弥勒菩薩大明神ワリメ神様様だ。あ、今の最後につけた様は敬称な。だがそれではあまりにも長い呼称になるから、真ジャパニーズを信じる者に限って、特別に〈ワリメ〉と呼び捨てにしてもいいそうだ。どうよ、寛大すぎる神様だろ?」
「そもそもなによ、ワリメって?」
「やってきた彼女がそう自称しているのだから仕方ない。ワリメ神様様と云うのは、むしろジャパンそのものと云っていい存在だ」
吾郎は『ジャパン=ワリメ』と云う説を力の限り力説した。
「ジャパンがユーラシアのワリメだと云う詭弁大便は別にいいとしても、そんな神の存在をワシに納得させるには、イカの足が兆レベルで足りぬわ」
「ちょっと、パパは黙ってて!」
「おお栗花よ栗花、どうしてお前は、ワシが黙るべきパパだと云うのか?」
「そうよ」
「よおし判った。40秒くらいは黙ろう」
「できれば兆レベルで黙ってほしいけど、まあいいわ」
こうして40秒を得た吾郎はワリメのすべてを語った。
要するにワリメと遭遇した似非ジャパニーズ男子は、例外なく睾丸つまりタマが1個多くなる。とは云え、もとからあった2個は使い物にならなくなる。それこそが吾郎が射精できなくなった要因なのだ。
追加になった第3のタマは、血の色に近いピンク色の神精液を作る器官で、その神精液に含まれる神精子がワリメ体内で作られる神卵子と結合することによって、新たな神の子ワリメが誕生するのである。
だがしかし、神射精は新月の夜にしかできないので、吾郎がワリメと初遭遇した日から28日後に、再びワリメがやってきて吾郎と神性交をした。ちなみにワリメの口の部分が性器なのだ。
「そして父さん、すまないが延長でさらに40秒だけ黙ってくれ。ワリメ神様様の出現確率が100%になるのは、午前中で湿度が69%で気温が34℃で太陽が雲によって完全に遮られている条件がそろい、しかも精通を迎えていない男子が初潮前の女子の毛の生えていないアソコを見た場合に限定されている。約9年前、そのすこぶる稀な状況に置かれたオレは、ジャパニーズで初めてワリメ神様様との遭遇を果たせたと云う栄誉を持つ崇拝されるべき真ジャパニーズ男子なんだ。判るか?」
「判る!」
「えええっ!?」
まさか助夫が真っ先に理解を示すとは思わなかった栗花が真っ先に驚いた。
「勘違いをするなよ。ワシが判ったのは、吾郎がイカれたタコよりも兆レベルで狂っておると云うことをだ。それはタコ焼きの中にイカ墨しか入っていない真っ黒いふにゃふにゃな食べ物と同じことだ」
「どうせそうだろうと思ったよ。父さんの固い頭で理解不能なのは承知の上で話したんだからな」
「黙れ吾郎! お前にアースの破壊を治せるのか? オゾン層を壊した猿どもが、このワシの屁を逃れるために落としてきやがった神もどきがワリメだと! 猿にもなれず神にもなりきれぬ哀れで醜い、それでいて萌えカワイイ神の娘だ? お前にジャパンを救えるものか!」
「くっそぉ……」
どこかで聞いたような長い台詞で助夫が叱責したため、吾郎はあっけなく怯んだ。
だがしかし、意外なところから光明が射す。
「オジさん待って。私も奇妙な生物に会ったのですもの、同じあの日に。だから私は、この超ド変態さんが云ったことを信じます。だってワリメそのものなのよ」
「えええっ!?」
まさか四穂が吾郎を信用するとは思わなかった栗花が真っ先に驚いた。
「そうか四穂ちゃん、ありがとう。さあオレの胸にこい」
「いやよ!!」
「そうよ、調子に乗ってんじゃないわよっ!」
高らかに「パッコーン!」と云う音が響いた。栗花が履いていたスリッパを脱いで、力任せに吾郎の後頭部を叩いたからだ。
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