29 / 39
下拵えC③
しおりを挟む
シシルジアと対面する少し前、予定よりも少し早めに到着してしまったララスティは、待ち合わせの時間まで応接室で過ごさせてもらうことにした。
出発する時に早めに到着するとわかっていたため、時間つぶしをかねて、刺繍をしている途中のハンカチも持ってきている。
応接室で待っている間、一人で黙々と刺繍をしていると、ノックもなく扉が開き、エミリアが入ってくる。
「ごきげんよう、お姉様」
「ごきげんよう、エミリアさん」
ノックはなかったが、挨拶がこんにちはからごきげんようには変わったのか、とララスティは笑みを向けた。
相変わらず無断でララスティの向かいに座ったエミリアは、メイドに紅茶を淹れるように言ってララスティの手元を見る。
「こんなところに来てまで刺繍ですか? お姉様って他に趣味がないんですか?」
「レース編みなどもしますが、このハンカチは特別ですから、少しの時間でも惜しいのですわ」
「特別?」
興味を持ったのか身を乗り出してハンカチを見るが、白地に白い糸で刺繍されてるのを見て、馬鹿にしたようにエミリアは笑う。
「白いハンカチに白い糸で何刺繍してるんですか? ププッなーんの模様か全然わかんないじゃないですか」
「……これは雪の結晶を刺しておりますの。あとで薄い青の糸で影を刺す予定ですのよ」
「へえ?」
「面白いアイディア」とエミリアは笑う。
「カイル殿下に刺繍糸をいただきまして、おねだりされてしまいましたの」
「カイル様に!?」
相変わらずカイルの敬称を間違えるエミリアに、ララスティは内心で笑いながら「ええ」と頷いた。
「先日少し難しい雰囲気のままお茶会を終えてしまって、そのお詫びにと刺繍糸をくださいましたの。だから、わたくしはそのお礼に心を込めて刺繍をしてお返ししますのよ」
にっこり笑ったララスティにエミリアは「そうなんですねぇ」と笑う。
「じゃあ他の糸は使わないんですよね?」
「ええ、使用する糸はもう分けてあるから、今残しているものは後で使おうかと思っていますわ」
「ふーん?」
ニヤニヤと笑うエミリアは「じゃあ、お姉様の顔を見たし、あたしはここで失礼しまーす」と言って応接室を出ていった。
メイドはお茶の準備を終えてすぐにいなくなっていたため、部屋にはララスティだけが残される。
(分かりやすい子)
エミリアが出ていくときに浮かべた笑み。
あの笑みは、ララスティからアクセサリーやドレスを奪っていった時と同じものだった。
きっとシシルジアとララスティが話している間に、エミリアは別邸に向かいカイルからもらった刺繍糸を奪う気なのだろう。
使用する糸は先ほども言った通り、もう取り分けているため、残りは好きなようにしてもらって構わないため、もしエミリアが来て刺繍糸を要求してきたら、マリーカからもらった刺繍糸を除いて見せてもいいと使用人たちには伝えている。
ララスティが刺繍に一区切りをつけて紅茶を飲んだところで、応接室の扉がノックされシシルジアが入ってきた。
「久しぶりね、ララスティ」
「ごきげんよう、お婆様」
立ち上がってカーテシーを披露したララスティに、顔を上げて座るように言ったシシルジアも向かいのソファーに腰を下ろす。
「十月のお茶会以来ね。元気そうで何よりだわ」
「おかげさまで。別邸の皆に良くしてもらっていますから」
「……そう」
ララスティの言葉にシシルジアは複雑そうな表情を浮かべると、小さくため息を吐いた後、テーブルの上に小さな箱を置いた。
家門が施された豪華でしっかりした造りの箱。その中に入っているものは、所有者が入れ替えていなければ女主人の証が入っている。
ララスティがミリアリスから譲り受け、アーノルトが奪っていきクロエに渡したものだ。
その箱を見て、どうしてここにあるのかと思う一方、面白いことになったとララスティは内心で笑う。
「お婆様、これは?」
「クロエさんから返してもらいました」
「え!?」
驚きの表情を浮かべるララスティに、シシルジアは満足そうな笑みを浮かべる。
「これは私が代理扱いとはいえ、ミリアリスさんに譲ったものです。あの頃の私は夫の手伝いで忙しく領地で過ごすことも多かったし、家の事は別邸住まいとはいえミリアリスさんに任せっぱなしでした」
「そう……ですわね」
そのこともアーノルトがミリアリスを気に入らなかった原因だと、きっとシシルジアは気づいていないのだろうとララスティは考える。
自分がまだ当主になっていないのに、妻はすでに女主人として扱われる。
それが代理であっても、自分より優れていると思われているのではないかと、そう考えていたのかもしれない。
様々な要因が重なった不運で愛の無い歪な家庭ができ、前回のララスティという愛に飢えた子供が出来たのかもしれない。
「そのミリアリスさんが亡くなり、このブローチは貴女のものになったのに、アーノルトが私への確認もなく奪うなど、許されないことです」
だから返しえもらったと言うシシルジアに、ララスティは不安な表情を浮かべる。
「お父様がお怒りになられます。このブローチをわたくしのところからクロエ様のところに移したのは、お父様ですもの」
「これは女主人の証のブローチ。所有権をどうするのかは当主以前に女主人にあります。私はクロエさんがこのランバルト公爵家の女主人になるのなら、私がこのブローチの所有者に戻るか、ララスティに戻すべきです」
「お婆様……」
ララスティは困惑した目をしてシシルジアを見つめた後、そっと顔を伏せて首を横に振った。
「わたくしはいずれ王太子妃になるべき娘ですわ。そもそも、伯父様から養女の話も出ていると聞きました」
「どうしてそれを!」
シシルジアは驚くが、ララスティの後見は実質コールストなのだから、話していても不思議ではない。
「この家に残る可能性の少ないわたくしよりも、お婆様やクロエ様、そしてエミリアさんが所有しているべきですわ」
顔を伏せたままララスティはそう言い、次に顔を上げた時は穏やかな笑みを張り付けている。
それを見てシシルジアは悲痛な表情を浮かべると、小さな声で「ごめんなさい」と呟く。
「私がもっと貴方たちを気にかけてあげていれば……」
「お婆様……」
悲しそうな細い声を出しながらも、ララスティの心は冷えていく。
前回も今回もシシルジアは動くのが遅い。
ミリアリスが死んだとき、もしくはララスティがアインバッハ公爵家に行くと言い出したときに動けなかった。
そのツケが今こうして降りかかっているだけ。
後悔していると、その姿を見せつけられてもララスティの心には響かない。
前回はもちろん祖父母にも愛情を求めたが、忙しくしていると言われ放置された。
そしてアーノルトが当主になってしばらくして領地へ行き、ほとんど帰ってくることはなかった。
「そのようなことをおっしゃらないでください。お婆様はこのランバルト公爵家のために、できることをなさっているのです。これからは、わたくしよりもどうぞクロエ様を……お義母様を支えて差し上げて下さいまし」
健気な孫娘に見えるように、敢えて儚げに言うララスティの姿に、シシルジアの心は後悔の念で沈んでいく。
「それにお婆様、このようなことして……もしお父様の耳に入ったら———」
ララスティがそう言ったタイミングで急に応接室の扉が開き、アーノルトがドカドカと足音を立てて入ってくる。
(あら、いいタイミングですこと)
内心でタイミングの良さを喜びながら、ララスティは慌てたようにブローチの入った箱を手で隠す。
「お父様!」
「クロエから聞いたぞ! 無理やりブローチを奪ったそうだな! 母上に奪わせるなんて卑怯な真似をしやがって、この小娘が!」
「アーノルトっ違います!」
慌てて席を立ったシシルジアがララスティを庇おうとするが、その前に近づいたアーノルトの手がララスティに伸び、その頬をぶった。
「っ!」
「アーノルト!」
シシルジアの悲鳴のような声が響く中、頬をぶたれた衝撃で倒れ込みながら、ララスティは思わず笑いそうになってしまう。
(バカな男)
運よくテーブルにあたることなく、ララスティの体はソファーに倒れ込む。
「このっコソ泥が!」
アーノルトはそう言ってララスティを睨みつけ、さらに打とうと手を振り上げたが、その手にシシルジアがしがみついた。
「おやめなさい! ララスティはなにもわるくありません!」
「母上!」
「クロエさんからブローチを返してもらったのは私です! 元々私の物なのだから、当然でしょう!」
「……ちっ」
シシルジアの行動はララスティを庇ってのものだとおもったのか、アーノルトは舌打ちをする。
「出ていけ、お前の顔など見たくもない」
「…………はい」
ララスティは次第に熱と痛みを感じ始めた頬に手を添え、ゆっくりと立ち上がり、アーノルトを避けるように大回りをして応接室を出ていく。
扉が閉まる直前、中からシシルジアの怒鳴り声が聞こえてきたが、嗚咽を堪えるふりをして口元に手を当て、笑いそうな口元を隠す。
打たれるなど前回を含めても初めての体験だが、もしかしたらしばらくは腫れが引かないかもしれない。
一週間後に予定されているカイルとのお茶会に、断りの返事をしなくては、とララスティは大声で笑いたくて仕方がなかった。
出発する時に早めに到着するとわかっていたため、時間つぶしをかねて、刺繍をしている途中のハンカチも持ってきている。
応接室で待っている間、一人で黙々と刺繍をしていると、ノックもなく扉が開き、エミリアが入ってくる。
「ごきげんよう、お姉様」
「ごきげんよう、エミリアさん」
ノックはなかったが、挨拶がこんにちはからごきげんようには変わったのか、とララスティは笑みを向けた。
相変わらず無断でララスティの向かいに座ったエミリアは、メイドに紅茶を淹れるように言ってララスティの手元を見る。
「こんなところに来てまで刺繍ですか? お姉様って他に趣味がないんですか?」
「レース編みなどもしますが、このハンカチは特別ですから、少しの時間でも惜しいのですわ」
「特別?」
興味を持ったのか身を乗り出してハンカチを見るが、白地に白い糸で刺繍されてるのを見て、馬鹿にしたようにエミリアは笑う。
「白いハンカチに白い糸で何刺繍してるんですか? ププッなーんの模様か全然わかんないじゃないですか」
「……これは雪の結晶を刺しておりますの。あとで薄い青の糸で影を刺す予定ですのよ」
「へえ?」
「面白いアイディア」とエミリアは笑う。
「カイル殿下に刺繍糸をいただきまして、おねだりされてしまいましたの」
「カイル様に!?」
相変わらずカイルの敬称を間違えるエミリアに、ララスティは内心で笑いながら「ええ」と頷いた。
「先日少し難しい雰囲気のままお茶会を終えてしまって、そのお詫びにと刺繍糸をくださいましたの。だから、わたくしはそのお礼に心を込めて刺繍をしてお返ししますのよ」
にっこり笑ったララスティにエミリアは「そうなんですねぇ」と笑う。
「じゃあ他の糸は使わないんですよね?」
「ええ、使用する糸はもう分けてあるから、今残しているものは後で使おうかと思っていますわ」
「ふーん?」
ニヤニヤと笑うエミリアは「じゃあ、お姉様の顔を見たし、あたしはここで失礼しまーす」と言って応接室を出ていった。
メイドはお茶の準備を終えてすぐにいなくなっていたため、部屋にはララスティだけが残される。
(分かりやすい子)
エミリアが出ていくときに浮かべた笑み。
あの笑みは、ララスティからアクセサリーやドレスを奪っていった時と同じものだった。
きっとシシルジアとララスティが話している間に、エミリアは別邸に向かいカイルからもらった刺繍糸を奪う気なのだろう。
使用する糸は先ほども言った通り、もう取り分けているため、残りは好きなようにしてもらって構わないため、もしエミリアが来て刺繍糸を要求してきたら、マリーカからもらった刺繍糸を除いて見せてもいいと使用人たちには伝えている。
ララスティが刺繍に一区切りをつけて紅茶を飲んだところで、応接室の扉がノックされシシルジアが入ってきた。
「久しぶりね、ララスティ」
「ごきげんよう、お婆様」
立ち上がってカーテシーを披露したララスティに、顔を上げて座るように言ったシシルジアも向かいのソファーに腰を下ろす。
「十月のお茶会以来ね。元気そうで何よりだわ」
「おかげさまで。別邸の皆に良くしてもらっていますから」
「……そう」
ララスティの言葉にシシルジアは複雑そうな表情を浮かべると、小さくため息を吐いた後、テーブルの上に小さな箱を置いた。
家門が施された豪華でしっかりした造りの箱。その中に入っているものは、所有者が入れ替えていなければ女主人の証が入っている。
ララスティがミリアリスから譲り受け、アーノルトが奪っていきクロエに渡したものだ。
その箱を見て、どうしてここにあるのかと思う一方、面白いことになったとララスティは内心で笑う。
「お婆様、これは?」
「クロエさんから返してもらいました」
「え!?」
驚きの表情を浮かべるララスティに、シシルジアは満足そうな笑みを浮かべる。
「これは私が代理扱いとはいえ、ミリアリスさんに譲ったものです。あの頃の私は夫の手伝いで忙しく領地で過ごすことも多かったし、家の事は別邸住まいとはいえミリアリスさんに任せっぱなしでした」
「そう……ですわね」
そのこともアーノルトがミリアリスを気に入らなかった原因だと、きっとシシルジアは気づいていないのだろうとララスティは考える。
自分がまだ当主になっていないのに、妻はすでに女主人として扱われる。
それが代理であっても、自分より優れていると思われているのではないかと、そう考えていたのかもしれない。
様々な要因が重なった不運で愛の無い歪な家庭ができ、前回のララスティという愛に飢えた子供が出来たのかもしれない。
「そのミリアリスさんが亡くなり、このブローチは貴女のものになったのに、アーノルトが私への確認もなく奪うなど、許されないことです」
だから返しえもらったと言うシシルジアに、ララスティは不安な表情を浮かべる。
「お父様がお怒りになられます。このブローチをわたくしのところからクロエ様のところに移したのは、お父様ですもの」
「これは女主人の証のブローチ。所有権をどうするのかは当主以前に女主人にあります。私はクロエさんがこのランバルト公爵家の女主人になるのなら、私がこのブローチの所有者に戻るか、ララスティに戻すべきです」
「お婆様……」
ララスティは困惑した目をしてシシルジアを見つめた後、そっと顔を伏せて首を横に振った。
「わたくしはいずれ王太子妃になるべき娘ですわ。そもそも、伯父様から養女の話も出ていると聞きました」
「どうしてそれを!」
シシルジアは驚くが、ララスティの後見は実質コールストなのだから、話していても不思議ではない。
「この家に残る可能性の少ないわたくしよりも、お婆様やクロエ様、そしてエミリアさんが所有しているべきですわ」
顔を伏せたままララスティはそう言い、次に顔を上げた時は穏やかな笑みを張り付けている。
それを見てシシルジアは悲痛な表情を浮かべると、小さな声で「ごめんなさい」と呟く。
「私がもっと貴方たちを気にかけてあげていれば……」
「お婆様……」
悲しそうな細い声を出しながらも、ララスティの心は冷えていく。
前回も今回もシシルジアは動くのが遅い。
ミリアリスが死んだとき、もしくはララスティがアインバッハ公爵家に行くと言い出したときに動けなかった。
そのツケが今こうして降りかかっているだけ。
後悔していると、その姿を見せつけられてもララスティの心には響かない。
前回はもちろん祖父母にも愛情を求めたが、忙しくしていると言われ放置された。
そしてアーノルトが当主になってしばらくして領地へ行き、ほとんど帰ってくることはなかった。
「そのようなことをおっしゃらないでください。お婆様はこのランバルト公爵家のために、できることをなさっているのです。これからは、わたくしよりもどうぞクロエ様を……お義母様を支えて差し上げて下さいまし」
健気な孫娘に見えるように、敢えて儚げに言うララスティの姿に、シシルジアの心は後悔の念で沈んでいく。
「それにお婆様、このようなことして……もしお父様の耳に入ったら———」
ララスティがそう言ったタイミングで急に応接室の扉が開き、アーノルトがドカドカと足音を立てて入ってくる。
(あら、いいタイミングですこと)
内心でタイミングの良さを喜びながら、ララスティは慌てたようにブローチの入った箱を手で隠す。
「お父様!」
「クロエから聞いたぞ! 無理やりブローチを奪ったそうだな! 母上に奪わせるなんて卑怯な真似をしやがって、この小娘が!」
「アーノルトっ違います!」
慌てて席を立ったシシルジアがララスティを庇おうとするが、その前に近づいたアーノルトの手がララスティに伸び、その頬をぶった。
「っ!」
「アーノルト!」
シシルジアの悲鳴のような声が響く中、頬をぶたれた衝撃で倒れ込みながら、ララスティは思わず笑いそうになってしまう。
(バカな男)
運よくテーブルにあたることなく、ララスティの体はソファーに倒れ込む。
「このっコソ泥が!」
アーノルトはそう言ってララスティを睨みつけ、さらに打とうと手を振り上げたが、その手にシシルジアがしがみついた。
「おやめなさい! ララスティはなにもわるくありません!」
「母上!」
「クロエさんからブローチを返してもらったのは私です! 元々私の物なのだから、当然でしょう!」
「……ちっ」
シシルジアの行動はララスティを庇ってのものだとおもったのか、アーノルトは舌打ちをする。
「出ていけ、お前の顔など見たくもない」
「…………はい」
ララスティは次第に熱と痛みを感じ始めた頬に手を添え、ゆっくりと立ち上がり、アーノルトを避けるように大回りをして応接室を出ていく。
扉が閉まる直前、中からシシルジアの怒鳴り声が聞こえてきたが、嗚咽を堪えるふりをして口元に手を当て、笑いそうな口元を隠す。
打たれるなど前回を含めても初めての体験だが、もしかしたらしばらくは腫れが引かないかもしれない。
一週間後に予定されているカイルとのお茶会に、断りの返事をしなくては、とララスティは大声で笑いたくて仕方がなかった。
285
お気に入りに追加
822
あなたにおすすめの小説
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
旦那様に離縁をつきつけたら
cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。
仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。
突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。
我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。
※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。
※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
婚約者の浮気現場に踏み込んでみたら、大変なことになった。
和泉鷹央
恋愛
アイリスは国母候補として長年にわたる教育を受けてきた、王太子アズライルの許嫁。
自分を正室として考えてくれるなら、十歳年上の殿下の浮気にも目を瞑ろう。
だって、殿下にはすでに非公式ながら側妃ダイアナがいるのだし。
しかし、素知らぬふりをして見逃せるのも、結婚式前夜までだった。
結婚式前夜には互いに床を共にするという習慣があるのに――彼は深夜になっても戻ってこない。
炎の女神の司祭という側面を持つアイリスの怒りが、静かに爆発する‥‥‥
2021年9月2日。
完結しました。
応援、ありがとうございます。
他の投稿サイトにも掲載しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる