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一之瀬胡桃
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一之瀬胡桃は大学を卒業したばかりの22歳だ。いや、正確には数ヶ月たっている。就職戦線に敗北した彼女は、絶賛ニート中だった。勉強はもともと得意ではなく、在学中は合コンと自分磨きに余念が無かった。可愛さは抜きん出ていたが、あまり中身があるタイプでもなかった為、モテる割には彼氏とも長続きしなかった。
いい加減働け!と母親にうるさく言われる毎日にも嫌気がさしていた頃、胡桃はネットの求人情報で、変わった求人を見かけた。
胡桃の住んでいる街から、少し距離はあったが、住み込みの家政婦の募集である。可愛いメイド服と屋敷の一室を与えられ、3食賄い付き。仕事は主に食材の買い出しの助手や、屋敷の清掃。女主人の身の回りの世話みたいだったが経験不問。年齢は20歳以上で学生は不可。
「へえ~なんか面白そう」
胡桃はその求人に興味を示し応募することにした。メイド服が似合うことに関しては、誰よりも似合うくらいの自負はあった。
その反面、そこまで難しそうな仕事でもなさそうなのに、ひと月の報酬は30万...一流企業の初任給と同じくらいなのが気になった 。しかも、食事代も住居代もとらないという...
(もしかして、女主人は若い美女の生き血を吸って美貌を保ってるとかじゃないよね?実は秘密の地下牢があって、鉄の処女とか置いてあったりしないよね...)
(執事がいるので料理はしなくていいそうだけど、執事も女主人もこの世のものではないとか...)
色々と妄想がたくましい...(笑)
実際には屋敷には地下牢はなく女主人の榊原愛瑠も美女の生き血など吸わなくても充分に美しく、鉄の処女も置いていなかったのだが...
ここで悩んでいても仕方ない。受かるとは限らないのだし、受けるだけ受けてみよう!胡桃は最終的にそんな判断を下した。
面接は実際に屋敷の広間で行われた。女主人は、胡桃が想像していたよりも、ずっと若く美しかった。報酬が良かったからだろうが、何十人もの応募者があり、書類選考で残った5人が屋敷に呼ばれたみたいだ。あの履歴書でなんで受かったのかは不明だったが、最終選考に残った候補者は、みんな胡桃よりは優秀そうに見えた。
屋敷側が準備したいろんなタイプのメイド服はどれも可愛く、自分の好きなメイド服に着替えてからの面接であり、候補者には控え室も準備されていた。
かなりスレンダーで比較的小柄な胡桃は、候補者の誰よりもメイド服が似合い、まるで以前からこの屋敷のメイドであったかのようである。強いて言えば、その愛らしさが採用の一番の理由だったのかもしれない。
こうして、榊原家の3人目の住人が決まったのである。
いい加減働け!と母親にうるさく言われる毎日にも嫌気がさしていた頃、胡桃はネットの求人情報で、変わった求人を見かけた。
胡桃の住んでいる街から、少し距離はあったが、住み込みの家政婦の募集である。可愛いメイド服と屋敷の一室を与えられ、3食賄い付き。仕事は主に食材の買い出しの助手や、屋敷の清掃。女主人の身の回りの世話みたいだったが経験不問。年齢は20歳以上で学生は不可。
「へえ~なんか面白そう」
胡桃はその求人に興味を示し応募することにした。メイド服が似合うことに関しては、誰よりも似合うくらいの自負はあった。
その反面、そこまで難しそうな仕事でもなさそうなのに、ひと月の報酬は30万...一流企業の初任給と同じくらいなのが気になった 。しかも、食事代も住居代もとらないという...
(もしかして、女主人は若い美女の生き血を吸って美貌を保ってるとかじゃないよね?実は秘密の地下牢があって、鉄の処女とか置いてあったりしないよね...)
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色々と妄想がたくましい...(笑)
実際には屋敷には地下牢はなく女主人の榊原愛瑠も美女の生き血など吸わなくても充分に美しく、鉄の処女も置いていなかったのだが...
ここで悩んでいても仕方ない。受かるとは限らないのだし、受けるだけ受けてみよう!胡桃は最終的にそんな判断を下した。
面接は実際に屋敷の広間で行われた。女主人は、胡桃が想像していたよりも、ずっと若く美しかった。報酬が良かったからだろうが、何十人もの応募者があり、書類選考で残った5人が屋敷に呼ばれたみたいだ。あの履歴書でなんで受かったのかは不明だったが、最終選考に残った候補者は、みんな胡桃よりは優秀そうに見えた。
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かなりスレンダーで比較的小柄な胡桃は、候補者の誰よりもメイド服が似合い、まるで以前からこの屋敷のメイドであったかのようである。強いて言えば、その愛らしさが採用の一番の理由だったのかもしれない。
こうして、榊原家の3人目の住人が決まったのである。
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