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加奈子の母親
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愛瑠のノートパソコンの中をくまなく見ているうちに、いつの間にか夕暮れ時になっていた。明るいうちは良かったが、こんなところで独りで夜を過ごすのか?なんだか、気味が悪いな...お化けでも出そうだ...
などと思いながら、
(あ...私は死んでるんだから、お化けは私の方か...( ̄▽ ̄;)
ということにふと気づく(笑)
そう...いつだって死んだ者より生きている者の方がずっと恐ろしい...
それにお腹が空いた...何か買ってくれば良かったな...愛瑠は一体何を食べて過ごしていたのか...
この華奢な身体じゃろくに食べていなかったのかもしれないな...
さて、何から手をつけたらいいものか...
とりあえず、この幽霊屋敷を徹底的に手を入れて、アンティークで重厚感のあるお城に生まれ変わらせたいな。
幸い、軍資金なら一生遊んで暮らしても有り余るくらいあるようだし。
加奈子はネットで検索し、有能そうな業者をいくつかピックアップした。
イングリッシュガーデンは草花の手入れをして、アフタヌーンティーが楽しめるような空間に...
変に錆びていたり、剥げている箇所は塗装業者に不自然にならないようなリフォームを頼むことにした。
桁違いの修理費用がかかるとは思ったが、これから先、この洋館を守っていくのならメンテナンス費用は必要経費だ。
加奈子は何故か、愛瑠にこの洋館だけは守って欲しいと言われているような気がした...
そんな下準備をしているうちに、日はすっかりと落ちていたが、どこかに出かける気にはなれず、デリバリーでpizzaとサイドメニューを注文した。
pizzaが届くと加奈子はリビングに移動した。無駄に高そうな4Kの大型テレビと座り心地の良い高級レザーのソファがあった。加奈子はソファに座るとテレビを付けた。
NEWS番組がやっていて、目に飛び込んできたのは、もう何年も会っていない母親の姿だった。
「こんな事故はもうあってはならない。もう娘のような犠牲者を出さないためにも、私は民事訴訟を起こす事にしました!」
ハンカチで目頭を抑え、娘に先立たれた可哀想な老婆を演じている...
加奈子はしらけた気持ちでテレビの中の母親を観ていた。
(もっともらしいこと言ってるけど、
とれるところから搾り取れるだけ搾り取ろうとしているだけじゃないか...)
加奈子は深いため息をついた。
事故を起こした老人は、資産家らしいという情報は入院中にも入ってきていた。
もちろん、これが普通の親なら、辛いのを乗り越えて問題提起にたち上がろうとしていると、加奈子だって素直に受け止めたが、自分の親の性格は熟知していたので、とても額面通りには受け取る気にはなれなかった...
あの人が1度だって私を愛してくれたことがあったか...娘にかけるにしては高額の生命保険をかけていたことも知っている...私の事故を知って慌てて遺体を引き取りに来たのに違いない。死亡診断書を書いて貰わないといけないからね...
でも...もう関係の無いことだ...
私は榊原愛瑠なのだから...
などと思いながら、
(あ...私は死んでるんだから、お化けは私の方か...( ̄▽ ̄;)
ということにふと気づく(笑)
そう...いつだって死んだ者より生きている者の方がずっと恐ろしい...
それにお腹が空いた...何か買ってくれば良かったな...愛瑠は一体何を食べて過ごしていたのか...
この華奢な身体じゃろくに食べていなかったのかもしれないな...
さて、何から手をつけたらいいものか...
とりあえず、この幽霊屋敷を徹底的に手を入れて、アンティークで重厚感のあるお城に生まれ変わらせたいな。
幸い、軍資金なら一生遊んで暮らしても有り余るくらいあるようだし。
加奈子はネットで検索し、有能そうな業者をいくつかピックアップした。
イングリッシュガーデンは草花の手入れをして、アフタヌーンティーが楽しめるような空間に...
変に錆びていたり、剥げている箇所は塗装業者に不自然にならないようなリフォームを頼むことにした。
桁違いの修理費用がかかるとは思ったが、これから先、この洋館を守っていくのならメンテナンス費用は必要経費だ。
加奈子は何故か、愛瑠にこの洋館だけは守って欲しいと言われているような気がした...
そんな下準備をしているうちに、日はすっかりと落ちていたが、どこかに出かける気にはなれず、デリバリーでpizzaとサイドメニューを注文した。
pizzaが届くと加奈子はリビングに移動した。無駄に高そうな4Kの大型テレビと座り心地の良い高級レザーのソファがあった。加奈子はソファに座るとテレビを付けた。
NEWS番組がやっていて、目に飛び込んできたのは、もう何年も会っていない母親の姿だった。
「こんな事故はもうあってはならない。もう娘のような犠牲者を出さないためにも、私は民事訴訟を起こす事にしました!」
ハンカチで目頭を抑え、娘に先立たれた可哀想な老婆を演じている...
加奈子はしらけた気持ちでテレビの中の母親を観ていた。
(もっともらしいこと言ってるけど、
とれるところから搾り取れるだけ搾り取ろうとしているだけじゃないか...)
加奈子は深いため息をついた。
事故を起こした老人は、資産家らしいという情報は入院中にも入ってきていた。
もちろん、これが普通の親なら、辛いのを乗り越えて問題提起にたち上がろうとしていると、加奈子だって素直に受け止めたが、自分の親の性格は熟知していたので、とても額面通りには受け取る気にはなれなかった...
あの人が1度だって私を愛してくれたことがあったか...娘にかけるにしては高額の生命保険をかけていたことも知っている...私の事故を知って慌てて遺体を引き取りに来たのに違いない。死亡診断書を書いて貰わないといけないからね...
でも...もう関係の無いことだ...
私は榊原愛瑠なのだから...
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