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出会い
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御影翔(ミカゲ ショウ)
47歳。
彼は一級建築士で、長い単身赴任から兵庫県の郊外にある自宅に帰ったばかりだった。割の良い仕事だった為、当分は外に出なくてもデスクワークで過ごせそうだ。しばらくはゆっくりしようと考えていた。
自宅の書斎のパソコンでネットサーフィンしていると、あるSMサイトでメールフレンド募集の記事が目に入った。
「SMサイトでメールフレンド募集って‥御主人様の募集じゃないのか?」
随分変わったことをする女もいるもんだと、とりあえず、メールを出すことにした。
その女の名は美麗と言った。
何度かの他愛ないやり取りの後、翔はこの女に会ってみようと考え始めていた。
京都で好きな画家の個展があるから、1人で行く予定だという彼女に、車で送っていくからと半ば強引に約束を取り付けた。
困惑気味の女から、一つだけ約束して欲しいと言われたことがある。
「初対面でホテルに誘うのはやめてください」
彼女ははっきりそう言った。
「わかった。約束するよ」
翔は美麗の条件をのんで、会う約束を取り付けた。
当日、約束通り、美麗の自宅の最寄り駅の裏側で車を止めて待っていたら、時間通りにそれらしき女がまっすぐに歩いてきた。
「翔さんですか?はじめまして。美麗です。」
翔は、一目でその女を気に入った。
京都の町家風の店を予約していたので、まず、そこで食事をとり、色々な話をした。隠れ家風ではんなりと落ち着いた風情の店を女は気に入ったようだった。
よく食べ、よく笑う女だった。笑うとエクボが出来て可愛らしかった。
それから約束通り、女の行く予定の画家の個展の場所へ送っていき、自分は外で待っていた。
(SMサイトで募集をかけておいて、初対面でホテルに誘わないでください‥か。なかなかに面白い女だ‥)
女の用事が終わったら、夕方までは自分の為に時間を割いてくれるはずだった。
その後は軽くドライブして、最後にファミレスでチョコパフェを食べた。
翔は約束通り、ホテルに誘うことはしないで、そのまま自宅近くまで送っていった。
その後の数ヶ月で、翔と美麗は何度か会ったが、最初のデートと同じように食事してドライブして、お茶飲んでというパターンに終始した。翔は特に焦ってはいなかった。
「美麗がいいと言うまで待つよ。もう、俺はお前に決めているから‥」
一方で、美麗の方はこの男でいいのか考える時間が必要だった‥
彼は強面の割には優しく、気前も良かったし、何より自分を気に入ってくれているように見えた。
この世界、イエスかノーかだ。
いつまでも、返事を引き伸ばすわけにもいかない‥
何度目かのデートの後、美麗はとうとうイエスの返事をした。
悪くないから、好意に変化した瞬間が彼女の中であったようだった。
初めて二人だけの空間で過ごしたのは、アジアンリゾート風のホテルだった。
バルコニーにはジャグジーがあり、二人用の岩盤浴も併設されており、シャンパンの準備がしてあった。
冬李と行くホテルはSMホテルが多かったので、こんなラグジュアリーな空間は初めてだった。
「素敵‥」
「気にいったか?」
「うん‥とても‥」
お互いに充分に大人だったのだが、初めての行為はいつだって軽い緊張感がある。
美麗にとって、翔は正直外見は全くタイプではなかったが、身体の相性が今まで身体を重ねた、どの男性よりも抜群に良かった…
47歳。
彼は一級建築士で、長い単身赴任から兵庫県の郊外にある自宅に帰ったばかりだった。割の良い仕事だった為、当分は外に出なくてもデスクワークで過ごせそうだ。しばらくはゆっくりしようと考えていた。
自宅の書斎のパソコンでネットサーフィンしていると、あるSMサイトでメールフレンド募集の記事が目に入った。
「SMサイトでメールフレンド募集って‥御主人様の募集じゃないのか?」
随分変わったことをする女もいるもんだと、とりあえず、メールを出すことにした。
その女の名は美麗と言った。
何度かの他愛ないやり取りの後、翔はこの女に会ってみようと考え始めていた。
京都で好きな画家の個展があるから、1人で行く予定だという彼女に、車で送っていくからと半ば強引に約束を取り付けた。
困惑気味の女から、一つだけ約束して欲しいと言われたことがある。
「初対面でホテルに誘うのはやめてください」
彼女ははっきりそう言った。
「わかった。約束するよ」
翔は美麗の条件をのんで、会う約束を取り付けた。
当日、約束通り、美麗の自宅の最寄り駅の裏側で車を止めて待っていたら、時間通りにそれらしき女がまっすぐに歩いてきた。
「翔さんですか?はじめまして。美麗です。」
翔は、一目でその女を気に入った。
京都の町家風の店を予約していたので、まず、そこで食事をとり、色々な話をした。隠れ家風ではんなりと落ち着いた風情の店を女は気に入ったようだった。
よく食べ、よく笑う女だった。笑うとエクボが出来て可愛らしかった。
それから約束通り、女の行く予定の画家の個展の場所へ送っていき、自分は外で待っていた。
(SMサイトで募集をかけておいて、初対面でホテルに誘わないでください‥か。なかなかに面白い女だ‥)
女の用事が終わったら、夕方までは自分の為に時間を割いてくれるはずだった。
その後は軽くドライブして、最後にファミレスでチョコパフェを食べた。
翔は約束通り、ホテルに誘うことはしないで、そのまま自宅近くまで送っていった。
その後の数ヶ月で、翔と美麗は何度か会ったが、最初のデートと同じように食事してドライブして、お茶飲んでというパターンに終始した。翔は特に焦ってはいなかった。
「美麗がいいと言うまで待つよ。もう、俺はお前に決めているから‥」
一方で、美麗の方はこの男でいいのか考える時間が必要だった‥
彼は強面の割には優しく、気前も良かったし、何より自分を気に入ってくれているように見えた。
この世界、イエスかノーかだ。
いつまでも、返事を引き伸ばすわけにもいかない‥
何度目かのデートの後、美麗はとうとうイエスの返事をした。
悪くないから、好意に変化した瞬間が彼女の中であったようだった。
初めて二人だけの空間で過ごしたのは、アジアンリゾート風のホテルだった。
バルコニーにはジャグジーがあり、二人用の岩盤浴も併設されており、シャンパンの準備がしてあった。
冬李と行くホテルはSMホテルが多かったので、こんなラグジュアリーな空間は初めてだった。
「素敵‥」
「気にいったか?」
「うん‥とても‥」
お互いに充分に大人だったのだが、初めての行為はいつだって軽い緊張感がある。
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