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後編
見え始めた本性…
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しかし、舞花は知らなかったのだ。舞花を失ったLANDYの心が前以上に蝕まれていたことを…
舞花からの心のこもったメッセージを読んだ彼は、大切に思っていてくれたんだな…今回は悪いことをしてしまったな…などと思うどころか、彼女の気持ちを全く正反対に受け取っていたのだ。
もともと自分からのオファーだったのに、こういう結果になってしまって、心の奥底では多少の良心の呵責も感じていたのだろうが、表面上の彼がその本心を否定していた。彼女からのメッセージを自分が責められていると勘違いしたのだ。それでなくても、ここのところ、猜疑心と被害妄想が強くなっていた彼は、自分の身を守らないといけないと思い込み、あんなに自分に優しくしてくれた彼女に、人格否定と暴言と被害妄想と攻撃性をMAXにしたような、あり得ないメッセージを、返したのだった。
舞花はすぐにはそのメッセージに気づかなかった。なぜなら、ブロックこそしなかったが、通知OFFと非表示にしていたからだった。
LANDYは彼女から何の反応もないことに理不尽に腹を立て、毎日のように一方的に暴言メールを送り続けた。
彼女が彼からの連絡に気づいたのは、1週間もあとだった。
大量に送られてきた、被害妄想による暴言の数々…
そこに綴られている言葉は、およそ、本当の舞花とは正反対の性格であるかのような人格否定だった…
とりわけ舞花が目を疑ったのは下記のような文章だった…
「貴女のような人とは作詞家として人として、もう関わりたくありません。」
この人は一体何を言っているのだろうか…?彼女に向けられた言葉はすべて、他ならぬ彼自身の事だった…
何か上手くいかないことがあれば、人のせいにするとか、作曲家の悪口ばかり言っているとか…
舞花が彼を信じて、自分のメイキングのデモ音源を聴かせたのも、彼がまるで自分のプロデューサーででもあるかのように振舞っていたから、自分に協力してくれる身内のような存在だと思っていたからに他ならなかった。
他言無用なんて当たり前の言葉をわざわざ言わなくても常識としてわかっていると思い込んでいた。そして、何より最初に音楽性のしっかりしたサファイアのデモを聴きたいと言ったのも、彼自身であった。
その最初の言葉をずっと覚えていた舞花にしてみれば、予定が大幅に遅れていて、なかなか思うようにレコーディングが進まなかったこともあり、少しでも早く音を聴かせて上げたかっただけだったのだ。
それをまるで、舞花が人の未発表の曲の情報漏洩をしたかのように、犯罪者のような書かれ方をしていたのだ。
お人好しの舞花もようやく、彼が普通でないことに気がついた。彼はセミプロを気取るようになってから、プロの先生からの受け売りを、まるで最初から自分がそう考えていたように勘違いしていた。
以前から、昨日と今日で言うことがコロコロ変わる彼の言動に戸惑うことも多かったが、彼の難しい性格を考えれば、あえて突っ込まず、そうなんですね(*^^*)と上手に交わしていた舞花だった。
優しく広い心で、どんな時も彼を否定しなかった。そんな包み込むような優しさにつけ込んで、彼女なら何を言っても許される…と自分の感情のままに言葉を綴っていたのだ。しかも恐ろしいことに、彼はその時、自分が正しい。何も間違っていないと思い込んでいたのだ。
実際は、鏡に映った自分自身を舞花に投影し、自己嫌悪から無関係の他人を攻撃していることに、本人は全く気づいていなかった。
この人は私に依存している…と舞花が思っていた以上の執着と依存が彼の方にはあったのだった…
舞花からの心のこもったメッセージを読んだ彼は、大切に思っていてくれたんだな…今回は悪いことをしてしまったな…などと思うどころか、彼女の気持ちを全く正反対に受け取っていたのだ。
もともと自分からのオファーだったのに、こういう結果になってしまって、心の奥底では多少の良心の呵責も感じていたのだろうが、表面上の彼がその本心を否定していた。彼女からのメッセージを自分が責められていると勘違いしたのだ。それでなくても、ここのところ、猜疑心と被害妄想が強くなっていた彼は、自分の身を守らないといけないと思い込み、あんなに自分に優しくしてくれた彼女に、人格否定と暴言と被害妄想と攻撃性をMAXにしたような、あり得ないメッセージを、返したのだった。
舞花はすぐにはそのメッセージに気づかなかった。なぜなら、ブロックこそしなかったが、通知OFFと非表示にしていたからだった。
LANDYは彼女から何の反応もないことに理不尽に腹を立て、毎日のように一方的に暴言メールを送り続けた。
彼女が彼からの連絡に気づいたのは、1週間もあとだった。
大量に送られてきた、被害妄想による暴言の数々…
そこに綴られている言葉は、およそ、本当の舞花とは正反対の性格であるかのような人格否定だった…
とりわけ舞花が目を疑ったのは下記のような文章だった…
「貴女のような人とは作詞家として人として、もう関わりたくありません。」
この人は一体何を言っているのだろうか…?彼女に向けられた言葉はすべて、他ならぬ彼自身の事だった…
何か上手くいかないことがあれば、人のせいにするとか、作曲家の悪口ばかり言っているとか…
舞花が彼を信じて、自分のメイキングのデモ音源を聴かせたのも、彼がまるで自分のプロデューサーででもあるかのように振舞っていたから、自分に協力してくれる身内のような存在だと思っていたからに他ならなかった。
他言無用なんて当たり前の言葉をわざわざ言わなくても常識としてわかっていると思い込んでいた。そして、何より最初に音楽性のしっかりしたサファイアのデモを聴きたいと言ったのも、彼自身であった。
その最初の言葉をずっと覚えていた舞花にしてみれば、予定が大幅に遅れていて、なかなか思うようにレコーディングが進まなかったこともあり、少しでも早く音を聴かせて上げたかっただけだったのだ。
それをまるで、舞花が人の未発表の曲の情報漏洩をしたかのように、犯罪者のような書かれ方をしていたのだ。
お人好しの舞花もようやく、彼が普通でないことに気がついた。彼はセミプロを気取るようになってから、プロの先生からの受け売りを、まるで最初から自分がそう考えていたように勘違いしていた。
以前から、昨日と今日で言うことがコロコロ変わる彼の言動に戸惑うことも多かったが、彼の難しい性格を考えれば、あえて突っ込まず、そうなんですね(*^^*)と上手に交わしていた舞花だった。
優しく広い心で、どんな時も彼を否定しなかった。そんな包み込むような優しさにつけ込んで、彼女なら何を言っても許される…と自分の感情のままに言葉を綴っていたのだ。しかも恐ろしいことに、彼はその時、自分が正しい。何も間違っていないと思い込んでいたのだ。
実際は、鏡に映った自分自身を舞花に投影し、自己嫌悪から無関係の他人を攻撃していることに、本人は全く気づいていなかった。
この人は私に依存している…と舞花が思っていた以上の執着と依存が彼の方にはあったのだった…
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