Energy vampire

紫苑

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後編

ただ一緒にいたい…

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旅行から帰ってきても、LANDYとのやりとりは相変わらず続いていた。

沙也加とホカンスは煮詰まり気味だった舞花には、ちょうど良い息抜きにはなったが、どうせなら気がかりなことが何も無い状態で楽しみたかったという気持ちも否めない。

寝ても覚めても、舞花の心にはLANDYの存在がずっと気がかりだったのだ。

肝心の創作活動もままならず、これじゃ本末転倒だなと、さすがの舞花も思い始めていたが、どうしても自分から距離を置くということは出来そうもなかった。

舞花は独りの時間は好きだったが、全く寂しくない訳でもない。LANDYとのやりとりが彼女の心の隙間を埋めていた。

ずっと一緒に居られるわけもないのに、ただ、同じ時を過ごしていたかった。

最初の数ヶ月。2人の関係はとても良好だったと思う。舞花が戸惑うくらいにLANDYは舞花に協力的だった。

「貴女のプロジェクトなら僕は協力したい」

実際に何曲か提示して、彼からのオファーがあったのも事実だし、言葉でかなり好意的なことも言われていた。

頼んだわけでもないのに、彼はまるで舞花のプロデューサーででもあるかのような振る舞いをしていた。

顔出しNGの舞花に、暗めの背景から、フリーの美少女アイコンに変えるように指示したのも彼だった。

若い女性の方が受けが良いので、20代ということにしておきましょうと入れ知恵したのも彼だ。

以前に好奇心で、20歳の女性シンガー、メンバー募集と某音楽サイトで募集をかけたら、実に80人以上の自称プロデューサーから連絡があってビックリしたという話をしてくれたことがあったが、自分も男だからわかるけど、下心が見え見えだったと。

そういえば、バンド志望の友人もあるディレクターに「デビューへの近道は力のある人の愛人になることですよ。女性はその手があるからいいよね」と、悪びれもせずに言われたことがあると言っていたっけ?

きらびやかな世界には縁のない舞花は、改めて芸能界って怖い(¯―¯💧)と思った。
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