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激動の一日。
5.隠れ家探し
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走り出したはいいけれど、どこへ行けばいいんだろう。
今は平日の昼下がり。学校はサボっている状態。まぁ、見た目なら中学生には見えないはず。たまに大学生?て訊かれるくらいだ。平日昼間にうろうろしていても不審者扱いまではされないと思うが、それでも居心地がなんだか悪い。オレはタダの気弱で真面目な高校生なのだ。
うち、どうなっちゃったかな……全壊かなぁ……賃貸だけど、オレに請求は来ないだろうな、あれは車で突っ込まれてガソリンに引火のパターンで、全面的に車が悪いん……だけど……ヤツ、死んじまったかな……やだなぁ、殺したのオレらみたいじゃん……。
つらつらと考え込み、ゆっくりとした歩みに変わる。それを察したのか、シルバーがバッグの中から囁いた。
「人がいなさそうなとこ、まだかよ。息が詰まるんだよ、こん中はよ」
「あ、ごめん、もうちょい待って……今、どうしようか悩んでんだから」
ついつい謝ってしまうが、諸悪の根源はシルバーなんじゃあ?と、ふと思う。でもこいつ、なんて言ってたっけ……呼び出したヤツ? 頭しか呼び出せなかった? こいつはこいつで、被害者?
「あ~……匿ってもらえそうなとこ、なんかあったような気がする……」
シルバーが少しばかり不安げな声音で呟いた。そういや、ホントよく通る声だと思ってたけど、あんな真似出来るってコトは、声にも意味があるのか。
「それ、どこ? 近いのか?」
「あ……いや、場所はよくわかんねぇんだ。そこからこうしてカバンに詰められて連れて行かれたんだ。あの変態よりかはずっとまともだったぞ。あ~、でも、どこだったっけぇえええ~っ」
手足があれば頭を掻き毟っていそうな呻き声だ。だけど、場所がわかんないんじゃあ振り出しに戻る。どうしよう、とオレも頭を抱えたくなってきた頃、ふと思い出したのは、実家というヤツだった。
オレが独りで住んでいるアパート───いや、もう住んでいたって過去形になるんだろうか───は、一応、家主は親父だ。親父はオレが高校生になったばかりの頃から海外赴任とやらで出張している。母親は中学の頃に事故で死んだので、仕事が忙しい親父のために、受験シーズンにも拘わらず家のコトは全てやってきた。だから海外赴任の話があった時に、オレなら一人暮らしさせても大丈夫だろうと信用して、受かった高校に近いこのアパートを借りてくれたのだ。そして、それまで住んでいた一軒家は、たまに掃除に行ったりはするが、親父が帰るまで実質ただの空き家状態なのである。ここからだと電車で二十分といったところだ。
あそこなら、すぐには気付かれないはずだ。
オレは駅へと駆け出した。
背後でサイレンが通り過ぎていった。
駅舎が見えてきたところで、スマホが通話を伝えてきた。
画面を見ると、知らないナンバーだ。もしかしたらコレ、犯人なんじゃあ。それでも非通知ではないだけマシなのか?
迷いに迷ったが、もしかしたら登録していないだけの誰かかも知れないと考えて、歩みを止めると電話に出た。なんといっても学校をサボっているので、後ろめたい気持ちもあった。
『あ、もしもし、緋川くん? こちらレンタルショップの……』
聞き覚えのある声に表情が緩む。
「店長さんっ? いきなりでびっくりしてたんすよ~」
『ああ、心配かけてすまないねぇ。あの日も来てくれてたそうで。ああそうそう、それでね、もし良かったら、レンタル落ちの商品でも良ければ、いくらか譲れるのあるから、店まで来られるかなあ?』
「え、いいんすか?」
『もちろん、常連の君のコトだから、サービスするよ。ああ、時に君、あの日うちに来たお客さんが、君の生徒手帳が入ったカバンを持ってきてね、一階で拾ったって言ってたらしいけど、心当たりある?』
オレは息を呑んだ。同じ店の客だったのか。もしかしなくても今までにも店内で擦れ違ったりしていたのか。あんな過激派の変態と。
「えぇっと、その日オレ、カバン落としちゃったんすよ~、いやぁ、助かるっす、はい、取りに行きます~」
にこやかに爽やかな気分で通話を切ると、はぁ、とひとつため息を漏らす。しかし、バッグの中で聞き耳を立てていたらしいシルバーが、おい、聞こえてっか?と何度もオレを呼んだ。
「なんだよ、そろそろ人通りが多くなるから不審な真似はするなよ?」
「しねえしねえ。それよか、おい。知り合いだったのかよ。オレを売るつもりか?」
「……は? 売るってなにが。ああ、確かに、好事家には売れ……」
「ちげぇよっ、お前、気付いてねえのかよっ」
苛立つシルバーの声に、んん?と眉を寄せた。駅が近付き、通行人がちらほら見えてきたので、とりあえずスマホを耳に当て、電話している風を装う。
「気付いてって、だから何……」
呑気に返しかけてから、ん?と首を傾げた。
あの日……?
そういえば、昨日のアレ、あの日で通じてたけど、なんかその言い方、おかしかないか? そもそもオレのバッグを持ってきた客? 店はもう……。あの日……。
口を噤んだオレに、シルバーが笑った。
「お前、その電話してきたヤツが、今、アパートを破壊した犯人じゃんかよ」
シルバーは声や音に関しては耳もイイらしい。詠唱魔法使いにとっては、相手の詠唱を聞き逃したらえらいこっちゃ、らしいのだ。
ともあれ、これはヤバい。個人情報はかなり握られている。実家については細かく他人に話したコトはないけれど、本籍地は実家のままなので、どこででも入手は可能だ。まさか車で突撃……はもうしないだろうが。いや、今はそこの駅前のショッピングセンターにいるはずだ。オレがバッグを取りに行くのを待っている。というコトは。
今がチャンスなのかも知れない。
「なぁ、さっき言ってた、匿ってもらえそうってな家、なんか覚えてるコトないのか? それこそ、周りでしていた音とか……」
「いや、移動はいつもこん中だし、部屋は防音が……あ、そうだ」
「なに?」
「部屋の窓から外が見えてた……なんか、変わったでっかい丸い電波受ける機械とかいうの、いっぱいあってすげぇ気になって見てた……なんてったっけな……」
「あ、それこそ行こうとしてた実家の方にある電波塔だよ、ナイス記憶っ」
すごいヒントだ。無線マニアだとかいう人がアンテナを立てまくった家で、割と有名だ。
ただ、近所の人たちによると、そのせいで携帯の電波が妨害されてるだの、Wi-Fiがぶちぶち切れるだので、苦情もすごいと近所のクラスメイトも言っていた。
電車に乗ろうとすれば、駅前を通った時点で見つかるかもしれない。ひと駅歩いて次の駅から乗ろう。オレは帰宅部で萎えている脚に鞭打って、隣の駅へ向かって走った。
揺れる揺れる静かに走れと騒ぐシルバーのおかげで、ずっとカモフラージュにスマホを片手に走らされ、なんとか駅について電車に乗ると、揺れなくなったからかシルバーは静かになった。
電車の中はそろそろ帰宅時間になった学生たちで混み始めている。もうそんな時間なのか。なんだか目まぐるしくて時間のコトはすっかり忘れていた。ましてや今の時期は日が長い。
あとひと駅、というところで、再びさっきの番号から電話がかかってきた。
人がいない連結部分に移動して、急いで出る。
『あ、緋川くん、どうしたの?』
「あ、店長さん……いや、ちょっとアクシデントがあって……なかなか解放されなかったんで……」
『アクシデント?』
「えっと、まあ、事故みたいな……」
『ああ、それは仕方がないかな。……ん? ……あれ? 今、どこに?』
「え? ええっと、今からそちらに……」
『……むむ? ああ……うん、そうだね、もう少し待つんで、急いでくれると助かるな』
「あ、はい、そうします」
一瞬、怪訝そうな声音になったところで、バッグの中から囁くような声がした。オレは電話に集中していて、シルバーがなにかしてる、としかわからなかったが、電話の向こうでは納得したようだったので、とにかく手早く通話を終えた。
ふぅ~、と大きくため息をつくオレに、シルバーがバカにしたような声を上げた。
「バカか、お前、こんなうるさい乗り物ん中じゃ、向こうにいろいろ丸聞こえだったんじゃねえの? うちからあいつんとこまで、こんなの乗らなくても行けんだろ?」
「……あ? そんなにうるさい……?……あ、確かに、電車に乗ってるのはバレそう……」
「ったりめえだろ、お前の周りの音を消して、代わりに、話に合わせてサイレンとか言うの、流してみたぞ」
「うわああああ、すごいな、シルバーっ、なんでもござれなんだなっ。ここの世界の飲み込みも早いし、ホントすごいよ」
ひどく感心してオレはバッグを抱きしめた。中では、気持ち悪い、苦しい、やめろと喚いていたが、そんなコトは気にしない。
そしてちょうど電車は目的の駅に着き、オレは抱いたまま降りて走って、電波塔を目指した。
今は平日の昼下がり。学校はサボっている状態。まぁ、見た目なら中学生には見えないはず。たまに大学生?て訊かれるくらいだ。平日昼間にうろうろしていても不審者扱いまではされないと思うが、それでも居心地がなんだか悪い。オレはタダの気弱で真面目な高校生なのだ。
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シルバーが少しばかり不安げな声音で呟いた。そういや、ホントよく通る声だと思ってたけど、あんな真似出来るってコトは、声にも意味があるのか。
「それ、どこ? 近いのか?」
「あ……いや、場所はよくわかんねぇんだ。そこからこうしてカバンに詰められて連れて行かれたんだ。あの変態よりかはずっとまともだったぞ。あ~、でも、どこだったっけぇえええ~っ」
手足があれば頭を掻き毟っていそうな呻き声だ。だけど、場所がわかんないんじゃあ振り出しに戻る。どうしよう、とオレも頭を抱えたくなってきた頃、ふと思い出したのは、実家というヤツだった。
オレが独りで住んでいるアパート───いや、もう住んでいたって過去形になるんだろうか───は、一応、家主は親父だ。親父はオレが高校生になったばかりの頃から海外赴任とやらで出張している。母親は中学の頃に事故で死んだので、仕事が忙しい親父のために、受験シーズンにも拘わらず家のコトは全てやってきた。だから海外赴任の話があった時に、オレなら一人暮らしさせても大丈夫だろうと信用して、受かった高校に近いこのアパートを借りてくれたのだ。そして、それまで住んでいた一軒家は、たまに掃除に行ったりはするが、親父が帰るまで実質ただの空き家状態なのである。ここからだと電車で二十分といったところだ。
あそこなら、すぐには気付かれないはずだ。
オレは駅へと駆け出した。
背後でサイレンが通り過ぎていった。
駅舎が見えてきたところで、スマホが通話を伝えてきた。
画面を見ると、知らないナンバーだ。もしかしたらコレ、犯人なんじゃあ。それでも非通知ではないだけマシなのか?
迷いに迷ったが、もしかしたら登録していないだけの誰かかも知れないと考えて、歩みを止めると電話に出た。なんといっても学校をサボっているので、後ろめたい気持ちもあった。
『あ、もしもし、緋川くん? こちらレンタルショップの……』
聞き覚えのある声に表情が緩む。
「店長さんっ? いきなりでびっくりしてたんすよ~」
『ああ、心配かけてすまないねぇ。あの日も来てくれてたそうで。ああそうそう、それでね、もし良かったら、レンタル落ちの商品でも良ければ、いくらか譲れるのあるから、店まで来られるかなあ?』
「え、いいんすか?」
『もちろん、常連の君のコトだから、サービスするよ。ああ、時に君、あの日うちに来たお客さんが、君の生徒手帳が入ったカバンを持ってきてね、一階で拾ったって言ってたらしいけど、心当たりある?』
オレは息を呑んだ。同じ店の客だったのか。もしかしなくても今までにも店内で擦れ違ったりしていたのか。あんな過激派の変態と。
「えぇっと、その日オレ、カバン落としちゃったんすよ~、いやぁ、助かるっす、はい、取りに行きます~」
にこやかに爽やかな気分で通話を切ると、はぁ、とひとつため息を漏らす。しかし、バッグの中で聞き耳を立てていたらしいシルバーが、おい、聞こえてっか?と何度もオレを呼んだ。
「なんだよ、そろそろ人通りが多くなるから不審な真似はするなよ?」
「しねえしねえ。それよか、おい。知り合いだったのかよ。オレを売るつもりか?」
「……は? 売るってなにが。ああ、確かに、好事家には売れ……」
「ちげぇよっ、お前、気付いてねえのかよっ」
苛立つシルバーの声に、んん?と眉を寄せた。駅が近付き、通行人がちらほら見えてきたので、とりあえずスマホを耳に当て、電話している風を装う。
「気付いてって、だから何……」
呑気に返しかけてから、ん?と首を傾げた。
あの日……?
そういえば、昨日のアレ、あの日で通じてたけど、なんかその言い方、おかしかないか? そもそもオレのバッグを持ってきた客? 店はもう……。あの日……。
口を噤んだオレに、シルバーが笑った。
「お前、その電話してきたヤツが、今、アパートを破壊した犯人じゃんかよ」
シルバーは声や音に関しては耳もイイらしい。詠唱魔法使いにとっては、相手の詠唱を聞き逃したらえらいこっちゃ、らしいのだ。
ともあれ、これはヤバい。個人情報はかなり握られている。実家については細かく他人に話したコトはないけれど、本籍地は実家のままなので、どこででも入手は可能だ。まさか車で突撃……はもうしないだろうが。いや、今はそこの駅前のショッピングセンターにいるはずだ。オレがバッグを取りに行くのを待っている。というコトは。
今がチャンスなのかも知れない。
「なぁ、さっき言ってた、匿ってもらえそうってな家、なんか覚えてるコトないのか? それこそ、周りでしていた音とか……」
「いや、移動はいつもこん中だし、部屋は防音が……あ、そうだ」
「なに?」
「部屋の窓から外が見えてた……なんか、変わったでっかい丸い電波受ける機械とかいうの、いっぱいあってすげぇ気になって見てた……なんてったっけな……」
「あ、それこそ行こうとしてた実家の方にある電波塔だよ、ナイス記憶っ」
すごいヒントだ。無線マニアだとかいう人がアンテナを立てまくった家で、割と有名だ。
ただ、近所の人たちによると、そのせいで携帯の電波が妨害されてるだの、Wi-Fiがぶちぶち切れるだので、苦情もすごいと近所のクラスメイトも言っていた。
電車に乗ろうとすれば、駅前を通った時点で見つかるかもしれない。ひと駅歩いて次の駅から乗ろう。オレは帰宅部で萎えている脚に鞭打って、隣の駅へ向かって走った。
揺れる揺れる静かに走れと騒ぐシルバーのおかげで、ずっとカモフラージュにスマホを片手に走らされ、なんとか駅について電車に乗ると、揺れなくなったからかシルバーは静かになった。
電車の中はそろそろ帰宅時間になった学生たちで混み始めている。もうそんな時間なのか。なんだか目まぐるしくて時間のコトはすっかり忘れていた。ましてや今の時期は日が長い。
あとひと駅、というところで、再びさっきの番号から電話がかかってきた。
人がいない連結部分に移動して、急いで出る。
『あ、緋川くん、どうしたの?』
「あ、店長さん……いや、ちょっとアクシデントがあって……なかなか解放されなかったんで……」
『アクシデント?』
「えっと、まあ、事故みたいな……」
『ああ、それは仕方がないかな。……ん? ……あれ? 今、どこに?』
「え? ええっと、今からそちらに……」
『……むむ? ああ……うん、そうだね、もう少し待つんで、急いでくれると助かるな』
「あ、はい、そうします」
一瞬、怪訝そうな声音になったところで、バッグの中から囁くような声がした。オレは電話に集中していて、シルバーがなにかしてる、としかわからなかったが、電話の向こうでは納得したようだったので、とにかく手早く通話を終えた。
ふぅ~、と大きくため息をつくオレに、シルバーがバカにしたような声を上げた。
「バカか、お前、こんなうるさい乗り物ん中じゃ、向こうにいろいろ丸聞こえだったんじゃねえの? うちからあいつんとこまで、こんなの乗らなくても行けんだろ?」
「……あ? そんなにうるさい……?……あ、確かに、電車に乗ってるのはバレそう……」
「ったりめえだろ、お前の周りの音を消して、代わりに、話に合わせてサイレンとか言うの、流してみたぞ」
「うわああああ、すごいな、シルバーっ、なんでもござれなんだなっ。ここの世界の飲み込みも早いし、ホントすごいよ」
ひどく感心してオレはバッグを抱きしめた。中では、気持ち悪い、苦しい、やめろと喚いていたが、そんなコトは気にしない。
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