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6話 千絵改造される
しおりを挟む「スライム?個体ナンバー?あの?」
千絵はコテンと首を傾げた。
(スライムって………。さっきの?え?じゃあさっきのはやっぱりこのお兄さん?………個体ナンバー……31番?……ドッキリの設定なんだよね?)
「ええ。液人は今この船内には168体。その中で若い順にナンバーを振り分けて居るですよ。……ワタシは31番目です。個体を認識さえ出来れば良いので名前は有りません。………ドクターと言うのも艦長が勝手に呼んでいるだけですよ。」
「そうなんですね。……あの?……うぅ…………」
(どうしよう?これって本当にドッキリなのかな?…………なんだか不安になって来ちゃった……、で、でもこんなのが現実の訳ないわよね?有り得ないし…………う……でも、この手の甲の入れ墨もさっきのお兄さんも……。よく考えればおかしいわよね?だって……こんなの一体どうやって?)
何故だがどんどん不安感が増して行く。先程見たお兄さんの半透明の体が頭から離れない。目の前のお兄さん……ドクターさんに聞こうにも、聞いてしまったらドッキリが大失敗に終わるかもと思うと聞けない。
(うう……。生放送じゃない……よね?なら聞いてみても良いのかなぁ?……どうなのかなぁ?)
うーんうーんと悩んでいると液人のドクターは千絵に手を伸ばして来て、そっと頬を撫でる。
「やっぱり怖い?………艦長は貴女は繁殖に協力的で落ち着いていると言っていたですけど、…………でも凄く不安そうだ。安心して?ワタシは決して貴女に酷い事はしない………ですよ?ね?」
スリスリと優しく撫でられると千絵は顔が真っ赤になる。それを見たドクターも頬を染めた。
「ワタシは……。ずっと貴女を待っていました……ですよ。この体になってから、ずっと、人間の雌に焦がれていました。はあ。柔らかな肌♡……堪らないですよ♡」
優しく撫でている手の動きにいやらしい物が混ざって千絵はビクンと体を揺らした。
「ひゃ……、やぁ……」
(や。やだぁ。……ひ、こ、これ?何?………やっぱりエッチな番組なの?…………もしかしてAVとか?っ……ううん。それは無いよね?…ん、でも……ドクターさんの触り方が…えっち……あっ♡やぁ……)
サワサワと首筋を撫でられるとピクンピクンと体が揺れる。
ドクター役(?)の役者さんは凄く格好良い。だから千絵はぽーっとしてしまう。抵抗しないと駄目なのにそれが出来ない。
「ん……、ドクターさん。駄目ぇ……」
千絵は涙目でなんとかそう告げた。
「っ?!…………申し訳有りません。……はあ。酷い事をしないと言った側から……ワタシは……、すみませんですよ。この体に刻まれた人間の雄の本能に……流されそうになりました……ですよ。………うぅ反省………恥ずかしくて……消えてしまいたいですよ……」
ハッとして千絵から手を離したドクターはぐにゃりと歪むとどろりと液状に溶けた。千絵はまた気絶した。
▶▶▶▶▶▶
「うーん…………」
また目を覚ますと心配そうなドクターが千絵を見下ろしていた。千絵はゆっくりと身を起こして頭を抱える。流石にこれがドッキリでは無いと気づいた。だって目の前で人が半透明になってどろりと溶けたのだ。そんなのどんな技術でも不可能だ。
(あわわわわ。………これ、ドッキリじゃないなら………、私。どうしよう……、とんでも無い契約しちゃったよぉ……)
そっと手の甲の入れ墨に目をやって千絵は涙目になる。昔から親や弟から安易に契約はするなと口を酸っぱくして言われていたのに千絵はドッキリと勘違いしていたとは言えとんでも無い契約に同意してしまった。ここが本当に平行世界ならきっとクーリングオフは無い。千絵は顔が真っ赤に染まる。
(ひぃん……、なら私……子供を沢山産むの?……………色んな人間じゃない男の人とエッチして?…………このドクターさんとも?)
「…………人間No.1番さん?………大丈夫ですか?何処か痛みますか?」
心配そうな顔のドクター。
(……………スライムのドクターさん。……カッコいいなぁ。…………っ……)
胸がドキドキしてきゅっと締め付けられた。
エッチな事に免疫は無いが千絵は処女では無い。一応3年前に一人だけお付き合いしていた男性は居た。その人と数回セックスの経験が有る。一応と言うのは相手は千絵をセフレ扱いしていて付き合っているつもりは無かったと言われたからだ。それに後から知ったが既婚者だった。知らない間に不倫していた事が凄くショックで千絵はそれからは男の人と良い雰囲気になっても先に進めなかった。トラウマだ。だけど千絵にだって性欲は有る。だから、今の状況に胸がドキドキしてしまうのも仕方が無い。久しぶりの男性とのエッチな触れ合いだ。
(ドクターさんとなら……良いかなぁ。スライムさんだけど凄く人間みたいだし。かっこいいし………、それにさっき見学した交流エリア?あそこに居たライオンみたいな男の人も格好良かったし……、っ……♡あれ?変………あれ?)
何故かとってもドキドキして体が熱くなってくる。いくら性欲が有ってもいきなりこんなに興奮状態になるだろうか?千絵は自身の体の急な変化に戸惑った。
ちらりとドクターに視線を戻すと申し訳無さそうな顔をしていた。
「重ね重ね。貴女には謝罪をしないといけませんですよ……、先程。艦長がまた様子を見に来て。貴女の体に今すぐに処置をするようにと仰っしゃりました……。ワタシは正式な命令には逆らえませんから。…………貴女の同意が無ければ何もしないと言った……ですけど。でも……艦長は契約は問題無く終わっているからと…………、貴女も繁殖に同意しているからと……。押し切られて……うぅ………申し訳有りません……ですよ。既に体への処置は完了しているのですよ。……勝手にしてしまった事のお詫びでは無いですけど。貴女が繁殖で苦痛を感じない様に少しだけ手を加えておきました♡だから貴女は……発情しています。……今、エッチな事をしたくて堪らないでしょう?…今の人間No.1番さんは……雄を受け入れる準備も万全で何時でも妊娠出来る体になってるですよ♡」
(え…………。ええー?……私、寝てる間に改造されちゃったの?!……ん…そんなぁ………。んん♡やだぁ……。ん、体が熱いよぉ…、………はぁん♡でもドクターさんの言う通り………。エッチな事がしたいよぉ♡)
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