100人産むまで帰れない?!平行世界で人類は絶滅したらしいです。〜人間を繁殖させる為に私、これからイケメン(人外)とエッチしまくります〜

福富長寿

文字の大きさ
上 下
4 / 17

4話 種族

しおりを挟む






「あっ………ん、熱い……」

ぎゅうと手の甲を押さえてそれから光が消えたのを確認してから千絵は恐る恐る手の甲を見た。赤い刻印。林檎に似た模様が手の甲に入っていた。

(ひゃあ!!!入れ墨?どうやったのかしら?……もう痛くは……無い。けどこれだとお風呂屋さんとかプールは駄目かなぁ?)

そんな事を考えてつんつんと手の甲の刻印を突いていると神人は千絵の手の甲を見てウンウンと頷いた。

「それは契約が結ばれた証だよ。ふむ。これで、君と他種族との繁殖に文句をつけて来る団体も無いだろう。よし。それじゃ契約も成立した事だ。一度見学に行くかい?………この船内にはエリアが分かれていてね、今居るのは神人の居住スペース、本来なら君は此処には入る事は許されてないのだが今回は契約がまだだったからね。特別なんだ。さてと、もう此処に居る必要もない、移動しようか?」

神人はそう言う。その言葉に千絵はハッと我に返った。ついつい自分の世界に入ってしまっていた。よく職場でも怒られる、悪い癖だ。こんなだからトロイと言われるのだ。

「あ。……見学?居住スペース………、はあ。そうなんですね?えっとぉ。それじゃあお願いします」

(ネタバラシはまだなのね?………ふぅん。まだ沢山驚く事を仕込んでいるのかなぁ?素人を騙すのに凄く大掛かりなのね………。どうして私が選ばれたのかなぁ?友達の誰かが応募したのかな?それとも悟かな?こういうの好きだもんねあの子。)

友達の顔や弟のさとるの顔を思い浮かべて千絵はぼんやりとそう思った。





▶▶▶▶▶▶




神人に連れられて廊下に出る。映画で見たような宇宙船内部と言った感じだ。千絵はキョロキョロと周囲を見てニコニコと微笑んだ。千絵は映画を見たりするのは好きだ。趣味と言っても良い。月に一度はジャンルを特に決めないで一番面白そうな映画を映画館で見ている。そこの映画館が毎月1日に凄く安くなるのを知ってからはもう5年休まず毎月通っている。

(うふふ。映画の中だけなら私も主人公になれるもの……。今がまさにそんな感じね。凄く楽しいなぁ。)

そんな風にニコニコと神人の隣を歩くと神人はずっとウンウンと頷いている。

(うふふ。私、ちゃんとテレビ的に面白い反応を出来てるのかなぁ?そうだと良いなぁ)


「さあ。とりあえずは上から見てご覧。………此処は他種族の交流エリア。居住区は種族事に分けているんだけどね、こうしてこのエリア内でなら交流を許されているんだよ。勿論厳重な監視付きさ」

そう言って案内された部屋はガラス張りの窓が有ってそこから下を見ると大きなホールになっている。室内なのに広い公園の様に見える。

下は清潔な白いタイルだが一角は人工の芝生の様になっていて噴水も有る。

パラソル付きのテーブルが有ってそこでは見たこともない人に似た生き物達がお茶やお喋りに興じている。よく見ればボードゲームの様な物やカードゲームの様な物を楽しんでいる者達も居る。

ベンチに座ってのんびりとする者。本を読む者。皆が自由に過ごしている。だがそのどれもが人に似た異形の生き物だった。神人とも何かが違う。千絵はそう感じた。

(凄いなぁ。特殊メイクかな?…………あ。あの人………メイクしてても凄くカッコいいなぁ。モデルさんかなぁ?)

豊かなたてがみを風に揺らしてベンチに腰掛けるライオンの様な男。千絵はその男から目が離せなかった。




しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...