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131話 今更☆
しおりを挟む「ん……。あ……シュエルさん?……ごめんなさい。私、寝ちゃって……足痛くないですか?」
薄暗くなった部屋を、寝起きの頭でぼんやりと眺めて、ハルミはハッと身を起こす。どうやらシュエルに甘えたまま眠ってしまったみたいだ。日の傾いた部屋を見て、かなりの時間シュエルの膝に頭を預けていたのだと気づく。頭は重い、それにずっと同じ体勢で居たのだ。きっと辛かった筈だ。
「大丈夫ですよ。ハルミ様、このくらいは痛くも痒くも御座いません。寧ろ貴女様の可愛らしい寝顔を眺められて、大変幸せな時間で御座いましたよ?」
そう言ってクスクスと笑うシュエルに、ハルミはホッとした。
(やっぱり、シュエルさんは優しいな……。起こさないようにしてくれたのかな?それとも私のこんな姿を使用人さんに見せないように?)
日が暮れているのに、部屋の電気はついていない。泣いて眠ってしまったハルミに配慮してくれたのだと思うと、愛しさが込み上げてくる。
「ハルミ様こそ、ご気分はもう……、大丈夫なのでしょうか?ご無理はなさらないでくださいね?」
心配そうにハルミを見下ろすシュエルに、大丈夫ですよと答えて微笑みかけるとシュエルはホッと息を吐いた。
(あ……。シュエルさん………)
かなり心配をかけてしまった。シュエルには、まだ何も話せていない。その事に罪悪感を感じてしまう。そんなハルミの気持ちは全部表情に出ていた様で、シュエルは苦笑した。
「………………本当にわたくしの事はぁ、気になさらないで下さいませ。明日話して下さるのでしょう?もし明日、話せなかったとしても、わたくしはぁ、いつまでだってお待ちします。ですから、そんなに辛そうなお顔をなさらないでくださいませ……」
(…………また、気を使わせちゃったな)
「…………ありがとうございます。シュエルさん、………明日には絶対にお話しますから」
そうハルミが告げると、シュエルは儚げな微笑みを浮かべた。
▷▷▷▷▷▷
軽く食事を食べてから、シュエルにマッサージをして今日は口での精液摂取だ。流石に、こんな沈んだ気分でセックスをする気にはなれなかった。だが、そうは言っても精液を貰わないとハルミは死んでしまうので、しない訳には行かない。だから、今日は着衣のままフェラだけだ。
(ん…………。っ……っは…、んぅ……)
ペロペロとシュエルの固く、そそり勃つおちんぽを舐めているとハルミのおまんこはおちんぽを欲しがって、ヒクヒクと蠢いて、奥から愛液をトロリと溢れさせる。そんな自身の体の反応に、ほとほと嫌気が差す。
(悲しい時でも、お腹は空くって奴?本当………なんでこんな体になっちゃったんだろう?私が、こんな変態じゃなければ、ベルも私を好きになってくれたのかな?…………なんて……そんな事考えても仕方ないか………はあ)
「ん…………ハルミさまぁ………。はぁ……………んくぅ……」
シュエルは落ち込むハルミを気遣ってか声を抑えている。だが、時折甘い吐息が漏れているし目元が赤い。
「ん……、シュエルさん。無理に我慢しないで声出して?……声、聞きたいです」
頬を窄めてぢゅるるっと強く先端を吸い込むと、シュエルはびゅくびゅくとおちんぽを震わせながらハルミの口の中におちんぽみるくを沢山出した。
「んああっ!!はるみ様ぁっ!!!!ん………はぁん………っ♡ふ…は……っ……はぁ…………。申し訳……御座いません、貴女様は……お悩みなのに……わたくしはぁ、はしたなくも快感に溺れてしまい………ん…ふ………っ…はぁ♡」
絶頂の余韻でハァハァと乱れた呼吸で謝るシュエルの頬を、そっと撫でると、シュエルは気持ち良さそうに目を細めた。
「良いんですよ、沢山感じてくれて私は嬉しいですから。…………シュエルさん。………ん。声も我慢しないでくださいね……」
チュッと頬にキスを落とすと、シュエルは切なそうな瞳でハルミを見ている。
(……………シュエルさん、セックスしたいのかな?)
まだ、シュエルのおちんぽはビンビンに勃っている。ここの所、精液摂取は毎回セックスを最後までしていた。だから、口だけでは物足りないのかも知れない。
(……………私って本当、シュエルさんに対して酷い事してるなぁ。………今も気を使わせて、我慢させてる………)
シュエルはハルミを好きだ、愛していると言ってくれる、だけどハルミはその気持ちに応える事は出来ない。病気も治してあげられない。なのに、シュエルはそれをわかっていても一生懸命、今自分が出来る事をして、ハルミを支えてくれている。
残された時間は少ないのに、我儘も言わないで尽くしてくれている。
(……………本当は、私が幸せにしてあげないと行けないのに、せめて此処では穏やかに過ごして欲しいって思ってたのに。心配や迷惑掛けてばっかりだし………それならせめて、…………これくらいは………)
「シュエルさん………。やっぱり、最後までエッチしましょう?……シュエルさんのおちんぽが、おまんこに欲しくなっちゃいました♡」
そう甘い声で告げると、シュエルのおちんぽがピクンと動いた。
▷▷▷▷▷▷
あの後、シュエルの上に跨って、ハルミも嫌な事を忘れて快感に溺れる様に、腰を激しく打ち付けた。シュエルは何度もハルミの中に精を放ち、結合部は愛液と精液が混ざり合い泡立った。
ぐちゃぐちゃと音を立てて繋がった場所から、体が溶け合うんじゃ無いかと思う程に、お互いを貪り求め合い、そしてクタクタになるまで行為を続けて、お互い気絶するように眠りについた。
(………ん…、まだ夜中?…………目、覚めちゃったなあ………)
中途半端な時間に目が覚めたハルミは、そっと身を起こして隣ですうすうと寝息を立てているシュエルを眺める。シュエルは、よく眠っている。沢山出したのに顔色も良い。
(シュエルさんって本当、魔力多いんだなぁ………。良かった)
そっとシュエルの髪を撫でてから、ハルミは小さなため息を吐く。
(………ふう、……明日、アーノルドさんには、嘘をついた理由を聞こう。………きっと、何かちゃんとした理由がある筈だし。それに、やっぱり寂しい、……顔が見たいよ)
アーノルドに今日は顔を見たくないと告げたのはハルミだが、こうして離れるとアーノルドの事が気になって仕方無い。アーノルドがハルミに嘘をついた理由はわからないが、悪意が無いのは確かだ。だって、よくよく考えれば、ハルミに対して今回ついた嘘はアーノルドにとって得な事なんて一つも無い。考えれば考える程に、やっぱりアーノルドはハルミの為に嘘をついたんじゃないかと冷静になった今は、思ってしまう。
(……………早く仲直りしたいな。アーノルドさん………)
嘘をついた理由をアーノルドの口から、ちゃんと聞けたら、きっとハルミも納得出来る筈だ。嘘をつかれたのは悲しいが、きっとそれなら仕方無かったのだと思える筈だ。
(……………また、すぐにベルの事は忘れられる。だって、一度はそう決めたんだもん。大丈夫大丈夫、保護者変更したベルとは接点も無くなったし、今後一切会う事も無い。だから、ちゃんと忘れられる。………明日は、きっとアーノルドさんとも、ちゃんと仲直り出来る……。アーノルドさん、傷ついてるかな?………明日、仲直り出来たら謝りたいな)
感情的になって酷い態度を取ってしまった事を、ほんの少し後悔する、もう少し冷静になれていれば今、アーノルドとは共に過ごせていたかも知れないし、シュエルに無駄な心配をかけることも無かった筈だ。
(こっちの世界に来てから私、子供っぽくなっちゃったなぁ………。もっと冷静にならないとな)
そう反省しつつ、ふとマリアの事を思い出す。アーノルドに断られて泣いていた。
(………………アーノルドさんは、マリアさんより私を選んでくれた)
あの時は嘘をつかれた事ばかりを考えて居たが、こうして冷静になると喜びが湧いてくる。ベルには選んで貰えなかったけど、アーノルドはハルミを選んでくれた。マリアからの求婚を、婚約者が居るからと断ってくれたのだ。あの美しいマリアよりもアーノルドは、地味なハルミを選んだ。選んでくれた。
(……………アーノルドさん………)
胸の中を暖かいものが満たして行く。ベルの事で傷ついた心。やはりそれを癒やしてくれるのは、何時だってアーノルドだ。
(アーノルドさん。…………ちゃんと理由が有るんですよね?私の為に嘘をついてくれたんですよね?そうなんですよね?)
だが、次の日顔を合わせたアーノルドは、ハルミを視界に入れると眉を顰めた。それから抑揚の無い声で言った。
「…………ハルミ。君との結婚の件だが、一度考え直したい。…………君は、ベルと話をするべきだ。今から会いに……行こう」
「……………どうしてですか?どうして今更………そんな事を…………、この間も会わないって、私……そう言いましたよね?」
震える声でハルミが尋ねると、アーノルドは顔をハルミから完全に背けてポツリと呟いた。
「………どうしてかは……ベルに会えばわかる。君とベルは話をするべきだぁ………」
白くなる程に握りしめられたアーノルドの拳は震えていた。
そして、ハルミの体もブルブルと震える。
(っ……今更………会って、どうしろって言うんですか?………なんでまた、そんな事言うの?アーノルドさん…………)
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