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73話 射精管理と毛づくろい
しおりを挟む「…………わたくしの他にも奴隷様がいらっしゃるのですか?………………………そうですか」
シュエルは少しだけ暗い顔をする。
(……………不安にさせちゃったかな?)
ハルミはそれを見て少し申し訳無い気持ちになる。紅葉が明日帰ってくるのでシュエルに話をしたのだ。そう言えばちゃんと言ってなかったなーと思っての事だった。軽く伝えるとシュエルは顔色を曇らせた。多分怖いのだと思う、他の奴隷の代わりに買われたに過ぎないとでも思っているのかも知れない。捨てたりしないとは告げて居るが過去が過去だ。20年共に過ごした相手からゴミでも捨てるようにポイッとされたらトラウマになっていてもおかしくは無いだろう。それもまだハルミとは出会ったばかり、不安になっても仕方ない。
「シュエルさん。安心してください。…………紅葉君は短期の奴隷さんなんですよ。…………2ヶ月後には契約は終わりなんです。でもシュエルさんはずっと一緒ですからね」
ニコリと笑顔で告げると少しだけシュエルの顔色は良くなる。
「……………そうなのですか?…………短期の…………」
そう呟いてシュエルは微笑む。少しは安心して貰えたみたいだ。
「…………紅葉君もシュエルさんと同じで出戻りなんです。目を……ダンジョンで失明して戻されたんですよ………。治すのには大金が必要で………、だから目の治療と引き換えに精液摂取をさせて貰ってるんです」
そう告げるとシュエルは痛ましそうな顔をした。
「目を………なるほど。…………それは、その方も恐ろしい思いをしたでしょうね………。目が潰れたのなら……使い道などありません。囮か生き餌………わたくしと同じでございますね。…………ああ、ですがその方も幸運です。貴女様にその身を求めていただけたのですから………、きっとその方もハルミ様をお好きでしょうね」
ニコリと笑うシュエルにハルミは複雑な気持ちになる。
(………………幸運かぁ。………そうなら良いけどなぁ)
実際治療費も生活費も契約費用も払ったのはハルミでは無い。それはシュエルにも言える事だ。結局は他人の褌で相撲を取っているに過ぎない。運が良いのはハルミだろう。
(……それに………好き…かあ。………もし、小説とかの主人公だったら何の見返りも無くチートで治してあげて……そして愛されたりするんだろうなぁ。………………はあ、……………嫌われては無いだろうけど好きとかは無いよ。仕事だから媚てるだけだもん……。そんなのわかってるし)
ハルミは少しだけしゅんとする。たとえ今は多少の好意を持たれていてもきっと目が治って、姿を見たらガッカリするし後悔されるかも知れない。
(……………治ったあとは絶対に会えないなぁ。…………いい思い出で終わりたいよ)
▷▷▷▷▷▷
「ハルミっ!!!!ハルミっ!!!!会いたかった!!!!ハルミっ!!!!ただいまっ!!!ハルミっ♡」
帰って来た紅葉は早速ハルミに飛びつくとスリスリとマーキングでもする様に頭を擦りつけてくる。
「紅葉君、お帰りなさい♡……………私も会いたかったよ」
そう告げてぎゅうっとすると紅葉のスリスリは更に激しくなる。
(ふふふ。………………ちょっと痛いんだけど)
ベッドの上で紅葉はくっついて離れない。
「んっ…………紅葉君?もう体は大丈夫なの?」
「ああ。…………退院の許可も出た。………主様も一応は問題無いと……仰った……。はあ。ハルミぃ♡自分はハルミが居ないと生きていけない…………。一週間……辛かった…………。会いたかった、ハルミ♡」
そう言って紅葉はハルミの髪をざりざりと舐める、まるで毛づくろいだ。
「んやぁ♡くすぐったいよぉ♡」
クスクス笑うと紅葉もクスクス笑う。凄く嬉しそうだ。かわいい♡
「ハルミは自分の雌だから♡だから毛づくろい♡………………凄くいい毛並み♡自分と同じ黒……♡ならきっと…………相性は最高だな……♡ 早くこの目で見たい……」
ざりざりと髪を舐める舌は止まらない。
「ふふ♡紅葉君の雌?何それ♡ふふふ。………ん、じゃあ紅葉君は私の雄の猫ちゃんだね♡私もしてあげるよ♡」
クスクス笑いながらハルミも紅葉の髪を一房掴んではむはむとすると紅葉は大興奮でハルミを押し倒した。そして苦しそうに唸って股間を抑えて悶ている。その急な変わりようにハルミはポカンとする。
「ど、どうしたの?!」
驚いて肩を揺すると紅葉は痛そうな声を出す。
「っぐ…………痛い…………っ」
額に汗が滲んでいて顔は苦しそうだ。
「紅葉君っ!!!!痛いってお腹?!何処?待ってて今すぐにアーノルドさんを呼ぶからね!!!!」
ベッドから降りようとすると紅葉の手がガッチリとハルミの服を掴んでいる。
「違う……………これは…………そう言うのでは無い。…………申し訳無い………ハルミ。…………ハルミぃ、お願いだ。……行かないでぇ」
半泣きの紅葉はそう言ってもぞもぞと股間をさすっている。
「紅葉君?そう言うのじゃないって何?……………おちんちんが痛いの?」
尋ねると紅葉はうんうんと頷く。
「………………貞操帯………着けている。主様は射精管理だと仰られた……、暫くは精液摂取の時しか外せない」
そう言う紅葉の言葉にハルミは目が点になった。
(射精管理ぃ?!それなんてエロゲっ!!紅葉君ェ……)
▷▷▷▷▷▷
ズボンとパンツを脱がせて見せて貰うとおちんちんの根元にキツくベルトの様な物が巻かれていた。
(うわぁ………マジでぇ………)
流石のハルミもドン引きする。勃起すると激痛が走るらしく今や紅葉の真っ白おちんちんは縮上がっている。萎んだおちんちんは久しぶりに見た。紅葉は常に勃起していたからだ。
(あーあ。可哀想に………、初めての時以来の萎みちんぽだ…)
じっとハルミが眺めていると言うだけでも勃起しそうになるらしく紅葉は時折痛みに唸っている。
「うわぁ……………これは酷い」
思わず呟くと紅葉から悲しげな声がする。
「ハルミぃ………おちんぽ痛い。………ハルミに沢山種付したいのに……暫くは駄目だと………、くっ……申し訳無い」
紅葉は項垂れている。
「…………仕方ないよ。紅葉君に死んで欲しくないし、それに精液摂取は新しい奴隷のシュエルさんにも頼めるし。あー、後は一応この間会ったグレンさんがたまに来てくれるから、だから紅葉君は暫く無理しないで」
そう告げると紅葉はポカンと口を開けている。
「は?ハルミ………今なんと言った?」
顔色は先程よりも悪い。
「新しい奴隷さんとグレンさんが精液くれるから、だから紅葉君は暫く無理しないで」
同じように繰り返すと紅葉は震え始めた。
「どうしたの?紅葉君っ!!!また痛いの?」
尋ねると紅葉は首を横に振るがその姿はどう見てもおかしい。
「…………………新しい奴隷。嫌だけど、それは………仕方無い。自分が倒れたせいだ……だがグレン?グレンとはあの警察の男だろう?………………騙されてる。ハルミっ!!!あの男はハルミを醜女だと言ったんだ!!!!ハルミは知らないだろうが……自分の…前で悪く言った!!!!沢山言ったんだ!!!!変態で気持ち悪いとも言った!!!駄目だっ!!!!あの男は駄目だっ!!!!………何故?なんで?あの男がっ!!!!」
そう言って声を荒げる紅葉にハルミはああと思う。
(なるほどな。多分私がちんこ蹴った後……、その腹いせに紅葉君に八つ当たりしたのかな?…………ちっ、グレンさんめっ。……………今度紅葉君にも謝らせないと……。あの早漏泣き虫鬼めっ)
「大丈夫だよ?紅葉君、グレンさんとは仲直りしたし謝ってもらったよ?…………今度紅葉君にも謝ってもらうよ。ね?だからそんなに怒らないで?…………ね?」
そう告げると紅葉はしゅんとする。
「ハルミは可愛いのに……醜女なんて………言った。謝ってもそれは絶対に許せない………。ハルミは絶対に可愛いのに……、可愛くて綺麗で優しくてえろくて最高なのに……………。グレンは目が見えるくせに目が腐ってる。ずるいっ!!!!ずるいっ!!!」
ぶつぶつとちんぽ丸出してグレンに対して文句を言う紅葉にハルミは苦笑する。それからやっぱり複雑な気持ちになる。
(………………絶対に紅葉君には顔は見せれないなぁ。脳内でめちゃくちゃ美化して可愛くて綺麗な人を想像してるんだろうなぁ。…………………はあ。)
どんどんと上がるハードルにハルミは内心で辟易する。
(………………紅葉君、本当にごめんね。貴方の初めてが私なんかで…………)
騙して童貞を貰ったが今更になって後悔する。もっとちゃんと考えれば良かった。
▷▷▷▷▷▷
プンプンする紅葉の髪をはむはむと食んだり舐めたりすると紅葉は落ち着いた。たまに股間を抑えているがそれは仕方無い。なんとか勃起を我慢してもらうしかない。
「ハルミ?ハルミは自分の雌だから………だから他の男に毛づくろいしたら駄目だからなっ!!!絶対にグレンにしたら駄目だからなっ!!」
紅葉は拗ねたようにそう言う。
(いや、しないよ……、髪舐めるとかは…………)
若干内心で呆れるが紅葉はプンプンなので話を合わせる。
「うん、しないよ?紅葉君にしかしない………ほらね?」
そう言ってペロリと髪を舐めると紅葉はゴロゴロと喉を鳴らしている。
「……………うん♡…………ハルミ……ハルミは子供は男と女どちらが欲しい?」
膝枕で髪を撫でていると紅葉はそんな事を言い出す。
(ん?子供……………紅葉君って子供の話好きだよね……。子供好きって言ってたからか?それともまたリップサービスかな……)
「んー。どっちも欲しいかなぁ。………私の世界では一姫二太郎って言うんだよ。女の子生んでから……男の子かなぁ……」
言っていると胸がドキドキしてくる。
(ベルの子供………二人も産めたら幸せだろうなぁ…………。……35までには……なんとか頼めないかなぁ………。ベル♡早く会いたいなぁ)
ぼうっと考えていると紅葉が何か言った。
聞き逃してしまったので、ハッとして聞き返す。
「なに?紅葉君?」
「……………自分も子供は沢山欲しい。……………きっと可愛い」
紅葉はそう言う。
(確かに紅葉君の子なら可愛いだろうなぁ。…………目が治ったらきっと良い人を見つけられるよ。紅葉君なら………。見てみたいな紅葉君の子供………。猫耳の赤ちゃんとか絶対可愛いよね。猫人同士だと一回の妊娠で沢山産まれたりするのかな?うわ。それ絶対可愛いやつ………モフモフパラダイスじゃん)
「ふふふ、うん。絶対そうだね。沢山居たら絶対可愛い」
そう返すと紅葉はまた股間を抑えて唸っている。
(うーん。……………可哀想だけどちょっと面白いなぁ……)
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