41 / 45
41話 アスモデウスと契約履行えっち
しおりを挟む
ステータス改竄による経験値バグを試みてから数日が経った。実験の結果は上々で、悪魔としての能力が著しく上がっていることが確認できたため、現在は次の段階への準備中だ。パソコンに向かって延々と。
「んん……はぁ、飽きた」
「お疲れ奏夜、何をしていたんだい?」
「……公開されてる死刑囚たちにちょっとな?」
死神のノートの話でも述べられていたが、こういう時インターネットというのは便利だ。「死刑囚」と「一覧」の二つをキーワードにして検索エンジンを動かせば、投獄された者がこれでもかと溢れてくる。
先の能力による好感度改竄が悪魔の経験値に効率的と分かった以上利用しない手はない。しかし、だ。迂闊に好感度を変動させて、無理心中を試みられては本末転倒もいいところである。
好感度を上げるならば、行動範囲に制限が掛かっている人間に限る。そんなとき、囚人というのは非常に都合がいい。
「拘置所から出られない人間の好感度を片っ端から改竄する。女は俺に、男はアスモデウスに向けてな。その作業を延々、黙々と続けていたわけだ」
「……へぇ?」
「なあ、アスモデウス。そろそろ決着を付けようじゃないか」
ラップトップパソコンをパタリと閉じ、アスモデウスと向き合った。あの日以来一番見た顔がそこにある。
「俺とお前の契約を果たすときだ」
*
寒々とした、霜枯れ時。
人影を飲み込んだような夜の街。
口から零れた呼気が、世界に白を染めては消える。
「ねぇ、どこまで行くんだい?」
「……それもそうだな」
アスモデウスと外に出て、しばらく歩いていた。
互いに口を利く事は無く、ただ黙々と。アスモデウスが沈黙を破らなければまだ歩き続けていただろうと思いつつ、足を止めてあたりを見渡した。
二人で歩いていたからだろうか。
目の前には、見知った街並みが広がっていた。最近は来る機会もなかったが、すべての始まり、ターニングポイントを迎えたあの街だ。――俺と、色欲の大悪魔アスモデウスが邂逅したあの場所だ。
「奏夜、君は私の想像を超えて成長してくれたよ。きっと、これからもそうなんだろうね」
「……」
「君のおかげで呪縛は解けた。君を喰らえば、私の格は確実に上がるだろうね」
「……だろうな」
吐いた言葉は、影の世界に飲まれて消えた。
白息という残滓だけが、それを覚えている。
「でもま、勘違いするなよアスモデウス?」
隣を見ればアスモデウスがそこにいる。
彼女と出会ってからというのは、ほんの短い期間のはずなのに、まるでずっとそうだったんじゃないかという錯覚が湧いて出る。それくらいに、アスモデウスと出会ってからの日々は満ち満ちていた。空っぽだった俺の人生にもかかわらずだ。
――ああ、感謝しているさ。
だけど、だからこそ。
「俺は俺でお前を堕とすつもりだぞ。さて、お前に俺を堕とせるか?」
アスモデウスと向き合って、そう宣言した。
彼女はしばし呆けて、それから唐紅の唇に指をあてた。口角が悍ましく歪み、瞳は肉食動物のように爛々と猛っている。
「……くっははっ! ほんっとうに、奏夜は愉しませてくれるねぇ。ああ、いいだろうとも」
アスモデウスがその手を大仰に払った。
皓皓たる盈月の恵みを一身に浴びるその様は、生きとし生ける全ての衆生を虜にしてしまうほどに美しい。その弾けんばかりのカリスマを以て、彼女が宣誓する。
「色欲の大悪魔アスモデウスの名において宣告する。新里奏夜、君を私のものにする」
「はっ、やってみろってんだ」
それから、互いに唇を重ねた。
一度目はただ未知の快楽に為されるがままだったが、今は違う。お預けをくらった二度目とも違う。
「ん……んちゅ……んふぅ、んむっ♥♥」
挨拶のようだったキスはやがて互いを求めるキスに変わり、それから、共依存するように舌と舌を交わし合う。アスモデウスの吐息を感じる。脳も思考もトロトロに溶けてしまいそうだ。
どれほどそうしていただろう。アスモデウスの口から何かが流れてくる。すぐに分かる。唾液だ。俺はこくりと喉を鳴らし、嚥下した。
アスモデウスの唾液はほろ甘い。コーヒー豆の無いコーヒーくらいに甘い。人とは構造が違うのだろう。癖になるように出来ている。
「んはぁ♥ふふっ、随分情熱的だね」
「そりゃあ……こっちがどれだけ待ち焦がれたと思ってる」
「それもそうだね。さて、【幻創】」
アスモデウスが技能を発動した。
そう、理解した次の瞬間、俺達は室内にいた。
大理石を敷き詰めた床。月明りの差し込む天窓。
備え付けのベッドはファンタジーの皇族が使っていそうなカーテンのついたムードのあるキングサイズ。アスモデウスはそれに腰掛けると俺を手招きした。
「便利だろう? 幻を具現化する能力さ。もっとも、影の世界でしか使えないスキルだけどね」
「これが、幻なのか……」
ベッドに手を当ててみる。
軽く押し込めば柔らかに反発した。明らかに実体を持っている。摩訶不思議な妖術だと思いながらも、アスモデウスに並んで座る。
「なら、よっと【ステータス改竄】」
俺はこの部屋に対して改竄を行った。
変更する項目は室温。真冬の寒さに染まった空気を、心地よい温度まで引き上げる。からだの表面からポカポカと温まる様だった。
「本当に、便利な能力だよね」
「まあな。だが、【時間停止】を優先して取った方がいいんじゃないか?」
「もちろんそっちも取得するさ。知ってるかい? 色欲の悪魔だからって強欲と無縁って訳じゃないんだ。欲しいものは全て手に入れるさ」
「流石、大悪魔様は言うことが違う」
「君を堕とせばそれで事足りる。決して夢物語なんかじゃないからね」
ドンという衝撃とともに、俺はベッドに押し倒された。俺の真上にあるアスモデウスの顔が、あっという間に目の前にやってきた。口を口で塞がれて、甘露な唾液がとくとくと流し込まれる。
頭がくらくらするようなそれを受けながら、俺の手は思考とは自立して稼働し始めた。アスモデウスの纏うフード付きのクロークの中に手を潜り込ませ、双丘目指して這わせる。
「んひゃっ♥」
「っはぁ!」
アスモデウスがビクンと跳ねて、顔が離れる。
その間に俺は大きく息を吸った。びりびりと痺れていた思考もわずかながらに回復したようで、ある程度落ち着きを持ち始めた。
「ふふっ、やってくれたね奏夜」
俺の真上で妖艶な笑みを浮かべるアスモデウス。彼女は俺のズボンを脱がすと、股間に顔を近づけた。
「あはっ♥随分素晴らしいことになってるねぇ……。数多の女を虜にしてきた、凶悪凶暴なマジカルチンポじゃないか。はむ」
「おあ……っ!?」
アスモデウスが股間にカプリと食い付いた。
未だ温まりきっていない彼女の唇はひんやりとしていて、轟々と怒張するほどに熱くなった股間によく効いた。快楽の信号が、全身へと巡る。
アスモデウスの舌が、一物に触れた。
ざらりとした舌。ぬめる唾液。それが陰茎を這いつくばるのが感じられ、それだけで気持ち良くなってしまう。
「んふぅ……れろ……ん……っ♥」
アスモデウスがぱくりとちんぽを咥えこんだ。
亀頭から暖かいものに包まれて、母胎に還るような安心感が湧いて出る。
まあ、【マジカルチンポ】のおかげで耐えようと思えばいつまでも耐えられるのだが、それは何というか味がない。折角の淫魔による口淫なのだ。気持ち良くなるまま気の向くままに射精してしまおう。
「射精すぞアスモデウス!」
「んっ」
どくどくと、白濁液が溢れ出した。
マジカルチンポの補正もない、地力の精液を出した。だというのに、射精はなかなかに止まらない。少なくともアスモデウスと出会う前はこんなに出なかった。俺という存在が、より一層悪魔に近づいていたという事だろうか。
ちゅぽんとチンポを抜くと、アスモデウスの口内が見えた。その壺には白くてドロドロした薬液が大量に溜まっていて、彼女の舌は真っ白になっていた。
アスモデウスは雅に笑い、それを飲み下した。俺の遺伝子が、この絶世の美女の体内に取り込まれていくのだと思うとそそるものがある。一度性を解き放ったにもかかわらず、瞬く間に股間はいきり立ちそそり立つ。
「あははっ♥すごいことになってるねぇ! 今の、素の状態だろう? あんなに出したっていうのにもうギンギンになってるし……♥」
「そうしたのはお前だろ?」
「ふふっ、そうある事を望んだのは奏夜じゃないか」
「それもそうだ、っな!」
今度は俺の番だと、アスモデウスと体勢を逆転させる。彼女の股間に顔を近づけると、甘い香りがした。これがフェロモンというやつだろうか。俺にマジカルチンポがあるように、彼女にも人を中毒にする特殊な能力が備わっているのかもしれない。むしろ、そう考えて挑む方がいいだろう。
クリトリスに、舌を合わせた。
「んっ♥ふふっ♥」
アスモデウスが笑う。強者が見せる余裕のように。
構わない、最初から分かっていることだ。俺は挑戦者で彼女は王者。俺の為すべきことは精一杯の死力を尽くし、その牙城に風穴を開ける事だけだ。
亀裂に従って舌を這わせる。
アスモデウスは決して不感症なんかではない。気持ち良ければ反応もする。その反応を見逃さないように心掛けつつ、じりじりとアスモデウスを火照らせていく。
ときおり、穴に舌を差し込む。
案の定、アスモデウスの分泌液は普通じゃなかった。脳にもやもやとした霧でもかかるように何かが広がって、含めば含むほどに次を求めてしまう。多分、麻薬の虜になる感覚に近いんじゃないだろうか。
「んあっ♥はぁあん♥」
アスモデウスが零した声。
それが脳に響いた瞬間、俺の中の獣が暴れ出した。あるいは意識が覚醒したというべきだろうか。理性を持った性欲という魔獣が俺の体を支配して、目の前の獲物を喰らうために全身全霊を注いだ。
「あっ♥あっ♥あはぁ♥♥すごっ♥あはっ♥イクっ♥人間にイかされる♥♥」
アスモデウスの足が、俺の胴体を絡めとった。
強く優しく抱擁されて、ますます俺の性欲が暴走する。暴食の本能に従って色欲の悪魔と対峙する。
「ああぁぁっ♥イックゥゥゥゥ♥♥」
ビシャと、顔に暖かい液がかかった。
指で掬うと、わずかに粘性を帯びた液体。それを掬って口に運んだ。決して神聖なものではないというのに、それはこの上なく、どうしようもなく、たまらなかった。
「あは、あはは。私の体液をそれだけ取り込んで理性を保ち続けるってどんだけなのさ」
しばらくして、硬直していたアスモデウスが力を抜いてそう呟いた。どうやら俺はまだ堕ちていないらしい。
ふぅ、と息をついたアスモデウス。
彼女は続けてこう言った。
「これは、ちょっと本気を出さないとかな?」
彼女は彼女の瞳を燦々と輝かせた。
その全てを飲み込むような瞳に吸い込まれるようで、俺は彼女から視線を外すことができない。
「【媚霧】」
彼女がそう言うと、室内に甘い香りが漂った。
「んん……はぁ、飽きた」
「お疲れ奏夜、何をしていたんだい?」
「……公開されてる死刑囚たちにちょっとな?」
死神のノートの話でも述べられていたが、こういう時インターネットというのは便利だ。「死刑囚」と「一覧」の二つをキーワードにして検索エンジンを動かせば、投獄された者がこれでもかと溢れてくる。
先の能力による好感度改竄が悪魔の経験値に効率的と分かった以上利用しない手はない。しかし、だ。迂闊に好感度を変動させて、無理心中を試みられては本末転倒もいいところである。
好感度を上げるならば、行動範囲に制限が掛かっている人間に限る。そんなとき、囚人というのは非常に都合がいい。
「拘置所から出られない人間の好感度を片っ端から改竄する。女は俺に、男はアスモデウスに向けてな。その作業を延々、黙々と続けていたわけだ」
「……へぇ?」
「なあ、アスモデウス。そろそろ決着を付けようじゃないか」
ラップトップパソコンをパタリと閉じ、アスモデウスと向き合った。あの日以来一番見た顔がそこにある。
「俺とお前の契約を果たすときだ」
*
寒々とした、霜枯れ時。
人影を飲み込んだような夜の街。
口から零れた呼気が、世界に白を染めては消える。
「ねぇ、どこまで行くんだい?」
「……それもそうだな」
アスモデウスと外に出て、しばらく歩いていた。
互いに口を利く事は無く、ただ黙々と。アスモデウスが沈黙を破らなければまだ歩き続けていただろうと思いつつ、足を止めてあたりを見渡した。
二人で歩いていたからだろうか。
目の前には、見知った街並みが広がっていた。最近は来る機会もなかったが、すべての始まり、ターニングポイントを迎えたあの街だ。――俺と、色欲の大悪魔アスモデウスが邂逅したあの場所だ。
「奏夜、君は私の想像を超えて成長してくれたよ。きっと、これからもそうなんだろうね」
「……」
「君のおかげで呪縛は解けた。君を喰らえば、私の格は確実に上がるだろうね」
「……だろうな」
吐いた言葉は、影の世界に飲まれて消えた。
白息という残滓だけが、それを覚えている。
「でもま、勘違いするなよアスモデウス?」
隣を見ればアスモデウスがそこにいる。
彼女と出会ってからというのは、ほんの短い期間のはずなのに、まるでずっとそうだったんじゃないかという錯覚が湧いて出る。それくらいに、アスモデウスと出会ってからの日々は満ち満ちていた。空っぽだった俺の人生にもかかわらずだ。
――ああ、感謝しているさ。
だけど、だからこそ。
「俺は俺でお前を堕とすつもりだぞ。さて、お前に俺を堕とせるか?」
アスモデウスと向き合って、そう宣言した。
彼女はしばし呆けて、それから唐紅の唇に指をあてた。口角が悍ましく歪み、瞳は肉食動物のように爛々と猛っている。
「……くっははっ! ほんっとうに、奏夜は愉しませてくれるねぇ。ああ、いいだろうとも」
アスモデウスがその手を大仰に払った。
皓皓たる盈月の恵みを一身に浴びるその様は、生きとし生ける全ての衆生を虜にしてしまうほどに美しい。その弾けんばかりのカリスマを以て、彼女が宣誓する。
「色欲の大悪魔アスモデウスの名において宣告する。新里奏夜、君を私のものにする」
「はっ、やってみろってんだ」
それから、互いに唇を重ねた。
一度目はただ未知の快楽に為されるがままだったが、今は違う。お預けをくらった二度目とも違う。
「ん……んちゅ……んふぅ、んむっ♥♥」
挨拶のようだったキスはやがて互いを求めるキスに変わり、それから、共依存するように舌と舌を交わし合う。アスモデウスの吐息を感じる。脳も思考もトロトロに溶けてしまいそうだ。
どれほどそうしていただろう。アスモデウスの口から何かが流れてくる。すぐに分かる。唾液だ。俺はこくりと喉を鳴らし、嚥下した。
アスモデウスの唾液はほろ甘い。コーヒー豆の無いコーヒーくらいに甘い。人とは構造が違うのだろう。癖になるように出来ている。
「んはぁ♥ふふっ、随分情熱的だね」
「そりゃあ……こっちがどれだけ待ち焦がれたと思ってる」
「それもそうだね。さて、【幻創】」
アスモデウスが技能を発動した。
そう、理解した次の瞬間、俺達は室内にいた。
大理石を敷き詰めた床。月明りの差し込む天窓。
備え付けのベッドはファンタジーの皇族が使っていそうなカーテンのついたムードのあるキングサイズ。アスモデウスはそれに腰掛けると俺を手招きした。
「便利だろう? 幻を具現化する能力さ。もっとも、影の世界でしか使えないスキルだけどね」
「これが、幻なのか……」
ベッドに手を当ててみる。
軽く押し込めば柔らかに反発した。明らかに実体を持っている。摩訶不思議な妖術だと思いながらも、アスモデウスに並んで座る。
「なら、よっと【ステータス改竄】」
俺はこの部屋に対して改竄を行った。
変更する項目は室温。真冬の寒さに染まった空気を、心地よい温度まで引き上げる。からだの表面からポカポカと温まる様だった。
「本当に、便利な能力だよね」
「まあな。だが、【時間停止】を優先して取った方がいいんじゃないか?」
「もちろんそっちも取得するさ。知ってるかい? 色欲の悪魔だからって強欲と無縁って訳じゃないんだ。欲しいものは全て手に入れるさ」
「流石、大悪魔様は言うことが違う」
「君を堕とせばそれで事足りる。決して夢物語なんかじゃないからね」
ドンという衝撃とともに、俺はベッドに押し倒された。俺の真上にあるアスモデウスの顔が、あっという間に目の前にやってきた。口を口で塞がれて、甘露な唾液がとくとくと流し込まれる。
頭がくらくらするようなそれを受けながら、俺の手は思考とは自立して稼働し始めた。アスモデウスの纏うフード付きのクロークの中に手を潜り込ませ、双丘目指して這わせる。
「んひゃっ♥」
「っはぁ!」
アスモデウスがビクンと跳ねて、顔が離れる。
その間に俺は大きく息を吸った。びりびりと痺れていた思考もわずかながらに回復したようで、ある程度落ち着きを持ち始めた。
「ふふっ、やってくれたね奏夜」
俺の真上で妖艶な笑みを浮かべるアスモデウス。彼女は俺のズボンを脱がすと、股間に顔を近づけた。
「あはっ♥随分素晴らしいことになってるねぇ……。数多の女を虜にしてきた、凶悪凶暴なマジカルチンポじゃないか。はむ」
「おあ……っ!?」
アスモデウスが股間にカプリと食い付いた。
未だ温まりきっていない彼女の唇はひんやりとしていて、轟々と怒張するほどに熱くなった股間によく効いた。快楽の信号が、全身へと巡る。
アスモデウスの舌が、一物に触れた。
ざらりとした舌。ぬめる唾液。それが陰茎を這いつくばるのが感じられ、それだけで気持ち良くなってしまう。
「んふぅ……れろ……ん……っ♥」
アスモデウスがぱくりとちんぽを咥えこんだ。
亀頭から暖かいものに包まれて、母胎に還るような安心感が湧いて出る。
まあ、【マジカルチンポ】のおかげで耐えようと思えばいつまでも耐えられるのだが、それは何というか味がない。折角の淫魔による口淫なのだ。気持ち良くなるまま気の向くままに射精してしまおう。
「射精すぞアスモデウス!」
「んっ」
どくどくと、白濁液が溢れ出した。
マジカルチンポの補正もない、地力の精液を出した。だというのに、射精はなかなかに止まらない。少なくともアスモデウスと出会う前はこんなに出なかった。俺という存在が、より一層悪魔に近づいていたという事だろうか。
ちゅぽんとチンポを抜くと、アスモデウスの口内が見えた。その壺には白くてドロドロした薬液が大量に溜まっていて、彼女の舌は真っ白になっていた。
アスモデウスは雅に笑い、それを飲み下した。俺の遺伝子が、この絶世の美女の体内に取り込まれていくのだと思うとそそるものがある。一度性を解き放ったにもかかわらず、瞬く間に股間はいきり立ちそそり立つ。
「あははっ♥すごいことになってるねぇ! 今の、素の状態だろう? あんなに出したっていうのにもうギンギンになってるし……♥」
「そうしたのはお前だろ?」
「ふふっ、そうある事を望んだのは奏夜じゃないか」
「それもそうだ、っな!」
今度は俺の番だと、アスモデウスと体勢を逆転させる。彼女の股間に顔を近づけると、甘い香りがした。これがフェロモンというやつだろうか。俺にマジカルチンポがあるように、彼女にも人を中毒にする特殊な能力が備わっているのかもしれない。むしろ、そう考えて挑む方がいいだろう。
クリトリスに、舌を合わせた。
「んっ♥ふふっ♥」
アスモデウスが笑う。強者が見せる余裕のように。
構わない、最初から分かっていることだ。俺は挑戦者で彼女は王者。俺の為すべきことは精一杯の死力を尽くし、その牙城に風穴を開ける事だけだ。
亀裂に従って舌を這わせる。
アスモデウスは決して不感症なんかではない。気持ち良ければ反応もする。その反応を見逃さないように心掛けつつ、じりじりとアスモデウスを火照らせていく。
ときおり、穴に舌を差し込む。
案の定、アスモデウスの分泌液は普通じゃなかった。脳にもやもやとした霧でもかかるように何かが広がって、含めば含むほどに次を求めてしまう。多分、麻薬の虜になる感覚に近いんじゃないだろうか。
「んあっ♥はぁあん♥」
アスモデウスが零した声。
それが脳に響いた瞬間、俺の中の獣が暴れ出した。あるいは意識が覚醒したというべきだろうか。理性を持った性欲という魔獣が俺の体を支配して、目の前の獲物を喰らうために全身全霊を注いだ。
「あっ♥あっ♥あはぁ♥♥すごっ♥あはっ♥イクっ♥人間にイかされる♥♥」
アスモデウスの足が、俺の胴体を絡めとった。
強く優しく抱擁されて、ますます俺の性欲が暴走する。暴食の本能に従って色欲の悪魔と対峙する。
「ああぁぁっ♥イックゥゥゥゥ♥♥」
ビシャと、顔に暖かい液がかかった。
指で掬うと、わずかに粘性を帯びた液体。それを掬って口に運んだ。決して神聖なものではないというのに、それはこの上なく、どうしようもなく、たまらなかった。
「あは、あはは。私の体液をそれだけ取り込んで理性を保ち続けるってどんだけなのさ」
しばらくして、硬直していたアスモデウスが力を抜いてそう呟いた。どうやら俺はまだ堕ちていないらしい。
ふぅ、と息をついたアスモデウス。
彼女は続けてこう言った。
「これは、ちょっと本気を出さないとかな?」
彼女は彼女の瞳を燦々と輝かせた。
その全てを飲み込むような瞳に吸い込まれるようで、俺は彼女から視線を外すことができない。
「【媚霧】」
彼女がそう言うと、室内に甘い香りが漂った。
0
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる