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保護猫チャチャの冒険(17)(最終話)
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かおるさんが、正面玄関から出て来たのを確認した、チャチャが、合図を送ると、グレイシィのピアノで、いつも、ご飯の時に、かおるさんが、僕達を集めるのに、かけている「私のお気に入り」の前奏が流れました。すると、ピアノの音に重ねるように、チワワとダックスの木琴と、メグオとマゼの鉄琴、そしてマックスのフルート、最後に、ハリネズミの親子のカスタネットと、トライアングルが、まるで、川の流れのように清らかに、華やかに奏でられました。周りで見ていた人達の拍手が、鳴り止んだ後、メグオとマゼの鉄琴が始めた曲は「ドレミの歌」でした。ニャーニャニャニャニャニャニャーワンワワワワワワン。そして、周りで見ていた人達も、ミはみんなのミ。ファはファイトのファ。ソは青い空。そして、手拍子と、鉄琴の音が、クリスマスの夜空に響き渡リます。曲が終わると、全員が、深々と、お辞儀をして、一匹、一匹が、一歩前に出て来た後、かおるさんの膝の上に乗り、心ゆくまで、撫でて、もらいました。グレイシィ、マックス、メグオ、レオン、チワワ、ダックス、そして最後に、背中に、ハリネズミの親子を乗せたチャチャが、かおるさんの前に行きました。背中のハリネズミの親子を、そっと撫でた後、チャチャの背中と頭を撫でて「チャチャ君、みんな、素敵なお見舞いをありがとう。気を付けて、帰ってね。きっと、元気になって、みんなに会いに行くからね。」みんな背中に楽器を括り付けて、口に、それぞれが鈴を咥えて、上下に、リンリンリンと、鳴らしながら、警察官の誘導で、横断歩道を渡って帰って行く姿を見ていた、かおるさんに、看護師さんが「かおるさん、冷えてきたので、お部屋に戻りましょうね。」と、声を掛けられ、ゆっくりと正面玄関に、車椅子が、入って行きました。その後、病院の周りは、再び、静寂が戻り、何事もなかったように、厳かな聖夜の夜が戻って来ました。それから、二ヶ月後のある日、白い自転車に乗った、かおるさんが、いつもの「わたしのお気に入り」の曲を、掛けながら、やって来た時、母猫モモ、グレイシィ、マックス、メグオ、レオン、そして、一番最後にチャチャが、走って来ました。チャチャは、かおるさんに飛びつくと、鼻と鼻を、くっつけて挨拶しました。その時、かおるさんが、「みんな、チャチャ、帰って来たよ。」そう言うと、チャチャを、力いっぱい抱きしめて、背中を、トントンと叩くと同時に、かおるさんの目から、涙が、後から後から、流れて来るのでした。もしも、みなさんが、広井町に、来る事が、あったら、少し足を伸ばし、広井町公民館に、行ってみて下さい。母猫モモと、5匹の子供の猫達が、あなた達を、待っているかも?しれませんよ。
おしまい。
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