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保護猫チャチャの冒険(9)
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その夜、母猫モモが、眠りに就いた頃、「オイ、みんな行くぞ。」チャチャの声で、みんな、公民館の街灯の下に、集まりました。誰にも見つからないように、抜き足差し足忍び足、サササササ、ススススス、ソロリソロリ、サササササ、ススススス、ソロリソロリソロリ、そうして、広井町幼稚園の裏口に、着きました。「これだよ、これ。ほら、見てご覧よ。宝の山じゃないか。」チャチャの視線の先には、ゴミ置き場が、そして、そこには、オモチャのピアノ、木琴、鈴、トライアングルなどがありました。「これ、全部、貰って行こうよ。いらないみたいだから。」「でも、チャチャ兄ちゃん、どこに持って行くの?たくさんあるよ。」「それは、この間、遊歩道を散歩した時、古い蔵を見つけたろ。あそこは、窓が、壊れていたから入れるよ。それに、運んだ後、楽器の練習も、できそうだし。」「そうだね、そうだね。そうしよう。」「それじゃ、みんな、蔵に運ぶぞ。自分で、運べる物を背中に積んで、僕がヒモで、落ちないように固定するから。」そうして、それぞれが、背中に楽器を括り付けて、出発です。カタカタカタ、シャンシャンシャン、ゴトゴトゴト、ポンポンポン、やっと蔵に着きました。みんなで床を掃除して、そっとそっと、楽器を置きました。その後、楽器の修理をして、グレイシィ。が、オモチャのピアノで、いつも、かおるさんが、ご飯の合図の時に鳴らす曲を、静かに弾きました。暗い闇夜の蔵の中で、澄んだ音が、響きわたりました。
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