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夢の結晶 第23話(最終話)
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僕の話に呆然としている、三島をそのままにして、私は先を続けた。「僕が、アメリカに行き、あとは月日がすぎ、それで全てが、解決するはずだった、横浜の施設から、彼女が姿を消すまでは、まさか、三島の病院に保護されているとは。私は、三島に自分が、した事を話す時が、来ている事を悟った。いつか真実を、話さなければと、思っていたが、今日まで話せずにいた。その事を、すまないと思っている。」僕の話を黙って、聞いていた三島が、口を開いた。「奥田、僕が保護した、彼女の本当の名前を、教えてくれないか。」「彼女の本当の名前は、藤崎麻巳子(まみこ)と、言うんだ。」「じゃあ、今日で彼女をアリスと、呼ぶのは、もう、おしまいだな。こんなに素敵な名前が、ある事が、わかったのだから。」それから、少し微笑むと、「なあ奥田、お前麻巳子さんに、弟が、いた事を知っているか。」僕が、首を横に振ると「松島君だよ」「でも、名字が違うじゃないか。」「あの後、麻巳子さんのお父さんは、すぐに病気で亡くなり、一人になったお母さんは、実家に戻って、旧姓の松島を名乗る事になった。その後、松島君を東照大学医学部に入れ、医者にした。でも、その事を、知っているのは、小山教授只一人だけだった。僕は、あるルートから、内密に調べて、この事を知った。」「だから、お前は、教授の手術の時に、松島君を第二助手に、したんだな。」「それだけじゃない、教授の手術を引き受ける時、ある、取引をした。それは、松島君を僕の病院に、預からせて欲しい。そして、時が来たら、東照大学病院第一外科の教授に、して欲しいと、教授も彼の、お兄さんの事を知って、胸を痛めていたので、快く、了承してくれた。」今度は、僕が呆然とした。「もちろん、奥田も、松島君に色々、教えてくれるんだろ。何といっても、アメリカで、脳の神様と呼ばれる、ジョージ、ホプキンス教授の病院で学んできたんだからな。期待してるよ。」そう言うと、大学時代のような拳が、僕の分厚い胸板で、ドスンと音を立てて響いた。その後「井上君、あの廊下の、突き当たりの使っていない病室、綺麗な部屋に、リフォームしたいんだ。誰か良い業者さん知っている。」「はい、でも、その部屋、誰が使うんですか。」「アリス、いや、藤崎麻巳子さんだよ。」事情が、まだ良く飲み込めていない、井上君に、楽しそうに、説明をする、三島を見つめ、僕は、この病院は、この世の中を浄化する、最後の砦ではないのかと、思った。
Fin
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