夢の結晶

夢の結晶 第１６話

翌朝、僕は奥田と井上君を、連れて小山教授が、入院している、特別個室に、向かった。既に、大川助教授が、朝の回診に来ていた。「おはようございます。小山教授、私が、この度、先生の主治医を務めさせていただく、三島です。奥田と井上君も、先生の担当です。早速ですが、手術の事も含めた、お話しを致します。この画像が、先日の先生の検査結果です。小山教授は脳腫瘍です。僕は手術で、全て取り除く事が、可能だと、考えています。ただ、この部分に関しては、僕もオペの経験は、ありません。けれども、先日、小山教授が以前、海外に、発表された論文を読んで可能だと、思いまして。」「三島先生、確かに論文の理論上は、可能であると、私自身も、仮定しましたが、私も、オペは、した事は、ないです。私は、本当に大丈夫なのでしょうか。」「今の段階では、これ以上の方法が、見つけられない。僕に任せていただけないでしょうか。」「わかりました。三島先生、よろしくお願い致します。」「小山教授、僕も全力を尽くします。その代わりと、言っては、失礼ですが、手術の時に、第一外科の松島君を、僕の第二助手に、貸していただけないでしょうか。」「松島君を」「はい、是非お願い致します。」「承知した。大川助教授から、松島君に、話しておくよ」「ありがとうございます。よろしくお願い致します。」僕は、教授の手首を、手に取り、脈を計り、聴診器を、胸にあてた。