2 / 5
第2話 疑惑
しおりを挟む
「笛ですか?」
「狼除けの笛だ。大事なものだ。鳥に取られて……追いかけていた。おかげ様で助かった」
「どういたしまして」
「ところで」
男は笛を腰に吊るすとソフィに聞いた。
「ここの堤はずいぶんと高さがあるな。ここまで水が来るのか?」
「いいえ。この小川は水を引き込むための用水です。大雨でも水はさほど増えません」
「なるほど、詳しいな。この土地の者か」
「そうですけど……」
言いながらソフィは思った。
(領内のことに詳しいのは当然。でもまさか、自分が城の娘だとは言えないけれど……)
「城に向かう途中なのだが、この道でいいのか?」
「ええ、すぐ向こうに見えるのがそうです……城にご用ですか、旅の方?」
城の近くと知って男はほっとしたようだった。
「よかった。呼ばれて来たのだが、途中、橋が通れなくて、時間がかかってしまった」
「どこの橋のことでしょう?」
「『奇跡の橋』」
「……それはおかしい。昨日までには直るはずだったのに。すぐに人をやって調べさせます。ご不便を」
「いや、別の道を通って、思ったよりも早く着いたようだ。それ以外はまったく不便なかったし、ここの領内の通行は安全だと感じた。大したものだ」
領地の治世を褒められて悪い気はしない。が、
(ずいぶんと偉そうだな……)
ソフィはあらためて男の姿を見回した。
男の衣服は、派手ではないが上等と見てわかる。田舎の城には不釣り合いな洗練された容姿。連れている馬の毛並みも見事なものだ。
そういえば出がけに、側近が「王家からの使者が遅れている」と報告するのを聞いた。
ソフィは男の素性を思い、何となく嫌な予感がした。
が、今さら逃げ出してもどうにもならない、と思い直した。そして客人の正体については素知らぬ振りを続けることにした。
「お客人、城へ参りましょう。ご案内します」
ソフィは馬の手綱を取ろうとした。が、アルフォンスはそれを制した。
「構わない、俺も歩く」
ソフィは先に立って歩き、馬を引いた男も徒歩で続いた。
***
客人を連れて城の礼拝堂に戻ると、父親はそのお客にだけ声をかけた。
「アルフォンス殿下、ご無事のお着きでございますか。お待ち申し上げておりました」
案の定、客人は王家からの使者だった。
使者の身分は、王家の二番目の王子のアルフォンス。彼はしばしば、王家の名代として地方を訪れている。特にソフィたちのように田舎領地に派遣されることが多く、彼がやって来たことで父親は、
(よりによって第二王子が来たか。宮廷は、我々を田舎者と馬鹿にしているのだ)
と、内心で舌打ちした。
それでも、王家からの使者は使者。アルフォンスに対して、父親はこれまでにないくらい慇懃に、低姿勢に出て接する。礼を尽くされることに慣れている王子は、片手をあげてそれを受け流す。
「予定より遅れた。……婚礼の式はこれからか?」
「はい、彼がシリルです」
父親はシリルの背をアルフォンスの前へと押し出す。
シリルは花婿の衣装を着て、いつにもまして美男子っぷりを発揮していた。
ソフィが視線を動かすと、少しだけ離れてオデットの姿もあった。
アルフォンスはシリルからも丁重な挨拶を受けていた。
「じゃあ、お前が夫で、いずれ城の跡継ぎだな………」
「はい、よろしくご承認くださいませ」
シリルは頭を下げた。
「そしてこれが妻になる我が娘……」
父親はソフィの手首をつかんで王子の前に突き出そうとし、そこではっとした。
「お前、指輪はどうした?」
「指輪……?」
ソフィは父親が乱暴に放した左手首をさすった。
(指輪なら、たった今、川に捨ててきたところだ)
父親はわめいた。
「婚約指輪だ、あれがないと、結婚が成立しない」
「いつの間にか……失くしてしまったのかもしれません……」
「失くした?! 指輪をなくすなどと、前代未聞、何を考えているのだ、この未熟者め……」
父親の悪口雑言は続く。ついに、
「……まさか、お前、婚約者として、正しくない振る舞いをしたのではあるまいな。それで指輪が、お前では相応しくないと、消えてしまったのだ。すべてはお前の素行のせいだ……」
「それを、お疑いですか? いつでも私は、あなたの誇りとする城の娘ですのに」
さすがにソフィは腹が立って言い返した。心の中では
(婚約者としての正しさを疑うのなら、私ではなくてシリルの方だ)
という思いがあったからだ。
親子の話を聞いていたアルフォンスが調停に入った。
「婚約指輪がなくても結婚証明に支障はない。婚約者同士だったと誰もが納得できれば……何かないか、例えば、すでに夫婦のように寝室を共にしているとか、子供があるとか」
「全くありません」
ソフィは勢いよく答えた。一方でそれを聞いたオデットが卒倒し、シリルが駆け寄って身体を抱き留めた
父親はソフィに言った。
「まずはお前が婚約者として相応しいかどうかだ。身の正しさを証明してこい。すべての話はそれからだ。明日の夜明けまでは戻るな。いいな?」
実際の所、身の正しさを証明する方法はほとんどない。ただ一つ、禁止されている神判を除いては。
ソフィはこれ以上口を聞くのも腹立たしいとばかり、無言でその場を去る。
「お前も行くんだ」
父親に言われて司祭もソフィの後を追って去った。
アルフォンスは父親に言った。
「どうあっても構わないが、期限は三日後、それまでに結論を出せ。四日目には俺は帰る」
「もちろんです、殿下」
「それと、知っているだろが神判は禁じられている。その結果を証明に使うことはできないし、実施した者も処分の対象になる」
「存じております。しかしそれでは娘が納得しないでしょう……娘の身勝手には手を焼いております」
「……」
アルフォンスは父親の真意をますます疑わしく思った。
神判は事の是非を神の名のもとに占う方法で、事実との関連性は乏しい。信憑性はない、とアルフォンスも思っている。
それでも、どうしても、決着がつかない場合や、不貞を問う場合には広く行われていて、禁止されていても、なかなかなくならない。
「殿下、お帰りになるまではどうぞ我が城に滞在を。田舎の城ですができる限りの御用を供させていただきます」
父親は恭しく頭を下げた。
***
父親が去った後、アルフォンスと、シリルと、気を失ったオデットが取り残された。
アルフォンスがシリルに声をかけた。
「その娘は……お前の恋人か?」
シリルはむっとして答えた。
「ソフィの妹です。名前はオデット」
「へえ……妹がいたのか」
アルフォンスはオデットの顔をわざと無遠慮にのぞきこんだ。
「お前とは、親しいのか」
「そんなことはありません。……殿下、あなたの方こそどうなんです? ここに来るまでの間、ソフィと二人きりでいたではありませんか」
「彼女とは『奇跡の橋』が落ちた話をしていた」
「それは何かの暗号ですか」
「いや、ただの橋の名前だ……お前の方こそ、自分の婚約者を信じないのか」
シリルは一瞬言葉に詰まり、それから言い返した。
「あなたが王子といえど、侮辱されて平気ではいられません、失礼します」
シリルはオデットを抱きかかえ、その場を後にした。
シリルとオデットの後ろ姿を見ながらアルフォンスは思った。
(身の正しさに問題があるとすれば、あいつらの方じゃないのか……)
***
思った以上に城は広かった。
アルフォンスは歩きながら考える。
(もし神判を行うとすれば、どこか)
城には複数の礼拝堂があるのが常だ。城全体で開かれた礼拝堂があり、他に家族専用や特殊な目的の礼拝室があったりもする。
ふと、ある扉の前で城の小姓が座り込んでいるのが目に入った。小姓はこっくりこっくりと船をこいでいる。
「おい、お前……」
アルフォンスが声をかけると小姓は飛び起き、床に頭を擦り付けて叫んだ。
「だめです、誰も中に入れるなとのご命令なのです」
(俺はまだ何も言っていないのに、……疑わしいこと、このうえない)
アルフォンスは苦笑した。
「狼除けの笛だ。大事なものだ。鳥に取られて……追いかけていた。おかげ様で助かった」
「どういたしまして」
「ところで」
男は笛を腰に吊るすとソフィに聞いた。
「ここの堤はずいぶんと高さがあるな。ここまで水が来るのか?」
「いいえ。この小川は水を引き込むための用水です。大雨でも水はさほど増えません」
「なるほど、詳しいな。この土地の者か」
「そうですけど……」
言いながらソフィは思った。
(領内のことに詳しいのは当然。でもまさか、自分が城の娘だとは言えないけれど……)
「城に向かう途中なのだが、この道でいいのか?」
「ええ、すぐ向こうに見えるのがそうです……城にご用ですか、旅の方?」
城の近くと知って男はほっとしたようだった。
「よかった。呼ばれて来たのだが、途中、橋が通れなくて、時間がかかってしまった」
「どこの橋のことでしょう?」
「『奇跡の橋』」
「……それはおかしい。昨日までには直るはずだったのに。すぐに人をやって調べさせます。ご不便を」
「いや、別の道を通って、思ったよりも早く着いたようだ。それ以外はまったく不便なかったし、ここの領内の通行は安全だと感じた。大したものだ」
領地の治世を褒められて悪い気はしない。が、
(ずいぶんと偉そうだな……)
ソフィはあらためて男の姿を見回した。
男の衣服は、派手ではないが上等と見てわかる。田舎の城には不釣り合いな洗練された容姿。連れている馬の毛並みも見事なものだ。
そういえば出がけに、側近が「王家からの使者が遅れている」と報告するのを聞いた。
ソフィは男の素性を思い、何となく嫌な予感がした。
が、今さら逃げ出してもどうにもならない、と思い直した。そして客人の正体については素知らぬ振りを続けることにした。
「お客人、城へ参りましょう。ご案内します」
ソフィは馬の手綱を取ろうとした。が、アルフォンスはそれを制した。
「構わない、俺も歩く」
ソフィは先に立って歩き、馬を引いた男も徒歩で続いた。
***
客人を連れて城の礼拝堂に戻ると、父親はそのお客にだけ声をかけた。
「アルフォンス殿下、ご無事のお着きでございますか。お待ち申し上げておりました」
案の定、客人は王家からの使者だった。
使者の身分は、王家の二番目の王子のアルフォンス。彼はしばしば、王家の名代として地方を訪れている。特にソフィたちのように田舎領地に派遣されることが多く、彼がやって来たことで父親は、
(よりによって第二王子が来たか。宮廷は、我々を田舎者と馬鹿にしているのだ)
と、内心で舌打ちした。
それでも、王家からの使者は使者。アルフォンスに対して、父親はこれまでにないくらい慇懃に、低姿勢に出て接する。礼を尽くされることに慣れている王子は、片手をあげてそれを受け流す。
「予定より遅れた。……婚礼の式はこれからか?」
「はい、彼がシリルです」
父親はシリルの背をアルフォンスの前へと押し出す。
シリルは花婿の衣装を着て、いつにもまして美男子っぷりを発揮していた。
ソフィが視線を動かすと、少しだけ離れてオデットの姿もあった。
アルフォンスはシリルからも丁重な挨拶を受けていた。
「じゃあ、お前が夫で、いずれ城の跡継ぎだな………」
「はい、よろしくご承認くださいませ」
シリルは頭を下げた。
「そしてこれが妻になる我が娘……」
父親はソフィの手首をつかんで王子の前に突き出そうとし、そこではっとした。
「お前、指輪はどうした?」
「指輪……?」
ソフィは父親が乱暴に放した左手首をさすった。
(指輪なら、たった今、川に捨ててきたところだ)
父親はわめいた。
「婚約指輪だ、あれがないと、結婚が成立しない」
「いつの間にか……失くしてしまったのかもしれません……」
「失くした?! 指輪をなくすなどと、前代未聞、何を考えているのだ、この未熟者め……」
父親の悪口雑言は続く。ついに、
「……まさか、お前、婚約者として、正しくない振る舞いをしたのではあるまいな。それで指輪が、お前では相応しくないと、消えてしまったのだ。すべてはお前の素行のせいだ……」
「それを、お疑いですか? いつでも私は、あなたの誇りとする城の娘ですのに」
さすがにソフィは腹が立って言い返した。心の中では
(婚約者としての正しさを疑うのなら、私ではなくてシリルの方だ)
という思いがあったからだ。
親子の話を聞いていたアルフォンスが調停に入った。
「婚約指輪がなくても結婚証明に支障はない。婚約者同士だったと誰もが納得できれば……何かないか、例えば、すでに夫婦のように寝室を共にしているとか、子供があるとか」
「全くありません」
ソフィは勢いよく答えた。一方でそれを聞いたオデットが卒倒し、シリルが駆け寄って身体を抱き留めた
父親はソフィに言った。
「まずはお前が婚約者として相応しいかどうかだ。身の正しさを証明してこい。すべての話はそれからだ。明日の夜明けまでは戻るな。いいな?」
実際の所、身の正しさを証明する方法はほとんどない。ただ一つ、禁止されている神判を除いては。
ソフィはこれ以上口を聞くのも腹立たしいとばかり、無言でその場を去る。
「お前も行くんだ」
父親に言われて司祭もソフィの後を追って去った。
アルフォンスは父親に言った。
「どうあっても構わないが、期限は三日後、それまでに結論を出せ。四日目には俺は帰る」
「もちろんです、殿下」
「それと、知っているだろが神判は禁じられている。その結果を証明に使うことはできないし、実施した者も処分の対象になる」
「存じております。しかしそれでは娘が納得しないでしょう……娘の身勝手には手を焼いております」
「……」
アルフォンスは父親の真意をますます疑わしく思った。
神判は事の是非を神の名のもとに占う方法で、事実との関連性は乏しい。信憑性はない、とアルフォンスも思っている。
それでも、どうしても、決着がつかない場合や、不貞を問う場合には広く行われていて、禁止されていても、なかなかなくならない。
「殿下、お帰りになるまではどうぞ我が城に滞在を。田舎の城ですができる限りの御用を供させていただきます」
父親は恭しく頭を下げた。
***
父親が去った後、アルフォンスと、シリルと、気を失ったオデットが取り残された。
アルフォンスがシリルに声をかけた。
「その娘は……お前の恋人か?」
シリルはむっとして答えた。
「ソフィの妹です。名前はオデット」
「へえ……妹がいたのか」
アルフォンスはオデットの顔をわざと無遠慮にのぞきこんだ。
「お前とは、親しいのか」
「そんなことはありません。……殿下、あなたの方こそどうなんです? ここに来るまでの間、ソフィと二人きりでいたではありませんか」
「彼女とは『奇跡の橋』が落ちた話をしていた」
「それは何かの暗号ですか」
「いや、ただの橋の名前だ……お前の方こそ、自分の婚約者を信じないのか」
シリルは一瞬言葉に詰まり、それから言い返した。
「あなたが王子といえど、侮辱されて平気ではいられません、失礼します」
シリルはオデットを抱きかかえ、その場を後にした。
シリルとオデットの後ろ姿を見ながらアルフォンスは思った。
(身の正しさに問題があるとすれば、あいつらの方じゃないのか……)
***
思った以上に城は広かった。
アルフォンスは歩きながら考える。
(もし神判を行うとすれば、どこか)
城には複数の礼拝堂があるのが常だ。城全体で開かれた礼拝堂があり、他に家族専用や特殊な目的の礼拝室があったりもする。
ふと、ある扉の前で城の小姓が座り込んでいるのが目に入った。小姓はこっくりこっくりと船をこいでいる。
「おい、お前……」
アルフォンスが声をかけると小姓は飛び起き、床に頭を擦り付けて叫んだ。
「だめです、誰も中に入れるなとのご命令なのです」
(俺はまだ何も言っていないのに、……疑わしいこと、このうえない)
アルフォンスは苦笑した。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
夢の言葉は魔法の呪文+《プラス》
☆リサーナ☆
恋愛
「夢の言葉は魔法の呪文【改訂版】」と続編である「夢の言葉と虹の架け橋」の間のお話になります(*'ω'*)
祖父の企む政略結婚から逃れるために、夢の配達人ヴァロンによって連れ去ってもらったアカリ。
しかし、駆け落ち同然の二人は幸せになれるのか?!
そんな続きを書いた後日談と、ヴァロン視点の呪文の番外編を収録しております!(*・ω・)ノ
〈別サイトにて〉
2018年10月11日(木)
投稿・連載開始
【完結】強制力なんて怖くない!
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のエラリアは、十歳の時に唐突に前世の記憶を取り戻した。
どうやら自分は以前読んだ小説の、第三王子と結婚するも浮気され、妻の座を奪われた挙句、幽閉される「エラリア」に転生してしまったらしい。
そんな人生は真っ平だと、なんとか未来を変えようとするエラリアだが、物語の強制力が邪魔をして思うように行かず……?
強制力がエグい……と思っていたら、実は強制力では無かったお話。
短編です。
完結しました。
なんだか最後が長くなりましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
たとえこの想いが届かなくても
白雲八鈴
恋愛
恋に落ちるというのはこういう事なのでしょうか。ああ、でもそれは駄目なこと、目の前の人物は隣国の王で、私はこの国の王太子妃。報われぬ恋。たとえこの想いが届かなくても・・・。
王太子は愛妾を愛し、自分はお飾りの王太子妃。しかし、自分の立場ではこの思いを言葉にすることはできないと恋心を己の中に押し込めていく。そんな彼女の生き様とは。
*いつもどおり誤字脱字はほどほどにあります。
*主人公に少々問題があるかもしれません。(これもいつもどおり?)
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
姉の代わりでしかない私
下菊みこと
恋愛
クソ野郎な旦那様も最終的に幸せになりますので閲覧ご注意を。
リリアーヌは、夫から姉の名前で呼ばれる。姉の代わりにされているのだ。それでも夫との子供が欲しいリリアーヌ。結果的に、子宝には恵まれるが…。
アルファポリス様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる