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オフィスエリア
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そこから、斉藤は文字通り俺を片時も傍から放さなかった。斉藤のパソコン画面を見るために斉藤の席に移動したが、横からだとよく見えないだろうから、と、斉藤は自分の片膝に俺を座らせ、腰を抱きながら俺がパソコンの操作をするのを見ていた。時折その手が戯れるように動き、内腿や股間、あるいは脇腹や胸のあたりを、かすめるように撫でていく。
この状態を人に見られたら不審に思われることは重々承知していたが、その時の俺にはもはや斉藤に逆らう気力がなかった。最期には両手で身体中を撫で回されながら、斉藤のパソコンのWiFiが繋がらない理由が、そもそもWiFi設定を切っているからだ、とようやく突き止めると、斉藤は、設定いじくりまわしているうちにうっかり切っちゃったのかな、すみません、と、申し訳なさそうに謝って、俺の口を塞ぎ、片方の乳首を痛いほどにつねりあげた。
絶対うっかりじゃない、と、その時確信した。
私物の片付けについても、斉藤は会社にほとんど私物を持ち込んでいないとかで、デスクに入っていた数本のペンをカバンに放り込んだあとは、設定を見てくれた俺に手伝います、とピッタリ俺にくっついて離れない。俺が機転を利かし、私物を送るための段ボールを総務からもらってきてくれと頼むと斉藤は快く引き受けたが、行く前にアナルプラグのリモコンスイッチでバイブレーション機能をオンにしていった。段ボールを持っていくのと手伝うと言い張る総務部の女子社員を交わしてひとりで戻ってくるまではせいぜい5分ほどだったが、その間俺は人が来ないことを祈りつつ、口から漏れそうになる声を必死に嚙み殺しながら床にうずくまる羽目になった。
「それじゃあ先輩、そろそろ帰りましょうか」
私物の段ボールに発送伝票を貼り付けた斉藤が嬉しそうにそう言う頃には、俺はまともに歩けるのかすら怪しい状態になっていた。前のほうは、ギンギンに勃起しているのがスラックスの上からわかるほどだったし、後ろのほうはプラグの振動こそ止められていたものの、不定期にくる肉の痙攣で、自分で自分を苛んでいるかのような状態だった。
「かえる……」
「その状態じゃひとりで帰るのは難しそうですね。僕、今日は車で来てるんで、先輩の家まで送りましょうか」
「え……」
「それとも、僕の家に来ます? 歓迎しますよ」
そう語りながら、斉藤が指の背で俺の唇を軽く掠めた。
どちらを選んでも、同じことになるのは薄々分かっていた。俺たちはこの後セックスする。もうしているのかもしれない。お尻が気持ちいいし、顔も、手も、足も、チンコも、全部が気持ちいい。でもここは会社で今は仕事中だ。そういうことから解放されて、斉藤とやったら、もっと気持ちいいだろう。
斉藤に促されるままのろのろと立ち上がり、一見並んで歩いているように見えるがその実さりげなく腰を抱かれながら、オフィスエリアの外に出た。
この状態を人に見られたら不審に思われることは重々承知していたが、その時の俺にはもはや斉藤に逆らう気力がなかった。最期には両手で身体中を撫で回されながら、斉藤のパソコンのWiFiが繋がらない理由が、そもそもWiFi設定を切っているからだ、とようやく突き止めると、斉藤は、設定いじくりまわしているうちにうっかり切っちゃったのかな、すみません、と、申し訳なさそうに謝って、俺の口を塞ぎ、片方の乳首を痛いほどにつねりあげた。
絶対うっかりじゃない、と、その時確信した。
私物の片付けについても、斉藤は会社にほとんど私物を持ち込んでいないとかで、デスクに入っていた数本のペンをカバンに放り込んだあとは、設定を見てくれた俺に手伝います、とピッタリ俺にくっついて離れない。俺が機転を利かし、私物を送るための段ボールを総務からもらってきてくれと頼むと斉藤は快く引き受けたが、行く前にアナルプラグのリモコンスイッチでバイブレーション機能をオンにしていった。段ボールを持っていくのと手伝うと言い張る総務部の女子社員を交わしてひとりで戻ってくるまではせいぜい5分ほどだったが、その間俺は人が来ないことを祈りつつ、口から漏れそうになる声を必死に嚙み殺しながら床にうずくまる羽目になった。
「それじゃあ先輩、そろそろ帰りましょうか」
私物の段ボールに発送伝票を貼り付けた斉藤が嬉しそうにそう言う頃には、俺はまともに歩けるのかすら怪しい状態になっていた。前のほうは、ギンギンに勃起しているのがスラックスの上からわかるほどだったし、後ろのほうはプラグの振動こそ止められていたものの、不定期にくる肉の痙攣で、自分で自分を苛んでいるかのような状態だった。
「かえる……」
「その状態じゃひとりで帰るのは難しそうですね。僕、今日は車で来てるんで、先輩の家まで送りましょうか」
「え……」
「それとも、僕の家に来ます? 歓迎しますよ」
そう語りながら、斉藤が指の背で俺の唇を軽く掠めた。
どちらを選んでも、同じことになるのは薄々分かっていた。俺たちはこの後セックスする。もうしているのかもしれない。お尻が気持ちいいし、顔も、手も、足も、チンコも、全部が気持ちいい。でもここは会社で今は仕事中だ。そういうことから解放されて、斉藤とやったら、もっと気持ちいいだろう。
斉藤に促されるままのろのろと立ち上がり、一見並んで歩いているように見えるがその実さりげなく腰を抱かれながら、オフィスエリアの外に出た。
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