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先週末のこと
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両手は革製の手錠で拘束され、自由には動かせない。性器は根元にバイブレーション機能を持つ太いコックリングが嵌められていて、尻の穴は同じくバイブレーション機能を持つアナルプラグで塞がれている。
それぞれのバイブレーションの強さはリモコンで操作できるようになっており、そのふたつのリモコンは、床の上におかれたスマホ台の前に並べられていた。
「そろそろ落ち着きました? それじゃあ再開しましょうか。アナルプラグを”弱”に」
「まだ、だめ、だめ……」
「だめじゃないでしょう。早くしないと、もっと強くしますよ」
「う、うぅ……」
スマホの向こうの斉藤に言われるがまま、俺は片方のリモコンを「弱」に入れた。ヴー、という低い振動音が再び脳まで侵食してくる。
先ほど限界直前まで高められた余韻が体の中で暴れまわり、俺はたまらず腰を揺らした。両乳首につけた銀色のクリップの先にぶら下がった小さな鈴が、リンリンと不規則に鳴る。
「斉藤ぉ、苦しいよぉ。もう、イきたい。イきたいぃぃぃ」
「まだ駄目です。コックリングのほうを”中”に」
「無理ぃ、もう、無理、無理ぃ」
「”強”のほうがいいですか?」
「やだ、やだぁ」
「”強”にしましょう」
「うううう、うー……」
俺は震える手で、アナルプラグ用のリモコンを強に入れた。チンコの根元を襲う強烈な刺激に、ああ、なのか、ぎゃあ、なのか、自分では知覚できないような叫びをあげ、スマホに向かって頭を垂れる。
「さいと、斉藤、ああ、これ、やだ、気持ち、い、ぃいいい、あ、いぎぃぃいぃ、もう、もう、駄目、だめぇ」
「全部止めて」
「え? や、やだやだ、やだ、やだぁ」
「止めなさい」
俺は半泣きにになりながら両方のリモコンのスイッチをオフにする。俺の下半身を支配していた玩具どもはすぐに動きをとめたが、肉の昂ぶりはすぐには収まらず、俺はその場にうずくまりひぃひぃと声をあげながら何度も痙攣した。スマホの向こうの斉藤は、そんな俺の姿を、酒の入ったグラスを片手に頬杖をついて眺めている。
「少しは反省しましたか、先輩?」
「し、してるって、はじめから……」
「先週もそう言ってようやく許してもらったくせに、今週もひとりでおちんちんしごいちゃったんでしょう。僕の前以外では射精禁止と言ったのに」
「勃起、したから、しかたなく……」
「出したい時に出したいものを出すだけなら赤ん坊でもできますよ。先輩は大人なんだから我慢を覚えないと」
「お、お前が、変な本を送ってくるから……!」
「アナルプラグを”中”に」
「ううう、もう、やだよぉ……」
思わず漏れたその言葉に嘘偽りはない。本心だ。しかし俺の手は斉藤に命じられるがまま、アナルプラグのリモコンを操作する。再び尻の中の振動が再開され、喉の奥からうめき声が漏れる。
「先輩、顔上げて。しつけの悪いおちんちん僕に見せて?」
斉藤に言われるがまま膝立ちになり、勃起したチンコをスマホに映す。胸もとの鈴がリン、と鳴った。
「おちんちんから出たよだれでびっちょびちょですね。やーらしいなぁ」
「うぅ……」
「コックリングを”弱”に。それで? どれを見て勃っちゃったんですか? 先輩は」
「え……ぁ……」
「男が縛られている写真集を見て勃起なんて、普通はしないですよ。自分がされることを想像していやらしい気持ちになっちゃったんでしょう」
「ちが……」
「違わないでしょ? どんな写真を見ていやらしい気持ちになったのか、僕にもわかるように説明してください」
「ぁ……お、男が……椅子に、縛られてて……」
「はい」
「足を、手すりに固定されて……」
「なるほど?」
「う、後ろに……なんか、細い棒をいれられて……チンコにも……栓みたいなのが……あ、あぁっ、う、うぁ、ぁ」
「なるほど、そういうのが好きなんですね、先輩は」
「ちが、違う、あああ、あぁ……」
「認めないなら止めちゃいましょうか?」
「やだ、やだぁ」
「お尻とおちんちん、それにおっぱいも。焦らされていじめられるのが好きなんでしょ?」
「あぅ……あ……すき、すき……」
「よくできました。全部を”強”に。好きなだけイっていいですよ」
「ああぁ、ああ、あああ、あああああああっ、あー、ああああああああああああっ!」
胸もとの鈴が激しく鳴り始める。リンリン。リンリン。リンリン。リン、リンリンリンリン。
――――と、このように。
あれ以来、俺と斉藤は、毎週末ふたりきりのリモート飲み会を開催していた。はじめは普通の飲み会だが、酔いが回って来たあたりで徐々に斉藤の様子がおかしくなり、そうなるとリモートセックスが始まる。そして、俺は、毎回酒を飲みすぎてそうなってからのことはまったく記憶にない。そうあとで斉藤に連絡し、斉藤は、なにもなかった、と返事をする。それが、毎回の恒例となっていた。
もちろん、本当はそんなことはない。
そんなことはないのだが、俺は毎度そう主張しているし、斉藤もことさらそれを否定するでもない。口ではそう言いつつも本当は覚えているということをについて、斉藤が気づいていないわけはないと思うのだが、俺たちふたりの間ではそういうことになっている。
リモートセックスと言ったが、そもそもセックスとは言えないかもしれない。俺はいつも何度イッたかわからないくらいイカされていて翌日は毎回クタクタなのだが、斉藤はと言えば俺に指示を出すだけで、スマホの向こうで自分のをシコっているというわけでもないようだ。直接会いたがったのも初めの一度だけ。指示を出すだけで楽しいのかはわからないが、少なくとも飲み会の誘いを斉藤が拒否したことはないし、毎週毎週、新しいアダルトグッズや男同士のエロ本などを送りつけてきては、俺の反応を楽しんでいるように見える。俺にはよくわからないが、それが斉藤なりの楽しみ方なのかもしれない。
イケメンすぎて、女はよりどりみどり。普通のセックスの相手は男女問わず腐るほどいるだろうから、斉藤にとって俺とのことは、ちょっと変わった趣向の楽しみを見出している、とか。そういうことなのだろう、きっと。
それぞれのバイブレーションの強さはリモコンで操作できるようになっており、そのふたつのリモコンは、床の上におかれたスマホ台の前に並べられていた。
「そろそろ落ち着きました? それじゃあ再開しましょうか。アナルプラグを”弱”に」
「まだ、だめ、だめ……」
「だめじゃないでしょう。早くしないと、もっと強くしますよ」
「う、うぅ……」
スマホの向こうの斉藤に言われるがまま、俺は片方のリモコンを「弱」に入れた。ヴー、という低い振動音が再び脳まで侵食してくる。
先ほど限界直前まで高められた余韻が体の中で暴れまわり、俺はたまらず腰を揺らした。両乳首につけた銀色のクリップの先にぶら下がった小さな鈴が、リンリンと不規則に鳴る。
「斉藤ぉ、苦しいよぉ。もう、イきたい。イきたいぃぃぃ」
「まだ駄目です。コックリングのほうを”中”に」
「無理ぃ、もう、無理、無理ぃ」
「”強”のほうがいいですか?」
「やだ、やだぁ」
「”強”にしましょう」
「うううう、うー……」
俺は震える手で、アナルプラグ用のリモコンを強に入れた。チンコの根元を襲う強烈な刺激に、ああ、なのか、ぎゃあ、なのか、自分では知覚できないような叫びをあげ、スマホに向かって頭を垂れる。
「さいと、斉藤、ああ、これ、やだ、気持ち、い、ぃいいい、あ、いぎぃぃいぃ、もう、もう、駄目、だめぇ」
「全部止めて」
「え? や、やだやだ、やだ、やだぁ」
「止めなさい」
俺は半泣きにになりながら両方のリモコンのスイッチをオフにする。俺の下半身を支配していた玩具どもはすぐに動きをとめたが、肉の昂ぶりはすぐには収まらず、俺はその場にうずくまりひぃひぃと声をあげながら何度も痙攣した。スマホの向こうの斉藤は、そんな俺の姿を、酒の入ったグラスを片手に頬杖をついて眺めている。
「少しは反省しましたか、先輩?」
「し、してるって、はじめから……」
「先週もそう言ってようやく許してもらったくせに、今週もひとりでおちんちんしごいちゃったんでしょう。僕の前以外では射精禁止と言ったのに」
「勃起、したから、しかたなく……」
「出したい時に出したいものを出すだけなら赤ん坊でもできますよ。先輩は大人なんだから我慢を覚えないと」
「お、お前が、変な本を送ってくるから……!」
「アナルプラグを”中”に」
「ううう、もう、やだよぉ……」
思わず漏れたその言葉に嘘偽りはない。本心だ。しかし俺の手は斉藤に命じられるがまま、アナルプラグのリモコンを操作する。再び尻の中の振動が再開され、喉の奥からうめき声が漏れる。
「先輩、顔上げて。しつけの悪いおちんちん僕に見せて?」
斉藤に言われるがまま膝立ちになり、勃起したチンコをスマホに映す。胸もとの鈴がリン、と鳴った。
「おちんちんから出たよだれでびっちょびちょですね。やーらしいなぁ」
「うぅ……」
「コックリングを”弱”に。それで? どれを見て勃っちゃったんですか? 先輩は」
「え……ぁ……」
「男が縛られている写真集を見て勃起なんて、普通はしないですよ。自分がされることを想像していやらしい気持ちになっちゃったんでしょう」
「ちが……」
「違わないでしょ? どんな写真を見ていやらしい気持ちになったのか、僕にもわかるように説明してください」
「ぁ……お、男が……椅子に、縛られてて……」
「はい」
「足を、手すりに固定されて……」
「なるほど?」
「う、後ろに……なんか、細い棒をいれられて……チンコにも……栓みたいなのが……あ、あぁっ、う、うぁ、ぁ」
「なるほど、そういうのが好きなんですね、先輩は」
「ちが、違う、あああ、あぁ……」
「認めないなら止めちゃいましょうか?」
「やだ、やだぁ」
「お尻とおちんちん、それにおっぱいも。焦らされていじめられるのが好きなんでしょ?」
「あぅ……あ……すき、すき……」
「よくできました。全部を”強”に。好きなだけイっていいですよ」
「ああぁ、ああ、あああ、あああああああっ、あー、ああああああああああああっ!」
胸もとの鈴が激しく鳴り始める。リンリン。リンリン。リンリン。リン、リンリンリンリン。
――――と、このように。
あれ以来、俺と斉藤は、毎週末ふたりきりのリモート飲み会を開催していた。はじめは普通の飲み会だが、酔いが回って来たあたりで徐々に斉藤の様子がおかしくなり、そうなるとリモートセックスが始まる。そして、俺は、毎回酒を飲みすぎてそうなってからのことはまったく記憶にない。そうあとで斉藤に連絡し、斉藤は、なにもなかった、と返事をする。それが、毎回の恒例となっていた。
もちろん、本当はそんなことはない。
そんなことはないのだが、俺は毎度そう主張しているし、斉藤もことさらそれを否定するでもない。口ではそう言いつつも本当は覚えているということをについて、斉藤が気づいていないわけはないと思うのだが、俺たちふたりの間ではそういうことになっている。
リモートセックスと言ったが、そもそもセックスとは言えないかもしれない。俺はいつも何度イッたかわからないくらいイカされていて翌日は毎回クタクタなのだが、斉藤はと言えば俺に指示を出すだけで、スマホの向こうで自分のをシコっているというわけでもないようだ。直接会いたがったのも初めの一度だけ。指示を出すだけで楽しいのかはわからないが、少なくとも飲み会の誘いを斉藤が拒否したことはないし、毎週毎週、新しいアダルトグッズや男同士のエロ本などを送りつけてきては、俺の反応を楽しんでいるように見える。俺にはよくわからないが、それが斉藤なりの楽しみ方なのかもしれない。
イケメンすぎて、女はよりどりみどり。普通のセックスの相手は男女問わず腐るほどいるだろうから、斉藤にとって俺とのことは、ちょっと変わった趣向の楽しみを見出している、とか。そういうことなのだろう、きっと。
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