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別離の道程(4)
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ひと月という時間はあっという間に過ぎた。シルヴァリエは仕立て屋を頻繁に出入りさせてルイーズとの婚姻の儀のための衣装を何枚も新調し、それ以上にカルナスの服を作って、着せては脱がした。
シルヴァリエが婚姻の儀のために王都と国境の砦を往復する際の護衛の任にはモーランが隊長を務める第三小隊が主につくことになり、さらにカルナスとグランビーズも同行するという体制に決まった。ほぼ完全にシルヴァリエの主張が通った格好だったが、唯一の例外はグランビーズがつくことだ。シルヴァリエがモーランから聞き及んだところによれば、グランビーズが同行することはモーランも直前まで知らされていなかったらしい。シルヴァリエは一瞬ノルダ・ロウの顔を思い浮かべ、もしかしたら自分に対する牽制なのかもしれないと思ったが、すぐにどうでもよくなった。
この頃には、水月邸でシルヴァリエとカルナスの関係を知らない者はいなくなっていた。当初は自室でのみことに及ぶようにしていたシルヴァリエだったが、四六時中横に置いているカルナス相手に自制心は徐々に低下していく。これだけ抱いているのにカルナスに飽きるという気持ちが一向に湧いてこない自分自身が不思議に思いながら、部屋で、浴室で、食堂で、廊下の角で、柱の影で、枯葉の上で、冷たい水辺で、ありとあらゆるところでカルナスと繋がっていると、このまま永遠にふたりきりでいられるのではないかと錯覚してくる。
だがそんなわけはない。ルイーズとの婚姻の儀に向けた出立は明日に迫っていた。
「特製の馬車をあつらえましたよ」
手錠を後ろ手に嵌められた状態でシルヴァリエに背を向け腰を振っているいるカルナス相手に、シルヴァリエは言った。
「カーテンを引くと外から見えなくなるのはもちろん、防音構造を入れさせました。中で喘いでも、外に声が盛れる心配はありません。知っているみんなに囲まれた中でいっぱいセックスできますよ。嬉しいでしょう?」
「ぅ……ぁ……っ、あ……っ、あ……っ」
カルナスは返事をしない。シルヴァリエの上で腰を振ることに集中しているようだ。ベッドの前に置いた置いた鏡越しに見えるカルナスの前は勃起して、先端にはシルヴァリエにより射精をコントロールされている証である、銀の棒の末端がのぞいている。
「カルナス団長。顔、あげて」
シルヴァリエはカルナスにつけた首輪のリードを引く。うつむいていたカルナスの顎があがり、その表情が鏡に映し出された。頬は紅潮して視線は虚ろで口は半開き。欲望で惚けきっている。
「そろそろ限界かな。昨晩から前も後ろもずっとイけてませんもんね。中で出してもらう気持ち良さ、覚えちゃいましたもんねえ。もう僕にイってもらわないと自分もイけないんでしょう。可哀想に」
「う、ぅぅ、あ……、んん、ん――――っ!!」
カルナスの体が大きく弓なりにしなった。
「ダメですよカルナス団長、一人でイっちゃダメです。一度抜いて」
「や、ぁ、ああ……っ」
「ほら、抜いて」
「ああ、あ――っ!」
シルヴァリエはカルナスの体を強引に持ち上げ、中から自分のものをじゅぽんと引き抜いた。激しい痙攣を繰り返すカルナスを自分のほうに向かせ、自分の顔を跨らせる。
「お尻のほうは少しお休みましょうか。その間はまた前を可愛がってあげますね」
「いや、い……やめ、ああ、や、あぎ、ああ、ああっ! あひ、ひいいいいいっ! うあ、あ、ああ、いぎ、あ、ひ――っ!」
戒めがなければすでに数えきれないほどの絶頂に達していたであろうカルナスの陰茎は、軽くキスをしただけでその刺激に耐えかね、その持ち主の絶叫を引き出した。
このひと月というもの、カルナスはただただシルヴァリエに従順だった。召使いの目があるところでことに及ぼうとしたときも、嫌がりはしたものの結局シルヴァリエに従った。
ただひとつ、キスを避けるような素振りを除いては。
そのことに、シルヴァリエはもっと早くから気づいていた。娼婦のなかには、体を売る身に残された矜持と称し客とのキスを拒否する者もいるという。もしかしたらそういう理由だったのかもしれないが、それでもシルヴァリエがキスを強要すればカルナスはそれに応えただろう。
それでは意味がなかった。シルヴァリエはそう思い、自分からキスをしかけることもしなくなった。
交わされなくなったキスの代わりに、シルヴァリエはカルナスの勃起しきった陰茎を舌でつつき、口に含み、歯を立て、舐めまわした。そうするたびに聞こえてくるカルナスの絶叫が妙に心地よかった。
「今日は、イけませんからね」
シルヴァリエはカルナスの陰茎を指先で優しく撫でながら言った。
「出発までずっとこうしてましょう。僕に蕩かされ切った顔を騎士団のみんなに晒しながら一緒に馬車に乗り込みましょう、ね」
シルヴァリエの言葉にカルナスの絶叫が答えた。シルヴァリエはカルナスの陰茎を口の奥まで含み、思い切り吸い上げた。
シルヴァリエが婚姻の儀のために王都と国境の砦を往復する際の護衛の任にはモーランが隊長を務める第三小隊が主につくことになり、さらにカルナスとグランビーズも同行するという体制に決まった。ほぼ完全にシルヴァリエの主張が通った格好だったが、唯一の例外はグランビーズがつくことだ。シルヴァリエがモーランから聞き及んだところによれば、グランビーズが同行することはモーランも直前まで知らされていなかったらしい。シルヴァリエは一瞬ノルダ・ロウの顔を思い浮かべ、もしかしたら自分に対する牽制なのかもしれないと思ったが、すぐにどうでもよくなった。
この頃には、水月邸でシルヴァリエとカルナスの関係を知らない者はいなくなっていた。当初は自室でのみことに及ぶようにしていたシルヴァリエだったが、四六時中横に置いているカルナス相手に自制心は徐々に低下していく。これだけ抱いているのにカルナスに飽きるという気持ちが一向に湧いてこない自分自身が不思議に思いながら、部屋で、浴室で、食堂で、廊下の角で、柱の影で、枯葉の上で、冷たい水辺で、ありとあらゆるところでカルナスと繋がっていると、このまま永遠にふたりきりでいられるのではないかと錯覚してくる。
だがそんなわけはない。ルイーズとの婚姻の儀に向けた出立は明日に迫っていた。
「特製の馬車をあつらえましたよ」
手錠を後ろ手に嵌められた状態でシルヴァリエに背を向け腰を振っているいるカルナス相手に、シルヴァリエは言った。
「カーテンを引くと外から見えなくなるのはもちろん、防音構造を入れさせました。中で喘いでも、外に声が盛れる心配はありません。知っているみんなに囲まれた中でいっぱいセックスできますよ。嬉しいでしょう?」
「ぅ……ぁ……っ、あ……っ、あ……っ」
カルナスは返事をしない。シルヴァリエの上で腰を振ることに集中しているようだ。ベッドの前に置いた置いた鏡越しに見えるカルナスの前は勃起して、先端にはシルヴァリエにより射精をコントロールされている証である、銀の棒の末端がのぞいている。
「カルナス団長。顔、あげて」
シルヴァリエはカルナスにつけた首輪のリードを引く。うつむいていたカルナスの顎があがり、その表情が鏡に映し出された。頬は紅潮して視線は虚ろで口は半開き。欲望で惚けきっている。
「そろそろ限界かな。昨晩から前も後ろもずっとイけてませんもんね。中で出してもらう気持ち良さ、覚えちゃいましたもんねえ。もう僕にイってもらわないと自分もイけないんでしょう。可哀想に」
「う、ぅぅ、あ……、んん、ん――――っ!!」
カルナスの体が大きく弓なりにしなった。
「ダメですよカルナス団長、一人でイっちゃダメです。一度抜いて」
「や、ぁ、ああ……っ」
「ほら、抜いて」
「ああ、あ――っ!」
シルヴァリエはカルナスの体を強引に持ち上げ、中から自分のものをじゅぽんと引き抜いた。激しい痙攣を繰り返すカルナスを自分のほうに向かせ、自分の顔を跨らせる。
「お尻のほうは少しお休みましょうか。その間はまた前を可愛がってあげますね」
「いや、い……やめ、ああ、や、あぎ、ああ、ああっ! あひ、ひいいいいいっ! うあ、あ、ああ、いぎ、あ、ひ――っ!」
戒めがなければすでに数えきれないほどの絶頂に達していたであろうカルナスの陰茎は、軽くキスをしただけでその刺激に耐えかね、その持ち主の絶叫を引き出した。
このひと月というもの、カルナスはただただシルヴァリエに従順だった。召使いの目があるところでことに及ぼうとしたときも、嫌がりはしたものの結局シルヴァリエに従った。
ただひとつ、キスを避けるような素振りを除いては。
そのことに、シルヴァリエはもっと早くから気づいていた。娼婦のなかには、体を売る身に残された矜持と称し客とのキスを拒否する者もいるという。もしかしたらそういう理由だったのかもしれないが、それでもシルヴァリエがキスを強要すればカルナスはそれに応えただろう。
それでは意味がなかった。シルヴァリエはそう思い、自分からキスをしかけることもしなくなった。
交わされなくなったキスの代わりに、シルヴァリエはカルナスの勃起しきった陰茎を舌でつつき、口に含み、歯を立て、舐めまわした。そうするたびに聞こえてくるカルナスの絶叫が妙に心地よかった。
「今日は、イけませんからね」
シルヴァリエはカルナスの陰茎を指先で優しく撫でながら言った。
「出発までずっとこうしてましょう。僕に蕩かされ切った顔を騎士団のみんなに晒しながら一緒に馬車に乗り込みましょう、ね」
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