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湖畔の歓待(8)
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一曲だけ弾き終えたら理由をつけて部屋に戻るつもりだったシルヴァリエだったが、テラスの出入り口で門番さながらに張り込むイボンヌにあと一曲、あともういちフレーズ、と、しつこく引き止められ、部屋に戻ってこられたのは結局小一時間ほど後のことになった。
「カルナス団長?」
静まりかえった部屋のなか、奥の寝室に向かって呼びかけるが返事はない。シルヴァリエは装飾過剰な上着をそこらに脱ぎ捨て寝室へ入り天蓋のなかを覗くと、後ろ手に縛られズボンの後ろが不自然に膨らんだ状態のカルナスが安らかな寝息を立てていた。
「図太いな……」
シルヴァリエはほっと息を吐くと、眠るカルナスの横に腰掛け、手の戒めを解いた。
カルナスは眠りはすでにかなり深いようで、手が自由になっても自然にシーツの上に落ちるのに任せたきり、ピクリともしない。シルヴァリエはカルナスの足を持ち上げてズボンと下着を脱がせ、後ろに差し込んだままの短剣の鞘をゆっくりと引き抜く。
「ぁ……」
カルナスの口から吐息が漏れた。シルヴァリエはわずかに開いた唇の隙間へ指を当て、その間隙を優しく撫でた。カルナスの口がシルヴァリエの指の先をしゃぶるように二、三度動き、再び呼吸は静かになった。
シルヴァリエはカルナスの膝を折り曲げた状態で大きく足を開かせ、ベッドサイドのランプをとり、カルナスの秘められたところにある淫紋を照らした。それは先ほど確認したときと同じく、あるいはそれ以上に、以前に比べて明らかに色が薄くなっていた。
「やっぱり、弱まっているってことか……」
シルヴァリエは呟いた。
「ん……」
ランプの明かりが眩しかったのか、カルナスが両腕で顔を覆うようにして寝返りをうった。
カルナスの下半身はさきほどシルヴァリエが脱がせたばかり。上半身も後ろ手に縛る際にボタンを外したままのため布切れをまとっているような状態。小柄ながら鍛え上げられた肉体はランプの明かりの下で陰影を強調されてさらに艶めかしく、鞘を引き抜いた際の潤滑油で後孔のあたりは妖しく光っている。シルヴァリエは思わず生唾を飲み込んだが、いっぽうカルナスは自分の腕の下で安らかな寝息を立て続けている。
シルヴァリエは自身もまた服をすべて脱ぎ捨てると、横向きに眠るカルナスを背後から抱きしめるよな状態でベッドに横になった。顎や首筋、肩に肩甲骨、それに胸筋から腹筋の隆起を確認するように手を滑らせながら、時折首筋や背中にキスを落とす。
カルナスの下腹部から陰毛の生え際あたりまでを焦らすように触れるものの陰茎はあえて無視し、弾力のある太腿の筋すじを上下にたどり、膝の裏を掴み足を上に抱え上げる。
いつの間にかカルナスの呼吸は再び乱れ始めていたが、それ以上にシルヴァリエの興奮した呼吸音が天蓋のなかを満たしていた。シルヴァリエは大きくひとつ息を吐くと、自分の肉棒をカルナスの中に差し入れた。
「んあ……」
カルナスの口から濁ったような声がこぼれ落ちる。シルヴァリエはカルナスの足やら腹やらその全身を掴むように撫で上げながら、自身をゆっくりとカルナスの中に埋め込んでいった。
「……ぅ……」
半分ほどがカルナスの中に消えたところでカルナスが苦しげな声をあげたので、シルヴァリエはそこで動きをとめ、再びカルナスの全身を愛撫することに集中する。腿から臀部にかけて、あるいは首から下腹部にかけて、時に弓を引くように強引にねじり上げ、時に竪琴を弾くようにわずかな反応を頼りに繊細に指先を動かす。
カルナスの呼吸は今やはっきりと荒い。しかしその目は閉じたまま、口もとに持って来た自分の指を甘噛みするのを繰り返している。
「キスしたい……?」
シルヴァリエが耳元で尋ねると、カルナスはわずかに首を動かした。首肯とも否定ともとれるようなその動きに、シルヴァリエは緩慢な愛撫を続けながら、カルナスの頰に軽く口付ける。
そのキスに応えるように、カルナスがうっすらと目を開いた。しかし、意識が戻ったというわけではないようだ。虚ろな表情のままシルヴァリエの動きに呼応し、甘い吐息を漏らす。
シルヴァリエはそんなカルナスの手をとり、半勃ち状態のカルナス自身の陰茎に添え、上下に動かした。
「……ア……ッ」
カルナスが心地よさげに顎を仰け反らせたのを見てシルヴァリエが手をはなすと、カルナスの手は力なくシーツの上に落ちた。シルヴァリエはその手を再びとり、カルナス自身を刺激させる。シルヴァリエが手をはなすとカルナスも手をはなす。それを何度か続けているうち、カルナスの陰茎は硬く屹立し、シルヴァリエが手をはなしてもカルナスは自身への愛撫を継続するようになった。
シルヴァリエはそんなカルナスの臀部を後ろから抱え込みながら、軽く揺らすように動かした。少しやってはとめ、やってはとめ、を繰り返すうち、カルナスが、もっと、とねだるように腰を揺らす。シルヴァリエはもちろんそれに応え、時に軽い前後の動きも加えてやる。
「ぁ……あ……ぅ……んん……」
カルナスは小さな嬌声を間断なくあげながら、一心不乱に自慰を続けていた。目は半開きのまま、自分の状況をまるでわかっていないようだ。
「はぁ……あ……は、は、あ、あぁ……」
カルナスの手の動きが早くなる。その先端を握り込んだ直後、カルナスの全身が硬直し、シルヴァリエの手の中にねっとりした生暖かいものが流れてきた。
「う……ぅ、あ……っ」
カルナスの射精は意外に長く続いた。何も出るものがなくなったあともカルナスはしばらく自分の陰茎を握ったまま硬直していたが、やがて力尽きたように弛緩する。
シルヴァリエは愛撫の手をとめてそれを見守ると、再び眠りにつこうとするカルナスの体を上から下までゆっくり撫で上げた。
「まだ、入ってますよ……」
シルヴァリエが少し腰を動かしてやると、カルナスは面倒くさそうな、それでいて気持ちよさそうな呻き声をあげる。軽い抽送を繰り返しながら前のほうへ手を伸ばし、まだ少し硬いカルナス自身の根元を握りしめた。
「後ろでイくの、覚えましょうか」
そう言ってシルヴァリエは、先ほどよりもさらにゆっくりと動きはじめた。
「カルナス団長?」
静まりかえった部屋のなか、奥の寝室に向かって呼びかけるが返事はない。シルヴァリエは装飾過剰な上着をそこらに脱ぎ捨て寝室へ入り天蓋のなかを覗くと、後ろ手に縛られズボンの後ろが不自然に膨らんだ状態のカルナスが安らかな寝息を立てていた。
「図太いな……」
シルヴァリエはほっと息を吐くと、眠るカルナスの横に腰掛け、手の戒めを解いた。
カルナスは眠りはすでにかなり深いようで、手が自由になっても自然にシーツの上に落ちるのに任せたきり、ピクリともしない。シルヴァリエはカルナスの足を持ち上げてズボンと下着を脱がせ、後ろに差し込んだままの短剣の鞘をゆっくりと引き抜く。
「ぁ……」
カルナスの口から吐息が漏れた。シルヴァリエはわずかに開いた唇の隙間へ指を当て、その間隙を優しく撫でた。カルナスの口がシルヴァリエの指の先をしゃぶるように二、三度動き、再び呼吸は静かになった。
シルヴァリエはカルナスの膝を折り曲げた状態で大きく足を開かせ、ベッドサイドのランプをとり、カルナスの秘められたところにある淫紋を照らした。それは先ほど確認したときと同じく、あるいはそれ以上に、以前に比べて明らかに色が薄くなっていた。
「やっぱり、弱まっているってことか……」
シルヴァリエは呟いた。
「ん……」
ランプの明かりが眩しかったのか、カルナスが両腕で顔を覆うようにして寝返りをうった。
カルナスの下半身はさきほどシルヴァリエが脱がせたばかり。上半身も後ろ手に縛る際にボタンを外したままのため布切れをまとっているような状態。小柄ながら鍛え上げられた肉体はランプの明かりの下で陰影を強調されてさらに艶めかしく、鞘を引き抜いた際の潤滑油で後孔のあたりは妖しく光っている。シルヴァリエは思わず生唾を飲み込んだが、いっぽうカルナスは自分の腕の下で安らかな寝息を立て続けている。
シルヴァリエは自身もまた服をすべて脱ぎ捨てると、横向きに眠るカルナスを背後から抱きしめるよな状態でベッドに横になった。顎や首筋、肩に肩甲骨、それに胸筋から腹筋の隆起を確認するように手を滑らせながら、時折首筋や背中にキスを落とす。
カルナスの下腹部から陰毛の生え際あたりまでを焦らすように触れるものの陰茎はあえて無視し、弾力のある太腿の筋すじを上下にたどり、膝の裏を掴み足を上に抱え上げる。
いつの間にかカルナスの呼吸は再び乱れ始めていたが、それ以上にシルヴァリエの興奮した呼吸音が天蓋のなかを満たしていた。シルヴァリエは大きくひとつ息を吐くと、自分の肉棒をカルナスの中に差し入れた。
「んあ……」
カルナスの口から濁ったような声がこぼれ落ちる。シルヴァリエはカルナスの足やら腹やらその全身を掴むように撫で上げながら、自身をゆっくりとカルナスの中に埋め込んでいった。
「……ぅ……」
半分ほどがカルナスの中に消えたところでカルナスが苦しげな声をあげたので、シルヴァリエはそこで動きをとめ、再びカルナスの全身を愛撫することに集中する。腿から臀部にかけて、あるいは首から下腹部にかけて、時に弓を引くように強引にねじり上げ、時に竪琴を弾くようにわずかな反応を頼りに繊細に指先を動かす。
カルナスの呼吸は今やはっきりと荒い。しかしその目は閉じたまま、口もとに持って来た自分の指を甘噛みするのを繰り返している。
「キスしたい……?」
シルヴァリエが耳元で尋ねると、カルナスはわずかに首を動かした。首肯とも否定ともとれるようなその動きに、シルヴァリエは緩慢な愛撫を続けながら、カルナスの頰に軽く口付ける。
そのキスに応えるように、カルナスがうっすらと目を開いた。しかし、意識が戻ったというわけではないようだ。虚ろな表情のままシルヴァリエの動きに呼応し、甘い吐息を漏らす。
シルヴァリエはそんなカルナスの手をとり、半勃ち状態のカルナス自身の陰茎に添え、上下に動かした。
「……ア……ッ」
カルナスが心地よさげに顎を仰け反らせたのを見てシルヴァリエが手をはなすと、カルナスの手は力なくシーツの上に落ちた。シルヴァリエはその手を再びとり、カルナス自身を刺激させる。シルヴァリエが手をはなすとカルナスも手をはなす。それを何度か続けているうち、カルナスの陰茎は硬く屹立し、シルヴァリエが手をはなしてもカルナスは自身への愛撫を継続するようになった。
シルヴァリエはそんなカルナスの臀部を後ろから抱え込みながら、軽く揺らすように動かした。少しやってはとめ、やってはとめ、を繰り返すうち、カルナスが、もっと、とねだるように腰を揺らす。シルヴァリエはもちろんそれに応え、時に軽い前後の動きも加えてやる。
「ぁ……あ……ぅ……んん……」
カルナスは小さな嬌声を間断なくあげながら、一心不乱に自慰を続けていた。目は半開きのまま、自分の状況をまるでわかっていないようだ。
「はぁ……あ……は、は、あ、あぁ……」
カルナスの手の動きが早くなる。その先端を握り込んだ直後、カルナスの全身が硬直し、シルヴァリエの手の中にねっとりした生暖かいものが流れてきた。
「う……ぅ、あ……っ」
カルナスの射精は意外に長く続いた。何も出るものがなくなったあともカルナスはしばらく自分の陰茎を握ったまま硬直していたが、やがて力尽きたように弛緩する。
シルヴァリエは愛撫の手をとめてそれを見守ると、再び眠りにつこうとするカルナスの体を上から下までゆっくり撫で上げた。
「まだ、入ってますよ……」
シルヴァリエが少し腰を動かしてやると、カルナスは面倒くさそうな、それでいて気持ちよさそうな呻き声をあげる。軽い抽送を繰り返しながら前のほうへ手を伸ばし、まだ少し硬いカルナス自身の根元を握りしめた。
「後ろでイくの、覚えましょうか」
そう言ってシルヴァリエは、先ほどよりもさらにゆっくりと動きはじめた。
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