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闇夜の作法(4)
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「ここ、カルナス団長の前立腺ですよ。慣れれば、前を触らなくてもここを刺激するだけで射精できるらしいですね」
「うぁ……」
「でも、カルナス団長は後ろより前の方が好きなのかな?」
シルヴァリエはそう言いながら、カルナスの陰茎を二、三度上下にしごいた。
「ぁ……」
カルナスが陶然とした声を漏らす。シルヴァリエはそのまま手を下腹部からシャツの中に滑らせ、脇腹や胸のあたりを撫で回し、指先が触れた突起を軽く弾いた。
「カルナス団長の乳首、みーつけた」
「?!」
「ああ、ここもあまり慣れてないです? 感度良さそうな形してるのに」
シルヴァリエがそこを軽くつまむと、カルナスは首を横に振る。シルヴァリエは片手を再び陰茎のほうに戻し、その全体を下腹部ごとゆっくりと撫でた。
「ぁ……あぁ……っ! ぁ……」
シルヴァリエに体重をかけられ自由に動けないなかで、カルナスが腰を上下左右に揺らす。カルナスの先端から出たものがシルヴァリエの手を濡らし、下腹部からはぬちゃぬちゃといやらしい音が聞こえて来た。
「舐めてほしいですか?」
「ぇ……?」
「カルナス団長がめちゃくちゃに勃起させてるココ、口で包み込んで、舌で愛撫してあげます」
「…………っ」
「後ろの気持ちいいとこいじられながら、カルナス団長の好きなところ、思い切り吸われたり舌でぬるぬるに舐めあげらたり……きっとたまらないですよ、ねえ、カルナス団長」
シルヴァリエはカルナスの首筋に軽く舌を這わせながら誘うように言った。思惑通り、想像してしまったらしいカルナスが、生唾を飲み込むのがわかった。しかし、プライドが邪魔しているのかカルナスは無言のままだ。シルヴァリエはカルナスの耳の裏を軽く甘噛みすると、カルナスから両手をはなし、体を少し浮かせた。
「してほしいなら、こっち向いてください。このままじゃ、できないですよ」
「……………………」
カルナスは無言。しかし、暗闇の底の吐息は乱れたままだ。シルヴァリエがそのまましばらく待っていると、奥ゆかしい衣摺れの音がしてシルヴァリエの体にカルナスの体が何度か触れたのち、薄暗がりの奥にカルナスの顔が見えた。
「上も脱いでもらえますか?」
そう言いながらシャツの裾をたくし上げるように引っ張ると、カルナスは無言のまま従った。普段は陽に触れない部分の白い肌が、痛いほど浮かび上がる。日々鍛え上げられた均整のとれた体つきを眺めながら、シルヴァリエもまたシャツをぬぎすてると、約束通りカルナスの中央に顔を埋めた。
中を穿つ指をさらに一本に増やし代わり中を奥の奥まで探りながら、カルナスのものを口に含み、約束通り舌で舐めまわし、軽く吸い上げ、唇だけで噛むように挟みこむ。なにか刺激を与えるたびに、カルナスの体は面白いように反応した。
「あぁ……っ、あ、ん……ぃ……っ……あ、あぁ……ん……」
積極的ではなかった後ろへの刺激も、そう言っていたことが嘘のように甘い声をあげる。今日シルヴァリエを出迎えた時にはいつもの”鬼団長”カルナスに見えたのだが――淫紋の効果は夜が深まるほどに強くなる。思いがけず敏感なカルナスの反応も、そういう理由があるのかもしれない、と、シルヴァリエは思いながら、手を離し、顔をあげた。
「あ……シルヴァリエ……?」
カルナスが名前を呼ぶ。
「入れますね」
シルヴァリエはズボンの前を開くと、取り出した自分のものをカルナスのなかに突き入れた。
「あっ?! あ、あぁ……」
シルヴァリエは挿入後軽く揺らすようにしてカルナスの様子を伺う。カルナスははじめに出してしまった声を恥じるように口もとを抑えている以外は、嫌がるそぶりはない。むしろ時折焦れるように、内ももを小さく痙攣させる。シルヴァリエがゆっくりと抽送を開始すると、カルナスの手の隙間から再び甘い声が漏れた。
「ぁ、あぁ……ぁ……」
「嫌だって言ってたところが、一番好きみたいですね」
「んん……ぁ……」
シルヴァリエは、己の口元をおおうカルナスの手をどけ、覆いかぶさるようにしながらキスをした。
そこでふと、シルヴァリエは不思議な感覚に襲われ、動きを止めた。
「……ねえ、カルナス団長」
「……ぁ……ん……?」
「僕たち、以前にも会ったことありましたっけ?」
シルヴァリエは感じたそのままをカルナスに尋ねてみた。
カルナスは闇の奥で一瞬沈黙したあと、
「お得意の口説き文句を言うには、少し遅すぎるんじゃないのか」
と、皮肉っぽく笑った。
「うぁ……」
「でも、カルナス団長は後ろより前の方が好きなのかな?」
シルヴァリエはそう言いながら、カルナスの陰茎を二、三度上下にしごいた。
「ぁ……」
カルナスが陶然とした声を漏らす。シルヴァリエはそのまま手を下腹部からシャツの中に滑らせ、脇腹や胸のあたりを撫で回し、指先が触れた突起を軽く弾いた。
「カルナス団長の乳首、みーつけた」
「?!」
「ああ、ここもあまり慣れてないです? 感度良さそうな形してるのに」
シルヴァリエがそこを軽くつまむと、カルナスは首を横に振る。シルヴァリエは片手を再び陰茎のほうに戻し、その全体を下腹部ごとゆっくりと撫でた。
「ぁ……あぁ……っ! ぁ……」
シルヴァリエに体重をかけられ自由に動けないなかで、カルナスが腰を上下左右に揺らす。カルナスの先端から出たものがシルヴァリエの手を濡らし、下腹部からはぬちゃぬちゃといやらしい音が聞こえて来た。
「舐めてほしいですか?」
「ぇ……?」
「カルナス団長がめちゃくちゃに勃起させてるココ、口で包み込んで、舌で愛撫してあげます」
「…………っ」
「後ろの気持ちいいとこいじられながら、カルナス団長の好きなところ、思い切り吸われたり舌でぬるぬるに舐めあげらたり……きっとたまらないですよ、ねえ、カルナス団長」
シルヴァリエはカルナスの首筋に軽く舌を這わせながら誘うように言った。思惑通り、想像してしまったらしいカルナスが、生唾を飲み込むのがわかった。しかし、プライドが邪魔しているのかカルナスは無言のままだ。シルヴァリエはカルナスの耳の裏を軽く甘噛みすると、カルナスから両手をはなし、体を少し浮かせた。
「してほしいなら、こっち向いてください。このままじゃ、できないですよ」
「……………………」
カルナスは無言。しかし、暗闇の底の吐息は乱れたままだ。シルヴァリエがそのまましばらく待っていると、奥ゆかしい衣摺れの音がしてシルヴァリエの体にカルナスの体が何度か触れたのち、薄暗がりの奥にカルナスの顔が見えた。
「上も脱いでもらえますか?」
そう言いながらシャツの裾をたくし上げるように引っ張ると、カルナスは無言のまま従った。普段は陽に触れない部分の白い肌が、痛いほど浮かび上がる。日々鍛え上げられた均整のとれた体つきを眺めながら、シルヴァリエもまたシャツをぬぎすてると、約束通りカルナスの中央に顔を埋めた。
中を穿つ指をさらに一本に増やし代わり中を奥の奥まで探りながら、カルナスのものを口に含み、約束通り舌で舐めまわし、軽く吸い上げ、唇だけで噛むように挟みこむ。なにか刺激を与えるたびに、カルナスの体は面白いように反応した。
「あぁ……っ、あ、ん……ぃ……っ……あ、あぁ……ん……」
積極的ではなかった後ろへの刺激も、そう言っていたことが嘘のように甘い声をあげる。今日シルヴァリエを出迎えた時にはいつもの”鬼団長”カルナスに見えたのだが――淫紋の効果は夜が深まるほどに強くなる。思いがけず敏感なカルナスの反応も、そういう理由があるのかもしれない、と、シルヴァリエは思いながら、手を離し、顔をあげた。
「あ……シルヴァリエ……?」
カルナスが名前を呼ぶ。
「入れますね」
シルヴァリエはズボンの前を開くと、取り出した自分のものをカルナスのなかに突き入れた。
「あっ?! あ、あぁ……」
シルヴァリエは挿入後軽く揺らすようにしてカルナスの様子を伺う。カルナスははじめに出してしまった声を恥じるように口もとを抑えている以外は、嫌がるそぶりはない。むしろ時折焦れるように、内ももを小さく痙攣させる。シルヴァリエがゆっくりと抽送を開始すると、カルナスの手の隙間から再び甘い声が漏れた。
「ぁ、あぁ……ぁ……」
「嫌だって言ってたところが、一番好きみたいですね」
「んん……ぁ……」
シルヴァリエは、己の口元をおおうカルナスの手をどけ、覆いかぶさるようにしながらキスをした。
そこでふと、シルヴァリエは不思議な感覚に襲われ、動きを止めた。
「……ねえ、カルナス団長」
「……ぁ……ん……?」
「僕たち、以前にも会ったことありましたっけ?」
シルヴァリエは感じたそのままをカルナスに尋ねてみた。
カルナスは闇の奥で一瞬沈黙したあと、
「お得意の口説き文句を言うには、少し遅すぎるんじゃないのか」
と、皮肉っぽく笑った。
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