20 / 90
本文
闇夜の作法(2)
しおりを挟む
「……煽るのがお上手ですね」
カルナスからの予想外のキスに、シルヴァリエは喜びとも苛立ちともつかない感情にとらわれながら、カルナスの上半身をベッドに押し倒し、その上に覆いかぶさった。
「煽る……?」
「そういうところですよ」
カルナスがどういう表情をしているのか知りたくてたまらなかったが、遠い間接灯だけが頼りのこの状況では、せいぜい輪郭くらいしかわからない。
シルヴァリエはカルナスの足の間に自分の片足を割り入れながら、今度は少し乱暴なキスを仕掛ける。唇に噛みつくように吸い付いて、開いた口の隙間へ舌をねじ込み、怯えて逃げるカルナスの舌を捉え、巻きつき、吸い上げた。
「ん……」
カルナスが苦しそうな声をあげれば一瞬緩めるが、呼吸を一度だけ確認した後は再び締め上げる。カルナスの意識が口もとに行っている間にそのベルトを緩め、シャツの下に手を差し入れた。
火照っているであろうと思っていたよりは肌は予想していたよりも冷たい。シルヴァリエはカルナスのシャツをたくし上げるいっぽうで、キスを唇、下唇、顎、首筋、そして鎖骨と、徐々におろしていった。
「ん……シルヴァリエ……なにか……」
「はい?」
「なにか……当たる……」
「カルナス団長のもさっきから僕の足に当たってますよ」
「そ、そうじゃない! 胸のあたりに、なにか硬い……瓶のようなものを持っているだろう」
「ああ、そういえば」
シルヴァリエは胸元からオイルの入った瓶を取り出し、カルナスに手渡した。
「これは……?」
「カルナス団長のココをほぐすためにもってきたんです」
シルヴァリエはカルナスの後ろに手を回し、ズボンの上からその双丘を少し強めに掴んだ。
「ほぐ……す……?」
「そう、僕がよく使っている上質のオイルですから、心配なさらなくて大丈夫ですよ。口に入れても問題ないですし。ほら」
シルヴァリエは瓶の蓋を抜くと、指先にオイルを少し垂らし、それを自分の唇に塗りつけ、カルナスに口付ける。
「ね? 手触りがいいでしょう」
「……お前の匂いがする」
「え、そうですか? 香料は入れていないので、これは素のオイルの香りだけのはずですけど」
「いや、する」
自分の言ったことを確かめるように、カルナスが暗闇のなかでシルヴァリエの喉もとに顔を寄せ、すこし鼻をひくつかせるのがわかった。
シルヴァリエはたまらなくなって、自分の喉もとで蠢くカルナスの顔を捕まえて少し強引にキスをすると、うつ伏せの態勢をとらせ、カルナスが下に身につけていたものをすべて剥ぎ取り、オイルを垂らした手でカルナスの双丘に触れ、その間隙を割る。
その中央の、きつく締まった後孔に触れると、
「ぅ……」
カルナスが抗議するような声をあげた。無視して指の先を中に埋めると、カルナスは腰を前後左右に振ってシルヴァリエの手から逃れようとする。
「カルナス団長、動くと危ないですよ」
「……そこ……」
「嫌なんですか?」
カルナスはしばらくためらったのち、小さく頷いた。
「ここでしたことあるんですか?」
ほぐすことに夢中になっていたシルヴァリエが、半ば無意識にそうたずねる。
カルナスは再び頷いた。
カルナスからの予想外のキスに、シルヴァリエは喜びとも苛立ちともつかない感情にとらわれながら、カルナスの上半身をベッドに押し倒し、その上に覆いかぶさった。
「煽る……?」
「そういうところですよ」
カルナスがどういう表情をしているのか知りたくてたまらなかったが、遠い間接灯だけが頼りのこの状況では、せいぜい輪郭くらいしかわからない。
シルヴァリエはカルナスの足の間に自分の片足を割り入れながら、今度は少し乱暴なキスを仕掛ける。唇に噛みつくように吸い付いて、開いた口の隙間へ舌をねじ込み、怯えて逃げるカルナスの舌を捉え、巻きつき、吸い上げた。
「ん……」
カルナスが苦しそうな声をあげれば一瞬緩めるが、呼吸を一度だけ確認した後は再び締め上げる。カルナスの意識が口もとに行っている間にそのベルトを緩め、シャツの下に手を差し入れた。
火照っているであろうと思っていたよりは肌は予想していたよりも冷たい。シルヴァリエはカルナスのシャツをたくし上げるいっぽうで、キスを唇、下唇、顎、首筋、そして鎖骨と、徐々におろしていった。
「ん……シルヴァリエ……なにか……」
「はい?」
「なにか……当たる……」
「カルナス団長のもさっきから僕の足に当たってますよ」
「そ、そうじゃない! 胸のあたりに、なにか硬い……瓶のようなものを持っているだろう」
「ああ、そういえば」
シルヴァリエは胸元からオイルの入った瓶を取り出し、カルナスに手渡した。
「これは……?」
「カルナス団長のココをほぐすためにもってきたんです」
シルヴァリエはカルナスの後ろに手を回し、ズボンの上からその双丘を少し強めに掴んだ。
「ほぐ……す……?」
「そう、僕がよく使っている上質のオイルですから、心配なさらなくて大丈夫ですよ。口に入れても問題ないですし。ほら」
シルヴァリエは瓶の蓋を抜くと、指先にオイルを少し垂らし、それを自分の唇に塗りつけ、カルナスに口付ける。
「ね? 手触りがいいでしょう」
「……お前の匂いがする」
「え、そうですか? 香料は入れていないので、これは素のオイルの香りだけのはずですけど」
「いや、する」
自分の言ったことを確かめるように、カルナスが暗闇のなかでシルヴァリエの喉もとに顔を寄せ、すこし鼻をひくつかせるのがわかった。
シルヴァリエはたまらなくなって、自分の喉もとで蠢くカルナスの顔を捕まえて少し強引にキスをすると、うつ伏せの態勢をとらせ、カルナスが下に身につけていたものをすべて剥ぎ取り、オイルを垂らした手でカルナスの双丘に触れ、その間隙を割る。
その中央の、きつく締まった後孔に触れると、
「ぅ……」
カルナスが抗議するような声をあげた。無視して指の先を中に埋めると、カルナスは腰を前後左右に振ってシルヴァリエの手から逃れようとする。
「カルナス団長、動くと危ないですよ」
「……そこ……」
「嫌なんですか?」
カルナスはしばらくためらったのち、小さく頷いた。
「ここでしたことあるんですか?」
ほぐすことに夢中になっていたシルヴァリエが、半ば無意識にそうたずねる。
カルナスは再び頷いた。
0
お気に入りに追加
432
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。



身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる