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遭遇の経緯(6)
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カルナスの切羽詰まった声に、シルヴァリエはほぼ無意識にカルナスの淫紋を指の腹で撫で続けていた自分に気づいた。
しかし、普通他人に見せることのないそのカルナスの秘所の柔らかな触り心地は、まるでまだ生まれたばかりの子猫を撫でているようで、言われたからと簡単に手放すのはどうにも惜しまれた。
「カルナス団長、僕とします?」
「いいからそこから手を放せ!」
「でも、このままじゃつらいでしょう。僕とすれば少しは落ち着くかもしれませんよ」
「なにをだ!!!」
「だから、セックス。淫紋って、つけられたところに近い場所ほど影響があるんですよね。こんなところにあったら、前だけでなく後ろも切ないでしょう」
淫紋の上、蟻の門渡りを往復していたシルヴァリエの指が、経路を延長し菊門の窄まりを軽く撫でると、カルナスの尻の肉が見た目にわかるほど緊張した。
「ほら、反応してますよ。カルナス団長は騎士団育ちなんですよね。騎士見習いのころはココも相当使っていたんじゃないですか」
「使うかッ!」
「本当かなあ? ほら、僕の指の第一関節までもう入ってますよ」
「えッ?! いッ?!」
「ぐりぐりしてあげると気持ちいいでしょう。カルナス団長は体を鍛え上げているから、ここもさぞや締まりがいいんでしょうね。いれてみたいなあ。でもこれ以上は潤滑油がないと危ないか……」
シルヴァリエがカルナスの部屋の中を見回していると、その顎に、したたかな一撃が加えられた。
下からシルヴァリエの顎を蹴り上げたカルナスが、シルヴァリエの手の届かないところまでほとんど這いずるようにして逃げ、そして叫んだ。
「出て行け!!」
「痛てて……蹴らなくてもいいじゃないですか! 顎の骨が砕けるかと思った!!」
「うるさいッ! 出て行け!!!」
「半勃ちのチンコ晒して凄んでも怖くありませんよ」
シルヴァリエは立ち上がり、座り込んだままのカルナスのほうへ大股で歩み寄った。
抵抗しようとするカルナスの腕をとり、そのまま体ごと引き上げ、引きずるようにしながら、ベッドの上へ押し倒した。
「や、やだッ! シルヴァリエ、やめろ!」
「――僕はこれでも親切で言ってたんですよ。それなのに、精液でズボンを汚されて、色情狂呼ばわりされて、挙句に蹴り飛ばされるなんて。割に合わない」
「やだッ! やだッ!」
「無理やりつっこんだりはしませんよ。素股で許してあげます。ほら、足を閉じて、太ももを締めて。僕にご奉仕すれば、ちょっとはおさまるかもしれませんよ、やりたくてやりたくて苦しいんでしょう? そのままじゃあ、騎士団長としての重責を背負うなんてことはとても無理でしょうね」
「…………っ」
「しなくてもいいんですよ。でも、あなたがおかしいことは、いずれ他の騎士たちも気づくでしょうね。売春宿ででもつけられたのでなければ恥じるものではないかもしれませんが――尊敬していた騎士団長が、裏では淫紋をつけたままあんあん言ってたことを知ったら、どう思うでしょう?」
「…………くそっ!」
カルナスはしばらく逡巡していたが、結局はシルヴァリエの言う通りにすることにしたようだ。
ことが済むとカルナスはベッドから跳ね起き、シルヴァリエなどいないかのようにふるまった。
手早く体を拭いて、身支度を整え、シルヴァリエを置いて部屋から出て行く。
しばらくしてシルヴァリエがカルナスの部屋の窓から外の様子を伺うと、カルナスがいつも通りの様子の様子で、訓練場の部下たちに檄を飛ばしている声が遠く青空の下に響いていた。
しかし、普通他人に見せることのないそのカルナスの秘所の柔らかな触り心地は、まるでまだ生まれたばかりの子猫を撫でているようで、言われたからと簡単に手放すのはどうにも惜しまれた。
「カルナス団長、僕とします?」
「いいからそこから手を放せ!」
「でも、このままじゃつらいでしょう。僕とすれば少しは落ち着くかもしれませんよ」
「なにをだ!!!」
「だから、セックス。淫紋って、つけられたところに近い場所ほど影響があるんですよね。こんなところにあったら、前だけでなく後ろも切ないでしょう」
淫紋の上、蟻の門渡りを往復していたシルヴァリエの指が、経路を延長し菊門の窄まりを軽く撫でると、カルナスの尻の肉が見た目にわかるほど緊張した。
「ほら、反応してますよ。カルナス団長は騎士団育ちなんですよね。騎士見習いのころはココも相当使っていたんじゃないですか」
「使うかッ!」
「本当かなあ? ほら、僕の指の第一関節までもう入ってますよ」
「えッ?! いッ?!」
「ぐりぐりしてあげると気持ちいいでしょう。カルナス団長は体を鍛え上げているから、ここもさぞや締まりがいいんでしょうね。いれてみたいなあ。でもこれ以上は潤滑油がないと危ないか……」
シルヴァリエがカルナスの部屋の中を見回していると、その顎に、したたかな一撃が加えられた。
下からシルヴァリエの顎を蹴り上げたカルナスが、シルヴァリエの手の届かないところまでほとんど這いずるようにして逃げ、そして叫んだ。
「出て行け!!」
「痛てて……蹴らなくてもいいじゃないですか! 顎の骨が砕けるかと思った!!」
「うるさいッ! 出て行け!!!」
「半勃ちのチンコ晒して凄んでも怖くありませんよ」
シルヴァリエは立ち上がり、座り込んだままのカルナスのほうへ大股で歩み寄った。
抵抗しようとするカルナスの腕をとり、そのまま体ごと引き上げ、引きずるようにしながら、ベッドの上へ押し倒した。
「や、やだッ! シルヴァリエ、やめろ!」
「――僕はこれでも親切で言ってたんですよ。それなのに、精液でズボンを汚されて、色情狂呼ばわりされて、挙句に蹴り飛ばされるなんて。割に合わない」
「やだッ! やだッ!」
「無理やりつっこんだりはしませんよ。素股で許してあげます。ほら、足を閉じて、太ももを締めて。僕にご奉仕すれば、ちょっとはおさまるかもしれませんよ、やりたくてやりたくて苦しいんでしょう? そのままじゃあ、騎士団長としての重責を背負うなんてことはとても無理でしょうね」
「…………っ」
「しなくてもいいんですよ。でも、あなたがおかしいことは、いずれ他の騎士たちも気づくでしょうね。売春宿ででもつけられたのでなければ恥じるものではないかもしれませんが――尊敬していた騎士団長が、裏では淫紋をつけたままあんあん言ってたことを知ったら、どう思うでしょう?」
「…………くそっ!」
カルナスはしばらく逡巡していたが、結局はシルヴァリエの言う通りにすることにしたようだ。
ことが済むとカルナスはベッドから跳ね起き、シルヴァリエなどいないかのようにふるまった。
手早く体を拭いて、身支度を整え、シルヴァリエを置いて部屋から出て行く。
しばらくしてシルヴァリエがカルナスの部屋の窓から外の様子を伺うと、カルナスがいつも通りの様子の様子で、訓練場の部下たちに檄を飛ばしている声が遠く青空の下に響いていた。
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