不死戦争~immortality war ~

おたく

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不死戦争5

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「学校行ってみない?」
永魔がお昼ご飯のナポリタンを
口いっぱいに頬張っていると
知代が言った。



「がっふぉうっふぇまんま?」⬅訳:学校ってなんだ?
永魔の故郷の地獄では
学校がなかった。



「学校は皆で集まって
勉強する所よ
沢山人が居る場所の方が
紛れ易いと思うけど。」
知代は優しい口調で永魔に言った。


リビングに来たときに永魔は
自分が死神であることを
知代に告げたが
知代は大して驚かなかった。


永魔が知代に告げた時
微かに目を細めて
「ああ、そうだったの…
大変なのねえ」
と言っただけで後に言葉を続ける
事も無く話は終わった。



俺、何か変な事でも言ったかな…?


永魔がそんな事を考えていると


「それで、どうよ?学校行ってみない?
結構楽しいと思うけど。」


と知代が声をかけた。


「うーん…どーしよまあ
今の所下界のルールやらなんやら
色んな事覚えないとだしなあ…
行っとこうかな…」


そう永魔が言うと今度は
光希が口を開いた。


「母さん…そんな事言っても
入学料も払わなきゃだし
高校を途中から入るのは大変よ?
入れるかどうか分からないのに
そういう話しない方がいいんじゃない?」


それを聞いて知代は不敵に笑い


「いやー家の財力をなめてもらったら
困っちゃうわよー‼」


と言い通帳を取り出した。


永魔と光希は通帳に目を通す。


1 ,    10,    100,    1000…


その額を見て光希が驚愕する。


「母さん…何この金額…?
殺しの仕事とか薬の運び屋
とか詐欺グループの受け子とか
やってないよね…?」


永魔に金の価値は分からないが
あまりに光希の反応が凄いので
思わず唾を飲んだ。


「おい…そんなに凄い金額
なのか…?」


永魔が光希に尋ねると


「うーん…何て言うか
そうね…この家がもう一件
建てられる位の額ね…」


それを聴いて永魔もその凄さが
分かったのか驚愕した。


「にしても…凄いわね…
どうやってこんな額を稼げたの?」


「お父さん結構エリートなのよ。
堅くて自分の事めったに喋らないから
知らなくてもしょうがないけどね。
と言うことで金銭面の問題はパース。
残りの問題は…」


そう言って知代は小学生の
問題集を持ってきて永魔の前に
ドカッと置いた。


「この問題を一回解いてみて‼」
と言った。


五分程して永魔が

「問題なんて解いたことないよ
なあ、それよりこの10と
1ってなんだ?」


恐らく永魔が言っているのは
プラスとマイナスの事だろう。

その永魔の馬鹿みたいな台詞
を聞いて光希と知代は
「こりゃ永魔に学校に
行かせるのは大変だ…」
と心の中で呟いた。





ーーその頃地獄ーー


●●●●は言った。

「おい…故神傷よ…
この度は混血の死神をよく
逃がしてくれたな…
この責任どう取るつもりなのだ」


「はあ…すみません…
この俺の命ではこの責任は
果たせない。腹を割いて自害
致します。」


傷は手の爪先に力を入れて
腹に突き立てようとした。


「やめろ。まだお前に死なれて
しまっては困るのだ。まだ俺の為に
働いて貰うぞ。けじめを付けるのは
働いた後だ。」


「お慈悲を下さり有り難うございます。
どんな事でもお申し付け下さい。」


「そうだな…ではお前に直々に
あの混血を捕らえて来て
貰おうか。」


傷は目を大きく見開いた。
「な…なぜ俺なんかにその様な
命令をお下しに…」

「なぜ…とは愚問じゃの
混血にとってお前は大切な
只一人の身内だからだ
お前は混血の弱み…適任だ。
だからこそお前が行くのだ。」


傷は血が滲む程に唇をかみ

「わ…分かりました
慎んでお受け致します…」

と答えた。


「うむ。よろしい。」

そう言って●●●●はにやりと
不気味に微笑んだ。…








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