98 / 104
人間転生編
少女無双中
しおりを挟む
時は少し遡り、オーメンが最初にモンマンを蹴り落し、立ち去った後。
これで防御は出来ない。なら、軍の人たちの攻撃は通る。それでも苦戦するんだっけ? 全く手が焼ける。
彼女は土人形の頭部に登る。
「オーメンさん。あの個体は?」
「2人に任せます」
「大丈夫なのですか?」
「何とかするでしょう。それより、あの群れです。最初の不意打ち以外、まともに攻撃出来ていないようですが?」
「不甲斐ありません」
「まああの魔物は強いので仕方ありません。私がやるので皆さんは支援と防御を頼みます」
「承知いたしました。皆の者! オーメンさんに支援魔法を!」
軍の者たちは彼女に、魔法効果向上と魔力消費量現象の魔法をかける。
「いいですね。力が湧いてきます」
土人形の頭部から、腕の形の人形を2本生やし手を合わせる。
「嵐刃」
合わせた手の間から、空気と水を圧縮し、超高圧の状態で噴出させる。それは刃の如き切れ味だ。一周させて、手の高さにいた魔物7体を切り裂いた。
その摩擦で腕の土人形は壊れた。
「規格外だ」
軍の者は驚きを隠せない。
「今から雷撃を撃つので感電しないように、各々守ってください」
軍隊は慌てて防御魔法を貼る。
「この湿った空気の中、お前たちは逃げられない。紫電」
紫に見えるほどの高エネルギーの放電。5体の魔物を焼き切った。
「だいたい半分ですね」
可笑しい。魔道具の反応は2つだった。1つは叩き落した魔物の分。もう1つは一番後ろ魔物から感じるけど、使ってこない。死後発動するタイプか? あいつは一旦後にした方が良いな。
「あいつ以外はこれで終わらせよう」
オーメンは人差し指を立てる。
「紫電青火」
立てた人差し指から紫の雷を360度に放ち、その外周を、プラズマが発生するほどの高音の火球で囲う。火球を回転させ逃げ場を塞ぐ。
「あれはナザトさんの」
アマナスが驚く。
「上位互換です」
殆どが焼け死んだ。残るは3体。
あの個体の近くにいた魔物は残しちゃったか。まあいい。あとは範囲の狭い攻撃で一体一体潰していこう。
そのとき下からモンマンがやって来る。
「グァー!」
雄たけびを上げ、彼女に立ち向かう。しかし軽く流される。
「あなたは人間ですよね? なぜ邪魔をするんです?」
モンマンは無視して戦う。
「今度は手加減しませんよ」
彼女は氷の槍を作り、それを放つ。
モンマンは避ける。が、通り過ぎた槍が破裂して周囲に飛び散る。
「ガッ」
飛び散った氷が魔物の群れに突き刺さった。
「あと3体なんです。邪魔しないでください」
オーメンは拳に魔力を込めて魔物に殴りかかる。モンマンは魔物を庇った。彼は地面に叩き落される。
「さて、さっきの氷で弱ったし、あとは首を刈って終わらせよう」
魔力を刀状に固める。
「力場操作」
高速で飛行し、3体の首を刈る。
彼女は例の個体が魔道具をしっかりと目視する。その死体から剣が出てくる。
「あれは」
その剣は、かつてアマナスが一度手に取り、力を暴走させるに至った物だった。
「食べてたのか」
剣の回収のため地に降りる。横には魔物の死体。
これが原因で力が増した。だから魔物を従えていたのか。さて、どう回収したものか。
そう考えていると、横の魔物の死体が融けキーホルダーになった。
よかった。これで無駄足にならずに済む。そう思いながらキーホルダーを手に取る。瞬間、彼女は歓喜した。
「はは。やっと」
そこにアマナスとオーサーがやって来る。
アマナスは剣を見て言葉を失う。そんなアマナスをよそにオーサーは話しかける。
「それ魔道具か。よかったな」
「ええ。本当に」
彼女はアマナスの方を見る。彼は動揺している。
「ねえアマナス君」
「あっ、はい」
「君は前に、恩を返したいって言ってたよね?」
「はい。既に返してもらっているとも」
「前言撤回。今返してもらうよ」
彼女は魔道具を右手に持ち、左手でアマナスの頭を掴む。
アマナスのネックレスが黒い光を放つ。
これで防御は出来ない。なら、軍の人たちの攻撃は通る。それでも苦戦するんだっけ? 全く手が焼ける。
彼女は土人形の頭部に登る。
「オーメンさん。あの個体は?」
「2人に任せます」
「大丈夫なのですか?」
「何とかするでしょう。それより、あの群れです。最初の不意打ち以外、まともに攻撃出来ていないようですが?」
「不甲斐ありません」
「まああの魔物は強いので仕方ありません。私がやるので皆さんは支援と防御を頼みます」
「承知いたしました。皆の者! オーメンさんに支援魔法を!」
軍の者たちは彼女に、魔法効果向上と魔力消費量現象の魔法をかける。
「いいですね。力が湧いてきます」
土人形の頭部から、腕の形の人形を2本生やし手を合わせる。
「嵐刃」
合わせた手の間から、空気と水を圧縮し、超高圧の状態で噴出させる。それは刃の如き切れ味だ。一周させて、手の高さにいた魔物7体を切り裂いた。
その摩擦で腕の土人形は壊れた。
「規格外だ」
軍の者は驚きを隠せない。
「今から雷撃を撃つので感電しないように、各々守ってください」
軍隊は慌てて防御魔法を貼る。
「この湿った空気の中、お前たちは逃げられない。紫電」
紫に見えるほどの高エネルギーの放電。5体の魔物を焼き切った。
「だいたい半分ですね」
可笑しい。魔道具の反応は2つだった。1つは叩き落した魔物の分。もう1つは一番後ろ魔物から感じるけど、使ってこない。死後発動するタイプか? あいつは一旦後にした方が良いな。
「あいつ以外はこれで終わらせよう」
オーメンは人差し指を立てる。
「紫電青火」
立てた人差し指から紫の雷を360度に放ち、その外周を、プラズマが発生するほどの高音の火球で囲う。火球を回転させ逃げ場を塞ぐ。
「あれはナザトさんの」
アマナスが驚く。
「上位互換です」
殆どが焼け死んだ。残るは3体。
あの個体の近くにいた魔物は残しちゃったか。まあいい。あとは範囲の狭い攻撃で一体一体潰していこう。
そのとき下からモンマンがやって来る。
「グァー!」
雄たけびを上げ、彼女に立ち向かう。しかし軽く流される。
「あなたは人間ですよね? なぜ邪魔をするんです?」
モンマンは無視して戦う。
「今度は手加減しませんよ」
彼女は氷の槍を作り、それを放つ。
モンマンは避ける。が、通り過ぎた槍が破裂して周囲に飛び散る。
「ガッ」
飛び散った氷が魔物の群れに突き刺さった。
「あと3体なんです。邪魔しないでください」
オーメンは拳に魔力を込めて魔物に殴りかかる。モンマンは魔物を庇った。彼は地面に叩き落される。
「さて、さっきの氷で弱ったし、あとは首を刈って終わらせよう」
魔力を刀状に固める。
「力場操作」
高速で飛行し、3体の首を刈る。
彼女は例の個体が魔道具をしっかりと目視する。その死体から剣が出てくる。
「あれは」
その剣は、かつてアマナスが一度手に取り、力を暴走させるに至った物だった。
「食べてたのか」
剣の回収のため地に降りる。横には魔物の死体。
これが原因で力が増した。だから魔物を従えていたのか。さて、どう回収したものか。
そう考えていると、横の魔物の死体が融けキーホルダーになった。
よかった。これで無駄足にならずに済む。そう思いながらキーホルダーを手に取る。瞬間、彼女は歓喜した。
「はは。やっと」
そこにアマナスとオーサーがやって来る。
アマナスは剣を見て言葉を失う。そんなアマナスをよそにオーサーは話しかける。
「それ魔道具か。よかったな」
「ええ。本当に」
彼女はアマナスの方を見る。彼は動揺している。
「ねえアマナス君」
「あっ、はい」
「君は前に、恩を返したいって言ってたよね?」
「はい。既に返してもらっているとも」
「前言撤回。今返してもらうよ」
彼女は魔道具を右手に持ち、左手でアマナスの頭を掴む。
アマナスのネックレスが黒い光を放つ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる