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七つの大罪 憤怒編
捨てられたものたち
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マルサがゴミ山を統べてから、6年が経過した。
「ボス。買ってきましたぜ」
「よし。炊出しの準備だ」
マルサはディレクとは逆に、富を分配する方向で、ゴミ山を管理した。
最近新入りが多い。それも、痙攣を起こしてたり、歩行が不安定な奴が殆どだ。労働力に出来ないわけではないが、生産性が低い。
「お兄ちゃん。今日の入居者まとめておいたよ」
「ありがとう」
アマントの死以降、マルサとショシーロは、彼女が残した本を元に勉強をし、賢くなっていた。
この炊出しも、いつまで出来るか分からねー。そろそろ対策をとらねーと。
「そんなわけで、どうしたらいいかを話したい。何か案の有るものはいるか?」
「新入りは王国からやってくるんだし、王国で何が起きているのか調べてみるのはどう?」
ショシーロが提案する。
「それはいい案だが、俺とショシーロは未だに警察からマークされてる。アイク。お前行ってきてくれないか」
「喜んで!」
「では、新入り達の居住スペースについてだが……」
2時間ほどで話し合いは終わった。
「では、今日はここまで。アイク。調査の件、頼んだぞ」
7年かけて、ここまで平和にしたんだ。何が起こってるのか知らねーが、迷惑だけはかけないで欲しいもんだぜ。
3日後
「ボス。調査終わりましたぜ」
「来たか。幹部を集める。待機してろ」
そして幹部は集合した。
アイクが話始める。
「どうやら最近、王国で感染症が広がってるらしい」
「感染症だと!?」
「感染経路は不明。症状は、記憶障害や筋肉の震え、歩行が不安定になる、痙攣などが起こる。治療法はなく、発症後1年~2年で死ぬ。そして致死率は100パーセント」
「致死率100パーセントだと⁉」
「最近移住者が増えたのは、少しでも感染者を遠ざけたかったからだろうな」
「親父め、厄介ごとを押し付けやがって」
それからも移住者は増え続けた。ついに居住スペースや食料、拾えるゴミが分配しきれなくなった。
「これだけかよ」、「あいつらだけで独占してんだろ」「ディレクの時の方が良かったのに」そういった不満や不安の声はマルサの耳にも届いた。
「特に昔からいたやつからの不満が多い。どうする? ボス」
「民には悪いが、今は我慢してもらうしかない。そしてそれに報いるためにも、早急に対策を考えなければ」
悪いことは大群でやって来る。家に帰ると、ショシーロが体を震わせていた。
「ショシーロ⁉」
「お兄ちゃん。体が言う事聞かなくて……」
ハッとした。これはアイクがら聞いた症状なのではないか?
「病院に!」
マルサはショシーロを担いで、病院へ向かった。
マークされてるとか知ったことか! もう家族を失いたくないんだ俺は!
「これはプロインVによるものですね」
医者はキッパリと述べた。
「そんな……」
「残念ですが、残された時間を大切にしてください」
ショシーロの手足は震え、筋肉の痙攣でにより、面白くもないのに笑い、ときおり金切り声を上げた。
マルサも消耗した。あれだけ元気で、風邪だって一度もひかなかった彼女が、こんな惨めな姿に変わり果てたからだ。
一年はあっという間に過ぎた。彼女は死んだ。
マルサは妹を埋葬しながら考えた。
俺たち兄弟は強い免疫を持ってる。それなのに病気に罹った。これは魔道具のせいなのではないかと。だとしたら王が妹を殺したようなものだ。病人をここに隔離し、病原体をばらまいた。何でもかんでも捨てやがって。
「ボス、その、ご愁傷様です」
「泣いている暇はないぞ。弔い合戦だ! 捨てられたものたちの怒りを、王に知らしめるのだ!」
「ボス。買ってきましたぜ」
「よし。炊出しの準備だ」
マルサはディレクとは逆に、富を分配する方向で、ゴミ山を管理した。
最近新入りが多い。それも、痙攣を起こしてたり、歩行が不安定な奴が殆どだ。労働力に出来ないわけではないが、生産性が低い。
「お兄ちゃん。今日の入居者まとめておいたよ」
「ありがとう」
アマントの死以降、マルサとショシーロは、彼女が残した本を元に勉強をし、賢くなっていた。
この炊出しも、いつまで出来るか分からねー。そろそろ対策をとらねーと。
「そんなわけで、どうしたらいいかを話したい。何か案の有るものはいるか?」
「新入りは王国からやってくるんだし、王国で何が起きているのか調べてみるのはどう?」
ショシーロが提案する。
「それはいい案だが、俺とショシーロは未だに警察からマークされてる。アイク。お前行ってきてくれないか」
「喜んで!」
「では、新入り達の居住スペースについてだが……」
2時間ほどで話し合いは終わった。
「では、今日はここまで。アイク。調査の件、頼んだぞ」
7年かけて、ここまで平和にしたんだ。何が起こってるのか知らねーが、迷惑だけはかけないで欲しいもんだぜ。
3日後
「ボス。調査終わりましたぜ」
「来たか。幹部を集める。待機してろ」
そして幹部は集合した。
アイクが話始める。
「どうやら最近、王国で感染症が広がってるらしい」
「感染症だと!?」
「感染経路は不明。症状は、記憶障害や筋肉の震え、歩行が不安定になる、痙攣などが起こる。治療法はなく、発症後1年~2年で死ぬ。そして致死率は100パーセント」
「致死率100パーセントだと⁉」
「最近移住者が増えたのは、少しでも感染者を遠ざけたかったからだろうな」
「親父め、厄介ごとを押し付けやがって」
それからも移住者は増え続けた。ついに居住スペースや食料、拾えるゴミが分配しきれなくなった。
「これだけかよ」、「あいつらだけで独占してんだろ」「ディレクの時の方が良かったのに」そういった不満や不安の声はマルサの耳にも届いた。
「特に昔からいたやつからの不満が多い。どうする? ボス」
「民には悪いが、今は我慢してもらうしかない。そしてそれに報いるためにも、早急に対策を考えなければ」
悪いことは大群でやって来る。家に帰ると、ショシーロが体を震わせていた。
「ショシーロ⁉」
「お兄ちゃん。体が言う事聞かなくて……」
ハッとした。これはアイクがら聞いた症状なのではないか?
「病院に!」
マルサはショシーロを担いで、病院へ向かった。
マークされてるとか知ったことか! もう家族を失いたくないんだ俺は!
「これはプロインVによるものですね」
医者はキッパリと述べた。
「そんな……」
「残念ですが、残された時間を大切にしてください」
ショシーロの手足は震え、筋肉の痙攣でにより、面白くもないのに笑い、ときおり金切り声を上げた。
マルサも消耗した。あれだけ元気で、風邪だって一度もひかなかった彼女が、こんな惨めな姿に変わり果てたからだ。
一年はあっという間に過ぎた。彼女は死んだ。
マルサは妹を埋葬しながら考えた。
俺たち兄弟は強い免疫を持ってる。それなのに病気に罹った。これは魔道具のせいなのではないかと。だとしたら王が妹を殺したようなものだ。病人をここに隔離し、病原体をばらまいた。何でもかんでも捨てやがって。
「ボス、その、ご愁傷様です」
「泣いている暇はないぞ。弔い合戦だ! 捨てられたものたちの怒りを、王に知らしめるのだ!」
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