39 / 104
七つの大罪 憤怒編
ゴミ山の王
しおりを挟む
「麻薬売買は失敗した」
マルサは臆することなくそう告げる。
「そうか。なら責任とらねーとな」
ディレクは動揺しなかった。されど、確かに怒りは抱いていた。
「その責任のことだけどよー。やっぱお前が取るべきだぜ。ディレク」
「バカ言ってんじゃねー! テメーのミスはテメーが拭えや!」
「テメーが発端だろうがよ!」
マルサは魔法を構える。ディレクも魔法を構える。
ドカンと音が鳴る。ごみ山が次々に崩れる。周囲の人は逃げ惑う。
互いに死力を尽くし戦った。1時間もの間戦い、遂に勝敗は喫した。
「うりゃー」
マルサが氷の槍を突き立て、ディレクの心臓に刺した。
「ゴハッ」
ディレクは倒れる。
マルサは息を整える。
「やりやがったなクソガキ。この恩知らずが」
ディレクは息絶えた。
「兄ちゃん」
「もう大丈夫だ。俺たちを責めるやつはいない」
安心させるために笑うが、ショシーロからすれば、罪悪感しか残らない。
ディレクを殺したマルサは、ディレクの家を物色した。
そこには大量の金と麻薬があった。そして。
これは、魔道具だ。カリスマ性を上げる刀。なるほど、こんなものがあったから、奴はここのボスをやれてたのか。だが俺には要らねー。
マルサは刀をバキンと折った。そして、ごみ山の頂点に立つと。
「今日から俺がここのボスだ! 麻薬売買は即刻中止する! そして、前ボスの財産は皆で山分けだ!」
そう宣言した。
山分けした財産で、母の薬を買いに行ったマルサだが。
「最期に言いたいことがあるの」
「最期なんて言わないでよ」
ショシーロは、震える声でそう言う。
「マルサ、ショシーロ。こんな育て方しちゃってごめんね。お母さんのことは恨んでくれても構わない。でも私以外の誰かを恨まないで」
「うん。分かったよ。誰も恨まない」
ショシーロは答えた。しかしマルサは何も言わなかった。
「マルサ。ショシーロをお願いね」
「っ……。ああ!」
そしてアマントは息を引き取った。
マルサは臆することなくそう告げる。
「そうか。なら責任とらねーとな」
ディレクは動揺しなかった。されど、確かに怒りは抱いていた。
「その責任のことだけどよー。やっぱお前が取るべきだぜ。ディレク」
「バカ言ってんじゃねー! テメーのミスはテメーが拭えや!」
「テメーが発端だろうがよ!」
マルサは魔法を構える。ディレクも魔法を構える。
ドカンと音が鳴る。ごみ山が次々に崩れる。周囲の人は逃げ惑う。
互いに死力を尽くし戦った。1時間もの間戦い、遂に勝敗は喫した。
「うりゃー」
マルサが氷の槍を突き立て、ディレクの心臓に刺した。
「ゴハッ」
ディレクは倒れる。
マルサは息を整える。
「やりやがったなクソガキ。この恩知らずが」
ディレクは息絶えた。
「兄ちゃん」
「もう大丈夫だ。俺たちを責めるやつはいない」
安心させるために笑うが、ショシーロからすれば、罪悪感しか残らない。
ディレクを殺したマルサは、ディレクの家を物色した。
そこには大量の金と麻薬があった。そして。
これは、魔道具だ。カリスマ性を上げる刀。なるほど、こんなものがあったから、奴はここのボスをやれてたのか。だが俺には要らねー。
マルサは刀をバキンと折った。そして、ごみ山の頂点に立つと。
「今日から俺がここのボスだ! 麻薬売買は即刻中止する! そして、前ボスの財産は皆で山分けだ!」
そう宣言した。
山分けした財産で、母の薬を買いに行ったマルサだが。
「最期に言いたいことがあるの」
「最期なんて言わないでよ」
ショシーロは、震える声でそう言う。
「マルサ、ショシーロ。こんな育て方しちゃってごめんね。お母さんのことは恨んでくれても構わない。でも私以外の誰かを恨まないで」
「うん。分かったよ。誰も恨まない」
ショシーロは答えた。しかしマルサは何も言わなかった。
「マルサ。ショシーロをお願いね」
「っ……。ああ!」
そしてアマントは息を引き取った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる