どうせクソババアと言われるなら,徹底的にクソババアになってやる・・・

猫山

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49 地獄にご招待???

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 今日こそ腰を診て貰うよ!!!

 あたしは叫び声と共に目を覚ましたよ。なんてこったい。昨日のことがよっぽど残ってたんだねえ・・・ま。いいか。とりあえず、テレビテレビ・・・




「今日も皆さんお元気にお過ごしください。」


 あれあれ・・・終わっちまった・・・しかたねえ。今日は自分でヤルか・・・どうするんだったっけねえ?まず首だったな・・・まえ・・・うしろ・・・あれ?違う?右左だったかな・・・みたいな気がしてきたよ・・・



・・・・・

・・・


 次は・・・ジャンプか・・・えいっ・・あれあれ?なんか違うな・・・まあいいや。

 最後は深呼吸・・・ず~~~~は~~~~~ず~~~~~は~~~~~げほげほげほ・・・・


 ふう。終わった終わった。

 

 化粧水化粧水・・・・おや、そこあんた?なにみているんだい?あ?あたしが化粧水なんて付けてるのを見たことないって?まあ。うちには化粧水のたぐいは確かにねえんだよ。でもな・・・これを・・・おや。空っぽだ。そういえば、昨日最後のを使っちまったんだっけ。仕方ねえ買いに行くか。あんたも一緒にきな。何を使ったらこんなに魅力的な未亡人になるか教えてやるからさ。


さあてっと・・・・



とこ・・・よろり・・・いやいや。昨日の注射が効いているはず・・・・?


とことことこ・・・よろよろよろ・・・・とことことこ・・・よろよろよろ・・・





お。よしこ。おめえのとこ、まだ酒屋やってるよな。

「あ。きよこ婆さん。うん。母さんが店番してると思う。」

「そっかそっか・・」


とことことこ・・・よろよろよろ・・・・とことことことこ・・・お。調子出てきたぞい




「ごめんよ。」
「ゴメンで済めばけーさつはいらネエよ。あ。なんだ。きよこ婆さん。」

「いつもの1本おくれ。」

「はいよ。なんだってこんな安酒を買っていくんでい?」

「こらあな、顔に付けるんだよ。」
「は?」
「美顔剤さ。」
「ほう。」
「つやつやぺかぺかになるんだよ。」

「ふうん・・・」
「じゃあな。」


♪ふんふんふん♪

この酒があたしの美貌の元なのさ。ふんふんふん♪




・・・・・



「きよこばあさん。」

「わあ。しんたか。なにかようかい?」

「妖怪はきよこ婆さんだろ・・・」

「何か言ったかい?」

「いやいやいや・・・この前約束した所へ今日ご招待するで、連れに来たんだよ。」

「ああ?やなこった。」

「きよこ婆、」
「あ。松江婆。」
「一緒に良い所に連れてってくれるって言うから、来たんだが。」
「おめえ・・・いつかだまされて身ぐるみ剝がされるで・・・。」

「いやだよ。あたしの裸、そんなに見たいのかい?」

「いやいやいや・・・しまっといてください。さあ、二人とも行きますよ。」
「待て、源爺は?」


「あんたさん達も行くんですかいの?」

「い・・・いつのまに・・・」


「でんちゅうでござる。みんなでしんちゃんについていくでござる。」

意味分からん爺だぜ・・・お・・そう言えば、

「頼子も連れて行くんじゃなかったんか?」

「頼子さんは今回連れて行きません。次回お一人でご案内する予定です。」

おおおおお・・・大丈夫か?


「さあ。いきますよぉ・・・」



ぼよよよよよよ~~~~~~~~ん


何とも間抜けた音だのう?







・・・


なんだい?

「暑いのう?」
「松江婆もそう思うかい?」
「わしもあついのじゃ・・」


「しんちゃん?」

「皆様、右手をご覧ください。」


・・・・・

「しわしかねえぞ。」
「豆もあるでよ。」
「指紋があるぞい。」


・・

「いやいやいや。右の方をご覧ください。」
「なんだ。早くそう言えや。」
「そうだそうだ。」
「しんちゃん、分かりやすく頼むでござる。」

「こ・・・こいつら・・・本気なんか?」

「なんか言ったかい?」
「いえいえ。右側に見えますのが、かの有名な地獄の釜でございます。」

「へえ?」
「暑いだけだのう。他のとこはないのかい?」


「ええ。こちらは針の山で・・・」

「おおおお。すげえ。立派な針だのう。」
「珍しいでござる。1本抜いてお土産にするでござる。」

「ああああ。駄目だよ源ちゃん、勝手に抜こうとしては。」
「駄目でござるか?」
「駄目。」


「おほん。こちらこそ有名な血の池地獄・・・」

「おおおお。真っ赤だぞい。」
「来ている者が真っ赤にそまっとるのう。この服も染まるかいな?」

「ああああ。松江婆、シャツを脱がないでください。」
「なあに、さっきは裸を見たがってたでねえか。」
「いやいやいや・・・違います。」

「身ぐるみ剝がすんじゃねえのか?」



「ああ、もう。こちらのご馳走の所へご案内しますから、そこから離れてください。」






・・・



「ほう。凄いご馳走の山だのう?」
「ずいぶんご馳走から離れとるのう・・・」
「はい、箸です。」
「長えのう?」
「でんちゅうみたいでござる・・・」
「この長え箸をどうしろと?」
「これであのご馳走をお食べください。」


へえ・・・・

「おい。取り皿をくれ。」
「は?」
「取り皿だよ。」

「そんなモノを要求した亡者は今のところいないのですが・・・・」

「皿がなきゃ置けねえだろう。」

「・・・・・」
「・・・・・」



つかえねえなあ。しんた。
ほんとだよ。
でんちゅうでござる・・・

つきさして持って来たらどうだ?
そりゃ良い考えだな。

ぶつぶつ・・・

「何をひそひそ言ってるんですか?」
「いや。ありがたく食わせて貰うさ・・・」




「ああああ。突き刺して手元に引き寄せてる・・・あれあれ・・・・」




「おお、なかなかうめえぞい。松江婆そっちの赤いのは何だったい?」
「分からんが、美味かった。」
「どれどれ・・・ぶすっとな・・・ひょいひょいひょい・・・とな。手元に持ってきて・・・ぱくり。」


おおおお!!うまい美味い。源爺食ってるか?

「でんちゅうでござる・・・・うまいでごある・・・」



 こいつら・・・食ってる・・・大体食えなくて落とすのに・・・極楽にいる奴らとまた違う食いかただ・・・・こんなのを亡者どもに見つかったら、飢餓地獄じゃなくなっちまう・・・・まずい・・・

「まずくねえぞ。うめえ。」




「おほん。そろそろツアーも終わりです。家に帰る時間となりました。」

「ええ?もうかよ?」
「もっとくいてえぞい。」
「でんちゅうでござる。食いたいござる。」


「いやいやいや・・・・もう時間です・・・」





まて・・・






はっ・・・ここはどこだい?公園じゃないか?

ブランコのとこにいるのは・・・松江婆と源爺・・・・何を惚けているんだい?

「さっきまでご馳走があったと思ったんだがのう・・・」
「ほんにのう・・・」

「3人で同じ夢を見た?」

「きよこ婆も?」
「松江婆も?」
「源爺もか?」



・・・・うううん・・・・・(-_-;)(-_-;)(-_-;)・・・・・



「源爺さん!!!」

「わあああああ!!!よりこぉ」

おおお。逃げてく逃げてく・・・何か悪いことでもしたんかい?

「きよこばあさんも。松江婆さんも、2日もどこに行っていたんですか?」

「ああ?」

「杉婆さんも血眼になって探してましたよ。」


・・・・・


夢じゃなかったんかい?

 

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