どうせクソババアと言われるなら,徹底的にクソババアになってやる・・・

猫山

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42 なんだって?通信障害とは怖いいも?

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 やれやれ。源爺はどうなったんかいねえ・・・


 どっこいしょ・・・とことこ・・・


おやあ?
 
「よしこ、なにしてるんだ?」

 げっ

「なんかいったかい?」

「なんにも・・・」

「何をそんなに黄昏れているんだい?」

「電話が来ないの。」

「電話?」

「待ち合わせの時間になったのに来ないの。」

「だれが?」

「焼き芋の屋台よ。」

 おお。そう言えば、弟が焼き芋屋を始めたんだったな・・・



「注文が来てるのに、電話しても繋がらないし・・折り返しも来ないのよ・・・・」



 たったっったったっっっ・・・


 おや。あっちから来るのは・・


「あ。たかちゃああああああん。」

 コンビニ店員たかしだ。何を焦っているんだろう?

「よしこちゃん。通信障害だよ。」

 つうしんしょうがい?

「それはなんだ?」

「出たな、妖怪・・・じゃないきよこおばあさん。」

「たかちゃん、障害ってどうすればいいの?」

「いや、今あたしが質問してるんだが・・・」

「通じないんですよ。」

「通じねえ?」

「ああ。この妖怪にも通じねえ!!」

なんだって?

「別の通信手段があれば良いんだが・・・」

「あ。あの子もタブレット持ってるわ。」

「そこに連絡できるかい?」

・・・・・・無視かい?無視なんかい?






 おやおや。普通の会話じゃねえか。ちゃんと話が出来るんだなあ。


・・・


「話が続くようだし、あたしゃ失礼するよ。」




とことこ・・・


おや?


「電柱でござる。通信障害で生涯になりそうでござる。」

「意味が分からんわ。」

「さっき、しんちゃんから久しぶりに電話が来たのじゃ。」


・・・・


「ええええ(゜Д゜)」

 そりゃ怖ええええ・・・霊界から電話が来るのが通信生涯なのか?

「たまに白い犬からもかかってくるのじゃ。何か知らんがわんわんちゅうてな。」

 犬とな?なんとまあ・・・


「誰の電話に掛かってくるんだい?」

「たろうの携帯じゃ。」


・・・・たろうの?あんなにちいせえのに持たせてるのか?変だぜ?

「たろうのはおもちゃ箱にいつもはいっとってなあ。拾い出してつこうてると、おこるんじゃ。」


なんだ。おもちゃか・・・

「あれを使うとしんちゃんとこに繋がるんじゃ。討ち入りの相談もちゃんとしたぞ。」

・・・まだ討ち入りにこだわってんのかい・・・

「決行は15日じゃああ!!!頼子めええええ!!!」



 あれあれ・・走ってちゃった・・・頼子の所に討ち入りするんかい。返り討ちに遭うのが関の山だろうに・・・

 頼子に教えとこうか・・・いやいや・・・こっそり見ていた方が面白そうだのう。


 通信生涯ったあなんだ?通信だから、霊界と繋がったのけえ?生涯霊界と話せる特典が付いたって事かあ・・源爺、すげえな・・・


 とことこ・・・おや?また・・・




「大損だわあ。」

「なんてこった!!」


 わ~~~んわ~~~~ん

 にゃああにゃああ


 え~~んえ~~ん

 わあわあ

 焼き芋の屋台の前で泣く男女と犬と猫・・・・・・面倒なことになりそうだ・・・こそこそ・・・


「あ。妖怪じゃない、きよこ婆さん。」
 見つかっちまった・・・


「おほん。どうしたい?」

「どうしたもこうしたも・・・電話が繋がらなかったおかげで焼き芋100本売り損ねたんですよ。」

「おやおや・・・」

「この芋をこれから売って歩かなくちゃ・・・」




こそこそ・・・


「買ってくれませんか?」


ぐいぐいぐいっとな

 迫ってきたあ!!!♡
 
・・・だが・・・いくらいい男でも鼻息が荒いぞい!!

「・・・・ぐううう・・・しかたねえ。4本おくれ・・・・」


・・・



とことこ・・・偉い散財だったぜ。


まあいいや。あったけえ・・・芋でも持って松江婆の所に行くか・・・・






ごめんよ。

「ゴメンですめば、けーさつはいらないよ!」

どっかで聞いたことあるな。


「なんだ。きよこ婆か。」

「松江婆いるかい?」

「ああ。松江婆、きよこ婆だよ~~」


おや、今日は素直に呼んでくれるね。



「おおきたか。まあ芋でも食いな。」



あれあれ?

「さっきよしこに売りつけられたのよ。」

ざるに山盛りも・・・・・  

「何でも通信障害で売りに来たんだとさ。」

おやおや・・・だがここでださねえと一人で食うはめになるわ

「あたしも持ってきたんだよ。」

「おやおや・・・・」




・・・・・・


 もぐもぐ・・・
 
 もっと食えって?

そりゃあ無理だよ。まあ食え・・・



・・・・・



「み・・・み・・・」

「水を・・・み・・・」


うぐうぐうううううう



「松江婆?きよこ婆?」



ぴーぽーぴーぽー



「芋を喉に詰まらせたって?ちゃんと水とかお茶を飲みながら、少しずつ食べてくださいよ。お年寄りには危ないですからね。」


「お騒がせしました。」

「正月の餅にも気をつけさせてくださいね。」

「はい。」



・・・・いやあ。ひでえめにあった・・・通信どころか自分が霊界に行く所だったわ・・・当分芋はいいわ・・・通信障害怖い・・・



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