2 / 53
2今時の子
しおりを挟む
やあ。あたしゃきよこババアだ。
・・・・・ごめんよ。
何謝ってるだって?謝っちゃいねえさ。尋ねてきたんだろうがよ。何?分かってるって?おまえも大概意地の悪い婆さんになったね。
そんなことはどうでもいいや。松江ばあさん,今日はいたんだね。おや。娘の杉ばあさんも一緒かい?え?杉ばあさんと言うな?じゃあ,杉ババアだな。
よっこらしょ。お邪魔するよ。気が利かないねえ。茶位持ってきな。
・・・・
・・・・ずずずずず・・・まあまあかね。前より美味く入れられるようになったね。
は?なんだい?松江ばあさん?ほう。とっくんしたのかい。ははは
そういえばさ,昨日は、すうぱあに行ったんだよ。すうぱあってとこはなんだね・・・なんであんなに寒いんだい?
は?れいぼう?氷で冷やすやつだね。違うって?へえ・・・えあこんねえ。杉ばあさんは物知りだのう・・・
ま・・そんなんどうでもいいんだよ・・寒いんだよ。すうぱあってとこはさ。夏だってのに。
慌てて家に帰ってさ,あたしゃはんてん着ていったよ。行く道々熱くてさ。道行く人に変な顔で見られたんだよ。汗だらだらになって着いたんだけどさ。やっぱり寒かったよ。はんてん最高だね。え?行き帰り?暑いわなあ・・・ま。仕方ないじゃないかね。全く困ったもんさね。
そう言えば,寒いで思い出したけどさ。この前バスに乗ったんだよ。おお。それそれ。あの大きい車な。最近色が変わってさ。昔はくりいむ色だったって思ってたんだがいつの間にかつーとんからあって奴になってたんだよ。なんなんだい。あの色は。気に入らないねえ。一色でいいじゃないかい。
え?寒いと全然関係ないって?まあそうだね。続きも聞いとくれよ。
ちょうどあたしが乗ってた,そのばすとやらに・・小学生の集団が乗り込んできたんだよ。二年生かねえ。三年生かねえ・・・近くの商店街に見学に行くとかでさ。2~30人はいたかな。今時の子どもはおとなしいかと思っていたら,これが五月蠅いのなんのって。
あれは親のしつけが悪いんか,先生の言うこと聞かせられねえ先生が悪いんか?どっちだ?
あ?松江ばあさんは,先生だってか?
あたしゃ親のしつけだと思うんだがね。
え?杉婆はどっちでも良いって?
まあどっちでもいいって言えばそうだけどさ・・・続けて良いかい?
そしたらばすの中で喧嘩を始めたのさ。それも男の子じゃないんだ。女の子同士だ。喧嘩してるのはさ。
取っ組み合ってんだよ。あり得なくないかい?公共のとこだろ,ばすって。
先生も困ってたな。気の弱そうな先生だったから,あたしゃ代わりに一喝させて貰ったよ。一瞬で空気が凍ったのは何故だろうねえ。寒くなったって言ってる子どもがいたんだけどねえ。ちっとも寒くなかったのさ。
そしたら降りるとき、妖怪とか、クソババアって声が・・・確かに聞こえたよ。ふん。
あたしかい?
ばすで?
ああ。整形外科って所に行ったんだよ。そしたらさ,世の中,暇な年寄りが多いんだねえ。あたしみたいなババアとジジイばっかりだったよ。
若くてぴちぴちの子?ああ。いたね。骨折したってピイピイ泣いてた子。お母さんが困ってたな。泣いても痛いのは治まんないだろうにねえ。
あんまり五月蠅いから怖い顔してにらみつけてやったら、ますます泣くんだよな。にらまれたら,普通静かになるだろ?
え?ならないって?
そうかい?
何?怖くて泣いた?
は。今時の子がババアを怖がるもんかい。
あんたはいるだけで怖いって?そりゃ、褒めてるのかい?訳ねえって?どういうことだ?
せまるな?迫るもんかい。ババアに迫ってどうする。迫るんなら、あたしゃ若い男が良いねえ。なに?痴女?なんだそれは?褒めてるのかい?
は・・まあそんなことはどうでもいいや。なあ、松江婆さん、整形外科はいいよぉ。あんたも行こうよ。温かい電気で背中は温めてくれるしさ。手を取って案内してくれるしさ。お湯に手を浸けてリハビリってのもしてくれるよ。うんうん。マッサージ器ってのもあったよ。
おおそうだ。乗って寝転ぶと船みたいにゆらゆらしているくせに下をローラーが回ってマッサージしてくれるもんもあったよ。そうそう。極楽極楽。
なんだあ?杉婆?地獄行きだろうって?訳の分からんことばかり言うな。
耄碌したんかえ?あ?まだ70だ?88と幾つも変わらんだろうが。
何怒ってる?70も80も大して変わらん。
なあ、松江婆さん?なに?80も90も変わらねえって?
じゃあ、松江婆さんも、あたしも、杉婆もみんな同じかい。ははははは・・・・
ははははは。じゃあそろそろ帰るわ。また明日な。
なに?だれだ?来るなって言ったんは!!!
明日は皮膚科に行くでな。その次は眼科かな・・・・
おお。松江ばあさん。いいぜ。一緒に行こうぜ。
・・・・・ごめんよ。
何謝ってるだって?謝っちゃいねえさ。尋ねてきたんだろうがよ。何?分かってるって?おまえも大概意地の悪い婆さんになったね。
そんなことはどうでもいいや。松江ばあさん,今日はいたんだね。おや。娘の杉ばあさんも一緒かい?え?杉ばあさんと言うな?じゃあ,杉ババアだな。
よっこらしょ。お邪魔するよ。気が利かないねえ。茶位持ってきな。
・・・・
・・・・ずずずずず・・・まあまあかね。前より美味く入れられるようになったね。
は?なんだい?松江ばあさん?ほう。とっくんしたのかい。ははは
そういえばさ,昨日は、すうぱあに行ったんだよ。すうぱあってとこはなんだね・・・なんであんなに寒いんだい?
は?れいぼう?氷で冷やすやつだね。違うって?へえ・・・えあこんねえ。杉ばあさんは物知りだのう・・・
ま・・そんなんどうでもいいんだよ・・寒いんだよ。すうぱあってとこはさ。夏だってのに。
慌てて家に帰ってさ,あたしゃはんてん着ていったよ。行く道々熱くてさ。道行く人に変な顔で見られたんだよ。汗だらだらになって着いたんだけどさ。やっぱり寒かったよ。はんてん最高だね。え?行き帰り?暑いわなあ・・・ま。仕方ないじゃないかね。全く困ったもんさね。
そう言えば,寒いで思い出したけどさ。この前バスに乗ったんだよ。おお。それそれ。あの大きい車な。最近色が変わってさ。昔はくりいむ色だったって思ってたんだがいつの間にかつーとんからあって奴になってたんだよ。なんなんだい。あの色は。気に入らないねえ。一色でいいじゃないかい。
え?寒いと全然関係ないって?まあそうだね。続きも聞いとくれよ。
ちょうどあたしが乗ってた,そのばすとやらに・・小学生の集団が乗り込んできたんだよ。二年生かねえ。三年生かねえ・・・近くの商店街に見学に行くとかでさ。2~30人はいたかな。今時の子どもはおとなしいかと思っていたら,これが五月蠅いのなんのって。
あれは親のしつけが悪いんか,先生の言うこと聞かせられねえ先生が悪いんか?どっちだ?
あ?松江ばあさんは,先生だってか?
あたしゃ親のしつけだと思うんだがね。
え?杉婆はどっちでも良いって?
まあどっちでもいいって言えばそうだけどさ・・・続けて良いかい?
そしたらばすの中で喧嘩を始めたのさ。それも男の子じゃないんだ。女の子同士だ。喧嘩してるのはさ。
取っ組み合ってんだよ。あり得なくないかい?公共のとこだろ,ばすって。
先生も困ってたな。気の弱そうな先生だったから,あたしゃ代わりに一喝させて貰ったよ。一瞬で空気が凍ったのは何故だろうねえ。寒くなったって言ってる子どもがいたんだけどねえ。ちっとも寒くなかったのさ。
そしたら降りるとき、妖怪とか、クソババアって声が・・・確かに聞こえたよ。ふん。
あたしかい?
ばすで?
ああ。整形外科って所に行ったんだよ。そしたらさ,世の中,暇な年寄りが多いんだねえ。あたしみたいなババアとジジイばっかりだったよ。
若くてぴちぴちの子?ああ。いたね。骨折したってピイピイ泣いてた子。お母さんが困ってたな。泣いても痛いのは治まんないだろうにねえ。
あんまり五月蠅いから怖い顔してにらみつけてやったら、ますます泣くんだよな。にらまれたら,普通静かになるだろ?
え?ならないって?
そうかい?
何?怖くて泣いた?
は。今時の子がババアを怖がるもんかい。
あんたはいるだけで怖いって?そりゃ、褒めてるのかい?訳ねえって?どういうことだ?
せまるな?迫るもんかい。ババアに迫ってどうする。迫るんなら、あたしゃ若い男が良いねえ。なに?痴女?なんだそれは?褒めてるのかい?
は・・まあそんなことはどうでもいいや。なあ、松江婆さん、整形外科はいいよぉ。あんたも行こうよ。温かい電気で背中は温めてくれるしさ。手を取って案内してくれるしさ。お湯に手を浸けてリハビリってのもしてくれるよ。うんうん。マッサージ器ってのもあったよ。
おおそうだ。乗って寝転ぶと船みたいにゆらゆらしているくせに下をローラーが回ってマッサージしてくれるもんもあったよ。そうそう。極楽極楽。
なんだあ?杉婆?地獄行きだろうって?訳の分からんことばかり言うな。
耄碌したんかえ?あ?まだ70だ?88と幾つも変わらんだろうが。
何怒ってる?70も80も大して変わらん。
なあ、松江婆さん?なに?80も90も変わらねえって?
じゃあ、松江婆さんも、あたしも、杉婆もみんな同じかい。ははははは・・・・
ははははは。じゃあそろそろ帰るわ。また明日な。
なに?だれだ?来るなって言ったんは!!!
明日は皮膚科に行くでな。その次は眼科かな・・・・
おお。松江ばあさん。いいぜ。一緒に行こうぜ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

猫又の恩返し~猫屋敷の料理番~
三園 七詩
キャラ文芸
子猫が轢かれそうになっているところを助けた充(みつる)、そのせいでバイトの面接に遅刻してしまった。
頼みの綱のバイトの目処がたたずに途方にくれていると助けた子猫がアパートに通うようになる。
そのうちにアパートも追い出され途方にくれていると子猫の飼い主らしきおじいさんに家で働かないかと声をかけられた。
もう家も仕事もない充は二つ返事で了承するが……屋敷に行ってみると何か様子がおかしな事に……
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる