9 / 11
再び訪れる異変
しおりを挟む
バラルと別れたトイは部屋に入るなり、床に大の字で寝転がった。
ようやく身体を休められる…。
『トイ、今はなんとも無いのか?』
「うん、これといって。ふぁ~あ…眠」
本格的に寝る前にお風呂に入りたい。
確か…、個室はお風呂も完備されてるってムルーク王が言ってたはず。
「ベタベタするからお風呂入ってくる。」
『風呂で寝るなよ』
「…自重するよ」
『ーおい、本気で寝るつもりか?』
「大丈夫だよ、だいじょうーぶ。って…何?
何で今、担がれてる?」
『俺が運んでやる。』
「冗談を真に受けとるよーこの魔神は。
しかも荷物扱いって…」
『いいから運ばれてろ。
風呂場の外で待ってやる、行ってこい。』
反論も受け付けないときた。
…タオルと着替え、中に持っていこ。
★★★
「ふぅ~~…。気持ちいい…。」
やっぱりお風呂はいいね、特に疲れた後のお風呂は最高。
そう言えば風呂つきの個室を希望した時、ムルーク王は不思議そうに「物好きだな。」と言われた気がする。
ここの人はあまりお風呂を好まず、シャワーでさっぱりしたい派が占めている…勿体ない。
とぼんやり考えつつ、身体を伸ばす。
お風呂を堪能した後、肌触りの良いタオルで身体を拭く。
何これ…凄くふわっふわしてる。
事前に用意されていた服は残念なことに腰に巻く布だけしかなかった。
(…………いやいや、男になりきると決めたけどね、腰布だけはちょっと…。他に無いかな??)
ここへ来るときは、大きい布を体に巻き付けてきたから問題なかった。サラシで胸を固定し代わりになる物を探すこと5分。
足拭きマット用に洗濯されていた厚手で大きい布を左寄りの中央で切り、頭からそれを被った。
(思ったよりこの布、軽い…)
軽いならもう一枚拝借しよう。
先程とは逆に右寄りの中央を、今度は少し大きめに切り胸より下で固定出来るようにした。
「お待たせ、アーク。」
『遅かったな、あと数分遅ければ突入もやむ得ないと想っていたが…。
それはトイの世界で着用されている服なのか?』
「突入の前に声かけよ?絶対、声、かけて。
これは民族衣装で似たような服装は見たことあってね、これだけじゃ心許ないから作ってみた。」
腰布を指さす。
『確かにな…トイの言いたいことは察した、日除けなどと誤魔化せば問題あるまい。これからはそれで過ごせ。』
「そのつもりだよ。
明日にでもムルーク王に良いかどうか…聞かな…、い…と?」
『トイ!!』
ふいに身体の力が抜け、私は近くにいたアークにしがみつく。
今のは何?突然どうした私の体!?。
えーっと、つまりこれがアークの言っていた月の加護の影響??
ふと、月が視界に入った。
あ、今日は月が出ているからか。
でもいきなり来るねっていうか、あの綺麗な人誰?どっから現れたっ!?
大きな鏡に映る美女が混乱した様子でアークにしがみついていた。
頭上からアークの声が聞こえる。
『だから俺が傍にいて良かっただろ?』
「え…じゃあ、あれって…。」
『月の加護を身に宿したお前の姿だ。』
…嘘でしょ?あれが??っいやいやいや、何で?
いくらなんでも変わりすぎでしょ!?身長や骨格まで変わってんじゃん!!
171㎝あるはずなのにどう見てもちっさ、可愛いけどさ!
「………うん、考えるの止めて寝る。」
『そうしろ、考えるだけ無駄だ。
…立てるか?』
「今は何ともない、平気。
ただ、自分が別人なくらい美人になったからまるで怖い夢に出てくる幽霊になった気分…。」
『ブフッ。』
あ、アークが吹いた。
『ハハッ、何だその分かりづらい例えは!』
魔神でもお腹抱えて笑うんだ。
笑いが収まりそうにないアークを脱衣室に置いていき、用意されたベッドに沈む。
今日も色々ありすぎて疲れたな…。
明日も仕事、頑張ろ。
『ゆっくり休め、トイ。』
あれ…なんだ、来てたの。
あー…ごめん、瞼が重いし今ものすごく眠いから寝るね。
お休み、アーク。
ようやく身体を休められる…。
『トイ、今はなんとも無いのか?』
「うん、これといって。ふぁ~あ…眠」
本格的に寝る前にお風呂に入りたい。
確か…、個室はお風呂も完備されてるってムルーク王が言ってたはず。
「ベタベタするからお風呂入ってくる。」
『風呂で寝るなよ』
「…自重するよ」
『ーおい、本気で寝るつもりか?』
「大丈夫だよ、だいじょうーぶ。って…何?
何で今、担がれてる?」
『俺が運んでやる。』
「冗談を真に受けとるよーこの魔神は。
しかも荷物扱いって…」
『いいから運ばれてろ。
風呂場の外で待ってやる、行ってこい。』
反論も受け付けないときた。
…タオルと着替え、中に持っていこ。
★★★
「ふぅ~~…。気持ちいい…。」
やっぱりお風呂はいいね、特に疲れた後のお風呂は最高。
そう言えば風呂つきの個室を希望した時、ムルーク王は不思議そうに「物好きだな。」と言われた気がする。
ここの人はあまりお風呂を好まず、シャワーでさっぱりしたい派が占めている…勿体ない。
とぼんやり考えつつ、身体を伸ばす。
お風呂を堪能した後、肌触りの良いタオルで身体を拭く。
何これ…凄くふわっふわしてる。
事前に用意されていた服は残念なことに腰に巻く布だけしかなかった。
(…………いやいや、男になりきると決めたけどね、腰布だけはちょっと…。他に無いかな??)
ここへ来るときは、大きい布を体に巻き付けてきたから問題なかった。サラシで胸を固定し代わりになる物を探すこと5分。
足拭きマット用に洗濯されていた厚手で大きい布を左寄りの中央で切り、頭からそれを被った。
(思ったよりこの布、軽い…)
軽いならもう一枚拝借しよう。
先程とは逆に右寄りの中央を、今度は少し大きめに切り胸より下で固定出来るようにした。
「お待たせ、アーク。」
『遅かったな、あと数分遅ければ突入もやむ得ないと想っていたが…。
それはトイの世界で着用されている服なのか?』
「突入の前に声かけよ?絶対、声、かけて。
これは民族衣装で似たような服装は見たことあってね、これだけじゃ心許ないから作ってみた。」
腰布を指さす。
『確かにな…トイの言いたいことは察した、日除けなどと誤魔化せば問題あるまい。これからはそれで過ごせ。』
「そのつもりだよ。
明日にでもムルーク王に良いかどうか…聞かな…、い…と?」
『トイ!!』
ふいに身体の力が抜け、私は近くにいたアークにしがみつく。
今のは何?突然どうした私の体!?。
えーっと、つまりこれがアークの言っていた月の加護の影響??
ふと、月が視界に入った。
あ、今日は月が出ているからか。
でもいきなり来るねっていうか、あの綺麗な人誰?どっから現れたっ!?
大きな鏡に映る美女が混乱した様子でアークにしがみついていた。
頭上からアークの声が聞こえる。
『だから俺が傍にいて良かっただろ?』
「え…じゃあ、あれって…。」
『月の加護を身に宿したお前の姿だ。』
…嘘でしょ?あれが??っいやいやいや、何で?
いくらなんでも変わりすぎでしょ!?身長や骨格まで変わってんじゃん!!
171㎝あるはずなのにどう見てもちっさ、可愛いけどさ!
「………うん、考えるの止めて寝る。」
『そうしろ、考えるだけ無駄だ。
…立てるか?』
「今は何ともない、平気。
ただ、自分が別人なくらい美人になったからまるで怖い夢に出てくる幽霊になった気分…。」
『ブフッ。』
あ、アークが吹いた。
『ハハッ、何だその分かりづらい例えは!』
魔神でもお腹抱えて笑うんだ。
笑いが収まりそうにないアークを脱衣室に置いていき、用意されたベッドに沈む。
今日も色々ありすぎて疲れたな…。
明日も仕事、頑張ろ。
『ゆっくり休め、トイ。』
あれ…なんだ、来てたの。
あー…ごめん、瞼が重いし今ものすごく眠いから寝るね。
お休み、アーク。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
甘々に
緋燭
恋愛
初めてなので優しく、時に意地悪されながらゆっくり愛されます。
ハードでアブノーマルだと思います、。
子宮貫通等、リアルでは有り得ない部分も含まれているので、閲覧される場合は自己責任でお願いします。
苦手な方はブラウザバックを。
初投稿です。
小説自体初めて書きましたので、見づらい部分があるかと思いますが、温かい目で見てくださると嬉しいです。
また書きたい話があれば書こうと思いますが、とりあえずはこの作品を一旦完結にしようと思います。
ご覧頂きありがとうございます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixabay並びにUnsplshの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名などはすべて仮称です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる