悪役令嬢は家族に支えられて運命と生きる

西 ゆう

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その後授業を受け、ランチの時間になり兄リチャードが教室まで迎えに来てくれた。
「初めての学園で疲れてないかい?
体調悪かったらすぐに言うんだよ。
変な事されてない?お兄様がお仕置きするから教えてね?」
エリーナを心配している。

「心配し過ぎですわ。皆様良くしてくださってます。
あっ明日お友達とランチの約束もしたんです」

「そうか。クラスに馴染めて良かったね」
ほっと息を吐いた。

周りに居たいクラスメートを見ながら
「エリーナの事よろしく頼む」
と声を掛けて、教室を出て行った。
それを人々は微笑ましそうに見ていた。

兄とランチを取っていると、その場にアルフォンスと真凛が入って来た。

エリーナ達の前を通る時
「エリーナは今日だったのか?」
と声掛けてきた。
「ごきげんよう。
今日から復学させて頂いております」
とカーテシをしながらエリーナは答えた。
「私に迷惑をかけない様に」
と言いその場を離れて行った。
それを見た真凛はニヤリと笑い、
「アル様、今日のランチは何にしますぅ~」
とアルフォンスの腕を触りながら厨房の方に歩いて行った。

その光景を見た者達は
「やっぱり仲が悪いんだな」
「あの2人の方が恋人みたいだ」
と様々な悪口を言っていた。

「エリィ大丈夫かい?」
心配そうにリチャードはエリーナを見ていた。
「大丈夫です」
と悲しい顔で笑いながら答えた。

ランチの事を引きずりながらも、午後の授業をどうにか終え、家に帰って来たエリーナは部屋で1人で

やっぱりアル辛いよ。
あんな光景見たく無いよ。
誰にも触らせないで!
私のアルなのに………

涙を浮かべながらアルフォンスの事を想っていた。

部屋をノックする音が聞こえ、涙拭いて顔を作ったエリーナの所に、リチャードが
「そろそろ行く時間だよ」
「分かりました。今出ます」
と返事返して、部屋を後にした。
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