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幼馴染のお姉ちゃん!(回顧録 小学生)
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「大和君! み~つけた!!」
ムギュ~~!!
学校が終わり自宅に着いた私は、ランドセルを下ろして玄関の前で鍵を取り出していたのだが、突然背後から抱きしめられた。背中に当たるムニュムニュとした柔らかい感触が心地良いが、恥ずかしさの余り声を上げてしまった。
「や、やめてよ、由佳ちゃん! 恥ずかしいよ!」
「こらっ、大和君! 由佳ちゃんじゃなくて、由佳お姉ちゃんでしょ! ふふっ! 本当に大和君は可愛いな~」
すりすりっ♪
私の背後から抱き付き、匂いを擦り付けているのは、二つ年上の伊勢由佳ちゃんである。青いリボンで結んだふんわりとしたポニーテールが特徴のちょっと変わった美少女である。
彼女の口癖は『可愛い妹か弟が欲しい』であり、隙あらば抱きついてくるのであった。
由佳ちゃんとは幼馴染で家も隣のため仲は良いが、異性に興味を持ち始める年頃だった私には刺激が強すぎたのであった。
「そうだ、大和君! 今度、スカートを穿いてリボンを付けてよ。妹になった大和君も可愛いだろうな! えへへっ♡」
「やだよ! 僕は男なんだからスカートなんて穿きたくないよ!」
「大和君なら絶対に似合うよ! 私のお古の服を持ってくるから、ちょっと待っててよ」
「由佳ちゃん! 僕は凄い能力に目覚めたんだよ。変な事すると由佳ちゃんの秘密をばらしちゃうよ!」
「へぇ~! 面白そうね。やって見せてよ」
興味深そうな顔でクスッと微笑み、悪戯な瞳を向けてくる由佳ちゃん。可愛らしい中にも色気を含んだ笑みに思わずドキッとしてしまうが――このまま弄られるのは癪だと考えた私は、彼女に手の平を向けて精神を集中させるのであった。
「由佳ちゃんは上下とも青い縞模様の下着だね」
「な、な、な、なに適当な事を言ってるのかな~!」
慌てて胸元を両手で押さえ、みるみると由佳ちゃんの顔は朱色に染まっていく。彼女が、恥ずかしげに動揺するという珍しい事態を見た私は、調子に乗って更に透視を続けるのであった。
「由佳ちゃんの右のおっぱいの下に、小さいホクロ……むぎゅ~~!」
「大和君! 本気で怒るよ!!! いつ、お姉ちゃんの着替えを覗いたのかな~!?」
「痛い、痛い! の、覗いてなんていないよ! これは透視と言う超能力で……」
ギロッ!
ほっぺたを手で抓られ、目じりを吊り上げた彼女の長々と続くお説教は、私にとって忘れられないトラウマになるのであった。
「まったく、お姉ちゃんは大和君をそんなHで悪い弟に育てた覚えは無いんだけど!」
――由佳ちゃんに育てられた覚えは無いんだけど……
全力でツッコミを入れたい所であったが、後が怖いので出掛かった声を必死に飲み込むのであった。
「由佳! いい加減にしなさい!!」
隣家の家の窓が開き、由佳ちゃんの母親である真理子さんの声が響き渡る。
「え~~! だって大和君が悪いんだよ!」
「え~~! じゃありません! 早く家の手伝いと宿題をやりなさい」
頬を膨らませて、不機嫌そうな由佳ちゃんを横目に真理子さんに頭を下げ挨拶していると、彼女が私の耳元でそっと呟いてきた。
「大和君。今回は許してあげるけど、女の子の前で変な事を言ったらダメだよ!」
「ごめん、由佳ちゃん! これからは気をつけるよ……」
「ふふっ! 素直な大和君は好きだよ! ちゅっ♡」
おでこに由佳ちゃんの薄桜色の愛くるしい唇が軽く触れる。顔が紅潮しドキドキが止まらない。動揺している私を尻目に走り去っていく由佳ちゃんであったが、途中で踵を返すとクスッと優しく微笑みかけてきた。
切なくも温かい感情が込み上げてくる。
彼女を異性として意識して、ほのかな恋心を抱いたのはこの時である。
ムギュ~~!!
学校が終わり自宅に着いた私は、ランドセルを下ろして玄関の前で鍵を取り出していたのだが、突然背後から抱きしめられた。背中に当たるムニュムニュとした柔らかい感触が心地良いが、恥ずかしさの余り声を上げてしまった。
「や、やめてよ、由佳ちゃん! 恥ずかしいよ!」
「こらっ、大和君! 由佳ちゃんじゃなくて、由佳お姉ちゃんでしょ! ふふっ! 本当に大和君は可愛いな~」
すりすりっ♪
私の背後から抱き付き、匂いを擦り付けているのは、二つ年上の伊勢由佳ちゃんである。青いリボンで結んだふんわりとしたポニーテールが特徴のちょっと変わった美少女である。
彼女の口癖は『可愛い妹か弟が欲しい』であり、隙あらば抱きついてくるのであった。
由佳ちゃんとは幼馴染で家も隣のため仲は良いが、異性に興味を持ち始める年頃だった私には刺激が強すぎたのであった。
「そうだ、大和君! 今度、スカートを穿いてリボンを付けてよ。妹になった大和君も可愛いだろうな! えへへっ♡」
「やだよ! 僕は男なんだからスカートなんて穿きたくないよ!」
「大和君なら絶対に似合うよ! 私のお古の服を持ってくるから、ちょっと待っててよ」
「由佳ちゃん! 僕は凄い能力に目覚めたんだよ。変な事すると由佳ちゃんの秘密をばらしちゃうよ!」
「へぇ~! 面白そうね。やって見せてよ」
興味深そうな顔でクスッと微笑み、悪戯な瞳を向けてくる由佳ちゃん。可愛らしい中にも色気を含んだ笑みに思わずドキッとしてしまうが――このまま弄られるのは癪だと考えた私は、彼女に手の平を向けて精神を集中させるのであった。
「由佳ちゃんは上下とも青い縞模様の下着だね」
「な、な、な、なに適当な事を言ってるのかな~!」
慌てて胸元を両手で押さえ、みるみると由佳ちゃんの顔は朱色に染まっていく。彼女が、恥ずかしげに動揺するという珍しい事態を見た私は、調子に乗って更に透視を続けるのであった。
「由佳ちゃんの右のおっぱいの下に、小さいホクロ……むぎゅ~~!」
「大和君! 本気で怒るよ!!! いつ、お姉ちゃんの着替えを覗いたのかな~!?」
「痛い、痛い! の、覗いてなんていないよ! これは透視と言う超能力で……」
ギロッ!
ほっぺたを手で抓られ、目じりを吊り上げた彼女の長々と続くお説教は、私にとって忘れられないトラウマになるのであった。
「まったく、お姉ちゃんは大和君をそんなHで悪い弟に育てた覚えは無いんだけど!」
――由佳ちゃんに育てられた覚えは無いんだけど……
全力でツッコミを入れたい所であったが、後が怖いので出掛かった声を必死に飲み込むのであった。
「由佳! いい加減にしなさい!!」
隣家の家の窓が開き、由佳ちゃんの母親である真理子さんの声が響き渡る。
「え~~! だって大和君が悪いんだよ!」
「え~~! じゃありません! 早く家の手伝いと宿題をやりなさい」
頬を膨らませて、不機嫌そうな由佳ちゃんを横目に真理子さんに頭を下げ挨拶していると、彼女が私の耳元でそっと呟いてきた。
「大和君。今回は許してあげるけど、女の子の前で変な事を言ったらダメだよ!」
「ごめん、由佳ちゃん! これからは気をつけるよ……」
「ふふっ! 素直な大和君は好きだよ! ちゅっ♡」
おでこに由佳ちゃんの薄桜色の愛くるしい唇が軽く触れる。顔が紅潮しドキドキが止まらない。動揺している私を尻目に走り去っていく由佳ちゃんであったが、途中で踵を返すとクスッと優しく微笑みかけてきた。
切なくも温かい感情が込み上げてくる。
彼女を異性として意識して、ほのかな恋心を抱いたのはこの時である。
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