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47.人騒がせな宣伝
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敷地内の施工は職人たちに任せて、私とリルルは近隣の人々の度肝を抜く宣伝を始める事にした。手始めに広告文字を吊り下げた巨大な風船を敷地内で掲揚することにした。これは高層ビルやマンションが少ない昭和の時代にはポピュラーであったが、時代と共に衰退していった宣伝方法である。しかしこの世界では類を見ない宣伝であった。空中に浮かんだ派手な風船と広告に驚き、敷地の周りに野次馬がわんさかと集まり始めた。
「ご主人様ぁ~、第一弾は大成功ですねぇ~♪ 次は街中でビラを撒くぅ~、チンドン屋をやりたいんですよぉ~。そしてご主人様にもゆるキャラに扮装して参加してもらいたいんですけどぉ~、構いませんかぁ~?」
巨大風船を使用した広告に手ごたえを感じたリルルは、早速次の手を考えているようだ。普段はエロに特化した痴女であるが、娼館の立ち上げには並々ならぬ決意を感じる。まったく、この情熱を他の事でも生かしてもらいたいものだ。
「ああ、構わないが、どんな感じのゆるキャラを考えているんだ? あんまり変なキャラは勘弁してくれよ」
「アハッ、ご主人様にはうってつけのキャラですよぉ~。2000年に1度だけ現れる奇跡のエロ妖精という設定でぇ~、名前はエロっしー。得意技は先走り汁ブシャー……いったぁ~い」
とんでもない下ネタをぶっ放すリルルにチョップをお見舞いしてやった。このアホサキュバスは船●市や、某マスコットキャラクターからクレームが来たらどうするつもりなのだろうか? 相変わらずとんでもない奴である。
「おいおい! あの集団は何だ? とんでもない美人ばかりじゃないか!」
「にゃはは、辺境伯様御用達の商館エチゴヤと、美人だらけの娼館ロンロンが近々同時開店だにゃ。逸品いっぱい、別嬪いっぱい。何のこっちゃに抹茶に紅茶。たった一度で勃った一同だにゃ」
突如現れた美女の行列に、貿易街アンチモンの男たちは我を忘れたように見惚れている。これはリルルの計画した宣伝の第二弾である街中での広告である。美女たちは娼館の従業員であり、リルルが選りすぐった精鋭中の精鋭である。先頭に立つ獣人のニャムが空中でクルリと回転しながらビラをばら撒いていく。セクシーな衣装に愉快なおしゃべり、人目を引いたパフォーマンスに触発され人混みができ始める。そしてエロの総元締めであるリルルも負けてはいなかった。ミニスカポリスのコスプレに扮装したリルルは、街を練り歩きながら秘かに風魔法を使用していた。偶然を装うように突風が巻き起こり、女性陣のスカートを捲り上げていく。これはマリリン・モ●ローの七年目の浮気や、小川●ーザの『Oh!モーレツ』のパクリであるが、いつの時代もどこの世界も男はパンチラには目が無いのだ。美女たちのセクシーな下着が見える度に、街の男たちは歓声を上げている。ちなみに私は、マーチングバンドの扮装でデッ●チャンのようにドラムを叩いているだけであった。
「アハッ、第二弾の広告も大性交……もとい大成功ですぅ~。スケベな男たちの心を、グッと鷲掴みにしましたねぇ~♪ ですがぁ~、まだまだ物足りませんねぇ~。クスクス、更なるカオスを巻き起こしたいのでぇ~、ご主人様ぁ~、次はピンクビラをジャンジャンお願いしますぅ~」
「う~ん、準備はしてあるが、こんなものばら撒いて大丈夫なのか? とんでもない事になりそうなのだが……」
「アハッ、やったもん勝ちですよぉ~。後は野で犯れ山で犯れですよぉ~」
「後は野となれ山となれだろ! はあ~、もう知らないからな」
私が取り出したのは、セミヌードや下着姿の従業員の画像がカラープリントされたピンクビラだ。これはブラックマーケットでデジタルカメラやパソコン、プリンターを購入して私が作成した物である。当然、この世界ではあり得ないぐらいにリアルでエッチな画像の印刷である。こんなものをばら撒けば、結果は火を見るよりも明らかであった。ビラを手に取った男たちは、ワナワナと震えながら驚愕の声を上げるのであった。
「な、な、なんだぁぁぁ! こんな精密な姿絵はあり得ないだろ! しかもエロい、エロ過ぎるだろ!」
「す、すげぇぇぇ、こんなにエロくていい女がたくさんいるのか! 娼館ロンロンだな、よし覚えたぞ!」
「んっ? 何々……このビラをオープニングセレモニーの時に持参したら、色々なサービスがあるだと! し、しかもエロもあり!」
「……!」
「何?」
「何だと!」
「おい! そのビラを俺様によこせ!」
「ふざけんな、冗談は顔だけにしろよ! その面で娼館に行ったらただの嫌がらせだろ!」
「はあはあ、リルルたん可愛い……」
「どけ! そのビラは俺のだ!」
「うぎゃーーーーっ」
「痛いじゃないか」
「バカ、やめろぉぉぉぉ」
リルルの狙い通りに辺りは大カオス状態に陥った。大の大人が殴り合いながら、ビラを奪い合っているのである。そしてどさくさに紛れて、従業員にお触りしようとする輩も現れたが、護衛の張遼ちゃんとレベッカがすべて張り倒していった。
「アハッ、強烈なアピールは出来ましたけどぉ~、ちょっとやり過ぎたみたいですねぇ~。そろそろマズそうなのでトンズラしませんかぁ~」
「お前なぁ、この状況で逃げるつもりなのか? 街でこんな騒ぎを起こしたら、私の所に辺境伯様から苦情がくるんだぞ」
「え~、私の尻拭いなんてぇ~、ご主人様にとって名誉以外なんでもないですよねぇ~」
「……駄目だこいつ。早く何とかしないと…」
リルルの発言に呆れながらも、結局は残りのピンクビラをばら撒いてこの場から遁走するのであった。
「ご主人様ぁ~、第一弾は大成功ですねぇ~♪ 次は街中でビラを撒くぅ~、チンドン屋をやりたいんですよぉ~。そしてご主人様にもゆるキャラに扮装して参加してもらいたいんですけどぉ~、構いませんかぁ~?」
巨大風船を使用した広告に手ごたえを感じたリルルは、早速次の手を考えているようだ。普段はエロに特化した痴女であるが、娼館の立ち上げには並々ならぬ決意を感じる。まったく、この情熱を他の事でも生かしてもらいたいものだ。
「ああ、構わないが、どんな感じのゆるキャラを考えているんだ? あんまり変なキャラは勘弁してくれよ」
「アハッ、ご主人様にはうってつけのキャラですよぉ~。2000年に1度だけ現れる奇跡のエロ妖精という設定でぇ~、名前はエロっしー。得意技は先走り汁ブシャー……いったぁ~い」
とんでもない下ネタをぶっ放すリルルにチョップをお見舞いしてやった。このアホサキュバスは船●市や、某マスコットキャラクターからクレームが来たらどうするつもりなのだろうか? 相変わらずとんでもない奴である。
「おいおい! あの集団は何だ? とんでもない美人ばかりじゃないか!」
「にゃはは、辺境伯様御用達の商館エチゴヤと、美人だらけの娼館ロンロンが近々同時開店だにゃ。逸品いっぱい、別嬪いっぱい。何のこっちゃに抹茶に紅茶。たった一度で勃った一同だにゃ」
突如現れた美女の行列に、貿易街アンチモンの男たちは我を忘れたように見惚れている。これはリルルの計画した宣伝の第二弾である街中での広告である。美女たちは娼館の従業員であり、リルルが選りすぐった精鋭中の精鋭である。先頭に立つ獣人のニャムが空中でクルリと回転しながらビラをばら撒いていく。セクシーな衣装に愉快なおしゃべり、人目を引いたパフォーマンスに触発され人混みができ始める。そしてエロの総元締めであるリルルも負けてはいなかった。ミニスカポリスのコスプレに扮装したリルルは、街を練り歩きながら秘かに風魔法を使用していた。偶然を装うように突風が巻き起こり、女性陣のスカートを捲り上げていく。これはマリリン・モ●ローの七年目の浮気や、小川●ーザの『Oh!モーレツ』のパクリであるが、いつの時代もどこの世界も男はパンチラには目が無いのだ。美女たちのセクシーな下着が見える度に、街の男たちは歓声を上げている。ちなみに私は、マーチングバンドの扮装でデッ●チャンのようにドラムを叩いているだけであった。
「アハッ、第二弾の広告も大性交……もとい大成功ですぅ~。スケベな男たちの心を、グッと鷲掴みにしましたねぇ~♪ ですがぁ~、まだまだ物足りませんねぇ~。クスクス、更なるカオスを巻き起こしたいのでぇ~、ご主人様ぁ~、次はピンクビラをジャンジャンお願いしますぅ~」
「う~ん、準備はしてあるが、こんなものばら撒いて大丈夫なのか? とんでもない事になりそうなのだが……」
「アハッ、やったもん勝ちですよぉ~。後は野で犯れ山で犯れですよぉ~」
「後は野となれ山となれだろ! はあ~、もう知らないからな」
私が取り出したのは、セミヌードや下着姿の従業員の画像がカラープリントされたピンクビラだ。これはブラックマーケットでデジタルカメラやパソコン、プリンターを購入して私が作成した物である。当然、この世界ではあり得ないぐらいにリアルでエッチな画像の印刷である。こんなものをばら撒けば、結果は火を見るよりも明らかであった。ビラを手に取った男たちは、ワナワナと震えながら驚愕の声を上げるのであった。
「な、な、なんだぁぁぁ! こんな精密な姿絵はあり得ないだろ! しかもエロい、エロ過ぎるだろ!」
「す、すげぇぇぇ、こんなにエロくていい女がたくさんいるのか! 娼館ロンロンだな、よし覚えたぞ!」
「んっ? 何々……このビラをオープニングセレモニーの時に持参したら、色々なサービスがあるだと! し、しかもエロもあり!」
「……!」
「何?」
「何だと!」
「おい! そのビラを俺様によこせ!」
「ふざけんな、冗談は顔だけにしろよ! その面で娼館に行ったらただの嫌がらせだろ!」
「はあはあ、リルルたん可愛い……」
「どけ! そのビラは俺のだ!」
「うぎゃーーーーっ」
「痛いじゃないか」
「バカ、やめろぉぉぉぉ」
リルルの狙い通りに辺りは大カオス状態に陥った。大の大人が殴り合いながら、ビラを奪い合っているのである。そしてどさくさに紛れて、従業員にお触りしようとする輩も現れたが、護衛の張遼ちゃんとレベッカがすべて張り倒していった。
「アハッ、強烈なアピールは出来ましたけどぉ~、ちょっとやり過ぎたみたいですねぇ~。そろそろマズそうなのでトンズラしませんかぁ~」
「お前なぁ、この状況で逃げるつもりなのか? 街でこんな騒ぎを起こしたら、私の所に辺境伯様から苦情がくるんだぞ」
「え~、私の尻拭いなんてぇ~、ご主人様にとって名誉以外なんでもないですよねぇ~」
「……駄目だこいつ。早く何とかしないと…」
リルルの発言に呆れながらも、結局は残りのピンクビラをばら撒いてこの場から遁走するのであった。
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