異世界で娼館と商館経営⁉ ~チートを駆使したオッサンの剛腕繁盛記~

悪代官と越後屋

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46.商館と娼館の立ち上げ準備

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 朝の優しい光が室内に差し込み、チュンチュンと小鳥のさえずる声が聞こえる。気怠い身体を起こして辺りを確認する。傍らでは、マリスが幸せそうな笑みを浮かべて眠っている。マリスの無邪気な寝顔に心が癒されるが、リルルとの約束で、彼女とはしばらく会えなくなるのだ。切なさで、はーっと溜め息を付いていると、マリスが目を覚ましたようだ。しかしいまだ夢心地のようで、寝ぼけ眼をクニュクニュと擦りながら、ジーっと此方を見つめている。

「はわわ、ト、トミタカ様――お、おはようございます!」
「ふふっ、おはようマリス――よく眠れたみたいだね」

 ようやく覚醒したようで、はわはわと慌てながらマリスが身体を起こす。その小動物のような仕草が可愛らしく、思わず頬が緩んでしまう。


「あの~、トミタカ様……嬉しいのですが、朝からこんな事をされたら少し恥ずかしいのですが……」
「え~? 恋人のように接して欲しい――と、言ったのはマリスだよ。それにしばらく会えなくなるんだからね。ギリギリまでイチャイチャしていたいんだよ」
「そ、それはそうなのですが……あっ、んふぅっ、ちゅ、ちゅぅっ♡ 」

 寝起きのマリスをギュッと抱き締め、別れを惜しむように熱いキスを何度も重ねていく。治まりかけていた欲情の残り火は、再び燎原の火の如く燃え広がっていく。舌を絡めながら互いの身体を密着させ、激しく情熱的に交わっていった。

「はっ、はああっ! 好きだマリス――何があっても君を迎えに行くからな」
「あっ、ああんっ♡ う、嬉しいですトミタカ様♡ 私も待ってます、待ってますから……ですから必ず……。んんっ、やあああんっ♡ そんなにされたら、またイクッ、イッちゃいますぅぅぅ。んん~~~~~~っ♡ 」

 抱けば抱くほど愛しさと独占欲が込み上げ、若く瑞々しい肢体に己の痕跡を刻み込んでいった。腰を打ち付けながら、汗ばんだ首筋や胸元に唇を押し当て吸い付き、キスマークを付けていく。甘いラブラブエッチで優しく締めくくるつもりであったが、嫉妬に狂った牡の劣情を抑える事は出来なくなっていた。本能の赴くままマリスの初々しい裸体を貪り、蕩けた膣内に最後の一滴まで欲望の証を注ぎ込んでいく。

「はっ、はあっ、可愛いよマリス! ……くうぅぅっ、またイクッ、イクゥッッッッ!」
「はあっ、はぁぁぁんっ、出てるぅ~。あ、熱いのがこんなに……♡ や、やぁん♡ 膣内なかから溢れてきてる♡ ん、ああんっ♡ 」
「ふ~ん、ご主人様はぁ~、マリスちゃんに随分とご執心ですねぇ~。こんな時間までズッコンバッコンしてるんですかぁ~。これってぇ~、エッチを禁止した私に対する嫌がらせですかぁ~?」
「うわっ! 驚かすなよリルル――いつの間に部屋の中に?」
「ひゃああん、は、恥ずかしいです。み、見ないでください」

 突如現れたリルルに驚き、マリスは顔を真っ赤にして布団に潜り込んでしまった。しかしリルルの機嫌が悪いのも当然であった。太陽は既に高く昇っており、窓から差し込む光がジリジリと室内を照らしていた。エッチに夢中になっていて気付かなかったが、如何やらかなりの時間が経過していたようだ。

「ご主人様ぁ~、マリスちゃんと恋人のように過ごしてやって――とは言いましたけどぉ~、いくら何でも非常識ですよねぇ~。今何時だと思っているんですかぁ~?」
「い、いや、今何時と言われても……。谷●新司、●ジョージ、山本●二、鈴●健二、金閣寺、キ●ンオレンジ、バンバンジーかなぁ~。アハハ、な~んちゃって!」

 ジトーーーッ!

 陳腐すぎる昭和のギャグをぶっ放した私に、リルルの冷たい視線が突き刺さる。いや~ん、そんな目で見られたら――くやしい…でも感じちゃう!ビクンビクン! 

「ううっ、悪かったよリルル――でもこの世界は時間の観念が薄いんだから、いいじゃん見逃してくれよ!」
「ご主人様ぁ~、そのネタを分かる人はぁ~、元の世界でも稀少だと思いますよぉ~。でも確かにぃ~、この世界はまともな時計も無くてぇ~、時間の観念が薄いでよねぇ~。このままだとスケジュール管理も出来なくてぇ~、商売にも支障をきたしそうですねぇ~。アハッ、いい事を思いつきましたぁ~♪ ご主人様ぁ~、娼館の敷地内に時計台の設置をお願いしますねぇ~。そうすればお客さんも従業員の皆さんもぉ~、一目で時間が分かりますしぃ~、娼館のシンボルにもなると思うんですよぉ~。あっ、もちろん鐘の鳴るのでお願いしますねぇ~。それで下半身の不祥事はぁ~、チャラって事にしますねぇ~♪」
「うぐっ、し、仕方ないな……」
「アハッ、それじゃあこの件はこれで終わりですねぇ~。それからご主人様とマリスちゃん――二人ともエッチな匂いが身体中に染み付いているのでぇ~、早くシャワーを浴びてきてくださいねぇ~」
「分かったから変な事を言わないでくれよ」
「や~ん、恥ずかしいです……」

 その後、マリスと一緒にシャワーを浴びたのだが、互いの身体を洗いっこしているうちにムラムラして、おっぱじめてしまった。そしてバスルームに乗り込んできたリルルにメチャクチャ怒られるのであった。

「名残惜しいですけど、しばらくの間お別れですね……」
「私も寂しいよ。でも、マリスは誰にも渡すつもりはないからね! 時期が来たら必ず迎えに行くから!」
「トミタカ様!」
「マリス!」
「ふ~ん、マリスちゃんにとってぇ~、ご主人様は白馬の王子様なんですねぇ~。でも私にとってはぁ~、ペニスの王子様とかぁ~、鉄棒~世界一硬い男……ムギュ~」
「はいはい、リルル君は少し黙ろうね!」

 別れを惜しんで抱き合っていると、リルルがとんでもない下ネタをぶっこんでくる。慌てて口を塞いだが、このアホサキュバスは集●社や某漫画家からクレームが来たらどうするつもりなのだろうか? まったくとんでもない奴である。

「ふう~、二人とも行ってしまったか、急に静かになったな……」 

 マリスたちを見送ると、誰もいなくなった部屋の中はシーンと静まり返っている。感傷的な気持ちが込み上げてくるが、マリスもリルルも己の目標に向かって突き進んでいるのだ。若い娘たちが頑張っているのに、いい年をしたオッサンが落ち込んでいる暇など無いのである。私は両頬を叩いて気合を入れると、マリスたちに負けないように立ち上げ準備に入るのであった。




「旦那ぁ、このコンクリートとか言うモノは、スゲーな! この仕事が終わったら、材料と道具を少し融通してくれないか?」
「アハハ、考えておくよ」

 リルルが近辺の村々や街で集めた職人たちが、驚愕の声を上げる。リルルの色香に誑かされて集まったスケベな連中であるが、やる気はあるようだ。先ず、ブラックマーケットで購入したセメントに、水と砂と砂利を混ぜて職人たちに説明してみせた。しかし中途半端な知識のせいで要領を得ず、職人たちは半信半疑の状態であった。しかし二日後に固まったコンクリートの強度を確認して、職人たちは狂喜乱舞である。意気揚々と敷地内の施工に取り掛かりは始めた。

「取り敢えず、街道から敷地内に続く通路と馬車置き場への施工を頼むよ。ああ、それから混ぜる比率は、セメント1・砂3・砂利6の比率でいいはずだ。それからちゃんとした道具も用意するからね!」

 コンクリートを練る際に使用する四角い容器のトロ船や、練スコップ、バケツ、コテやコテ板を次々と購入して取り出していく。軽く説明をしただけであるが、職人たちは道具の有効性をしっかりと理解できたようだ。物珍しそうに道具を弄りながら、心を躍らせている。趣味程度であるが、日曜大工を嗜んでいたのが功を奏したようである。

 その後も私は多忙を極めた。敷地内の通路にソーラー式街路灯を設置したり、雨除けのシートで簡易的なアーケードを造ったりしていた。しかし何をするにしても人手が足りないので、窮余の策で獣人たちを集めることにした。そして相場より割増で日銭を払う事にしたのだが、これが大当たりであった。働く場所がなく、即金を欲している獣人をたちがわんさかと集まり始めたのだ。辺境伯様の領内は亜人差別が少ないようだが、人々の根底にある差別意識は完全には払拭できないのだろう。獣人たちもあり付ける仕事は少なく、低賃金も当然と思われているようだ。そのような状況で、高給を約束した仕事である。獣人たちが押し寄せるのも当然であった。そのうえ私は、亜人の美女を多数囲っている物好きでスケベなお大尽――と、獣人たちに認識されているようである。魅力的な獣人の女性たちも次々と押し寄せてきたのだ。目敏いリルルは、これらの女性たちを自分の店にスカウトしていったのは流石である。何はともあれ、これにより人手不足は解消し、仕事のない獣人たちも収入を得る事ができるようになった。正にWinーWinの関係である。

「ふむっ、これで敷地内や建物の施工はなんとかなりそうだ。お客さんの移動手段は乗合馬車や人力車を準備するとして、後は商館と娼館の宣伝をどうするかだな。う~ん、やはり宣伝と言えばアレがインパクトがあるよな。ふははっ、昭和生まれのオッサンの神算鬼謀を見せてやるぞ!」
「ご主人様ぁ~、スケベ面でぇ~、なに叫んでいるんですかぁ~?」
「おお、リルルか! 店の宣伝について色々と考えていたんだよ。割引券やクーポン券を配る――手堅いセールスプロモーションも悪くないが、ここは一丁派手にやろうと思ったのだよ」
「アハッ、悪くないですねぇ~♪ みんなの度肝抜くぐらいのぉ~、強烈なやつを一発お願いしますよぉ~」
「ふはは、こんなのはどうだい……ヒソヒソ……」
「いいですねぇ~。でも娼館の宣伝にはぁ~、もっとセクシーなアピールをした方が男心を掴めると思うんですよぉ~。例えばですねぇ~……ゴニョゴニョ……」
「う~ん、さすがリルルだ! お主もエロよのう」
「いえいえ、ご主人様ほどではございませんよぉ~」

 しょうもないやり取りを繰り広げながら、私たちは店の宣伝を実行に移すのであった。



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