異世界で娼館と商館経営⁉ ~チートを駆使したオッサンの剛腕繁盛記~

悪代官と越後屋

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26.月明かりの部屋で♡

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「ご主人様ぁ~、もうすぐ日が暮れるけどぉ~、今夜は何処に泊るんですかぁ~?」

 気が付くと太陽は西に傾いており、辺りは赤い夕陽の色に染め上げられている。招かれざる客が現れたせいで、とんだロスタイムである。

「う~ん、収納ボックスから自宅を取り出して、今日中に住めるようにしたかったのに、あの女のせいで予定が狂ったよ」
「にゃにゃ、それなら此処に泊ればいいにゃ! オジ様に言われた通りに娼館は綺麗に掃除してあるし、湯浴みもできるにゃ! それにオジ様には、助けてもらったお礼もしたいにゃ♡ 」
「そうだなぁ、自宅の設置は明日にして、今夜は此処に泊ることにするか」
「にゃはは、オジ様――ご飯にするかにゃ? お風呂にするかにゃ? それとも、私かにゃ?」
「ニャムちゃ~ん、調子に乗っているとぉ~、三味線の皮にしちゃうよぉ~♪ 今夜、ご主人様の相手をするのは私なんだからねぇ~」
「ふぎゃぁぁぁぁぁぁ! 三味線の皮――って何の事だか分からないけど、もの凄く嫌な予感がするにゃ! リルル様、許して欲しいだにゃぁぁぁー」
「クスクス、ほんの冗談だよぉ~。将来有望なニャムちゃんにぃ~、酷い事をする訳ないからねぇ~♪ でもお仕置きは決定事項だからねぇ~。ニャムちゃんに、と~ってもエッチなお仕置きをした後~、ご主人様の精を一滴残らず搾り取っちゃおうかなぁ~♡ あっ! ニャムちゃんも混ぜて3Pも悪くないかもねぇ~♪ はあ~んっ、考えただけで身体が疼いちゃう。今夜は久しぶりに熱く長い夜になりそうねぇ~♡ 」

 リルルがとんでもないエロエロ発言をしているが、何故か期待している自分がいる。女神から授かったスキル――精力絶倫の影響で、今や下半身は淫獣そのものである。しかも魅力的になった獣人たちや、愛しい張遼ちゃんのエロい挑発を受けて爆発寸前にまで追い込まれたのだ。おかげで淫欲は未だ治まらず、私のジュニアは今にも鎌首をもたげそうである。

 いかんいかん、自重しなければ……。

「ところで、ニャム――今日の夕飯の食材はあるのかい?」
「にゃにゃ、食材は残っていないと思うにゃ。すまないにゃ~、買い出しに行こうとした時に、あの女がやって来て邪魔されてしまったにゃ」

 台所に行って一応確認してみる。さげた手鍋の中には――明日のメシどころか、今日のメシさえなかったのである。うん、村田●雄もビックリの状態である。

「うふふ、ご主人様ぁ~、夕飯はウナギとスッポンと牡蠣がいいですよぉ~♪ あっ、レバーとニンニクとハブ酒も忘れないでねぇ~♡ スッポンを食べたご主人様とぉ~、スッポンポンであ~んな事をしてぇ~……クスクス」

 情欲で顔を上気させ、妖しく濡れた瞳のリルルがすり寄ってくる。彼女は精の付きそうな物ばかり勧めてくるが、狙いは明白である。精力と性欲を限界まで増進させてから、精を根こそぎ搾り取るつもりなのであろう。しかし性衝動が治まらない状況で、そのような物を食したらとんでもない事になるだろう。おそらく冴●獠やター●ゃんも凌駕するモッコリと、鼻血ブーの合わせ技を女性陣に晒してしまうだろう。私は張遼ちゃんには無様な姿を見せたくないのである。

「はいはい、今日の夕飯はカレーにします」

 リルルの要望をやんわりと却下すると、レトルトカレーとパックのご飯をブラックマーケットで購入した。独身のオッサンの必殺技――手抜き料理が炸裂である。ニャムたちにはお湯を沸かしてもらい、カレーの入ったパウチとレトルトご飯を加熱してもらった。レトルトご飯の加熱には時間が掛かるので、その間に追加で業務用の冷凍から揚げ1kgを追加で購入する。そしてカレーの上にから揚げを乗せてタルタルソースをかけていく。これが私の目指す夕飯の最終形態だ。ボリューム感たっぷりで最高のコラボであるが、カロリーがメチャクチャ高いのが難点のど飴である。

「あっ、下手こいたぁぁーー! 電子レンジがないじゃないか」

 冷凍から揚げの購入後に気付いたのだが、肝心な電子レンジがないのだ。鍋やフライパンを使って油で揚げる方法もあるが、面倒くさがりの私はやった事がないのである。しかたなく揚げ油を購入して試してみようかな――と考えていると、モジモジしながら張遼ちゃんがやって来るのであった。

「主よ、から揚げの二度揚げをするならば、私に任せてくださいませんか?」
「えっ、張遼ちゃんは料理も出来るのかい?」
「は、はい。テュケー様の取り計らいで、多少の事は加護の力で……」

 如何やら、女神テュケー様は色々と気を使ってくれたようである。テュケー様に感謝しながら、ブラックマーケットで揚げ油を購入するのであった。

「リルル、君も張遼ちゃんを見習って、少しぐらい手伝ってくれよ」

 獣人たちも色々と手伝いをしてくれる中、リルルだけは堂々と椅子に座ったままである。さすがサキュバスのクイーンである。実に太々しい態度だ。

「え~っ、今日の私は色々と頑張りましたよぉ~。少しぐらい労わってくれてもいいじゃないですかぁ~。ふふっ、ご主人様が作る人、私、食べる人だよぉ~♪」
「はあ~っ、そういうネタは控えてくれよ」

 サキュバスクイーンのリルルは、交わった相手の記憶を読み取る能力があるのだ。そのせいで私の記憶も読み取られ、元世界のネタを色々とぶっこんでくるのだ。しかも下ネタやヤバいネタが大半である。私が頭を抱えていると、張遼ちゃんが揚げ終えたから揚げを皿の上にのせはじめた。

「主よ、揚げ終わったので味見をしてください。ふーふー、はい、あ~ん♡ 」

 うっ、張遼ちゃん――可愛いすぎるだろ! 新妻のように甘えてくる張遼ちゃんの言われるが儘に口を大きく開ける。

 ぱくっ。

 カリッ、サクッの感触と共に肉汁がジュワ~と口の中に広がる。さすが張遼ちゃん、絶妙の揚げ加減だ。私も負けずに張遼ちゃんに、あ~んをする事にした。

「うん、これは美味いね。よし、今度は張遼ちゃんの番だね。ふーふー、はい、あ~ん♪」

 ぱくっ。

 ポッと顔を赤くした張遼ちゃんが、私の差し出したから揚げを食べる。甘酸っぱい雰囲気が漂い、獣人たちは興味深そうに私たちを見つめている。そしてリルルは、ご主人様ぁ~、私には口移しで味見を~――とか叫んでいるがあえて無視する事にした。


「ぱくぱく……にゃにゃ、この辛い料理も肉の料理も美味いにゃ~」
「はむはむ……美味いにゃん」
「ぱく……こんな美味しい料理、食べた事がない……やはりご主人様はただ者ではない……」
「ぱくり……うわ~ん、美味しいですぅ~。ご主人様に拾われて、本当に良かったです」

 獣人たちはカレーとから揚げが気に入ったようである。あっという間に平らげると、物欲しそうにこちらを見つめている。獣人たちのウルウル目にほだされた私は、追加で料理を作るのであった。


「クスクス、ご主人様ぁ~♡ 食欲も満たされたのでぇ~、次は性欲を満たしませんかぁ~?」

 夕飯が終わるやいなや、リルルが積極的にエッチを迫ってきた。プルンと弾むたわわな膨らみを押し付け、エロいおねだりをしてくる。張遼ちゃんが後片付けをしている隙を狙った誘惑である。

「あははっ、お誘いは嬉しいけど、今日は疲れているんだよ。風呂に入ってゆっくりしたいんだよ! それじゃあ、バイバイキーン!」
「あん、ご主人様のいけずぅ~!」

 何とか色仕掛け振り切って、風呂が設置されている二階のVIP部屋に逃げ込むのであった

「ふ~っ、張遼ちゃんもリルルも美人でナイスバディすぎるだろ! これ以上挑発されたら理性が崩壊するかもな……」

 張遼ちゃんたちの事を考えながら、白い湯気が上がる浴槽にゆっくりと身体を沈める。ほどよいお湯の温かさが、疲れた身体にジワジワと浸透してきて非常に心地が良い。ようやく心も身体もリラックスしてきたが、外でバタバタと物音が聞こえ始める。どうやらリルルが風呂場への侵入を試みているようである。

「ご主人様ぁ~、お背中をお流ししますねぇ~♪ 勿論、私の身体を使ってですよぉ~♡  それから前の方もぉ~、……ムギュ~」

 ドタンバタン! ガタガタ…………シ~~~ン!

 急にリルルの声が聞こえなくなり、風呂の外は静寂に包まれる。耳を澄ましても、物音ひとつ聞こえないのだ。風呂から上がり、恐る恐る部屋の中を確認してみる。窓から差し込む月の光とランプのほのかな灯りが、部屋の中を薄っすらと照らしているが人影はないようだ。ひょっとして神隠しなのだろうか? ぎゃーっ、オラ、ビクビクしてきたぞ!

 コンコンコン!

「主よ、少し宜しいでしょうか?」
「うわっ、ち、張遼ちゃんかい? あ~、驚いた!」

 リルルの失踪の次は突然のノックである。おもわずチビリそうになったが、如何やら張遼ちゃんが訪ねて来たようである。扉を開けると、バスローブに身を包んだ張遼ちゃんが立っていた。彼女も風呂上がりのようで、シャンプーやボディソープの甘い香りが漂ってくる。

「主よ、あの時の約束を果たしに来ました!」
「えっ?! あの時の約束って……?」 
「で、ですから……その……ごにょごにょ」
「あー、あの時の事ね! ほんの冗談なんだから、そんなに気にしなくてもいいんだよ」
「いえ、女の一言は泰山より重いものです。必ず約束は守ります」

 張遼ちゃんはゴブリンの群れと交戦した事があり、その時に深追いをして私の警護を疎かにしてしまったのだ。特に被害もなく処分するつもりもなかったが、生真面目な彼女はそれを良しとしないのであった。そして紆余曲折を経て、エッチなコスプレ姿の披露が、処分内容になってしまったのである。私としては冗談半分だったのだが、張遼ちゃんは本気のようだ。

 しゅるり――と、衣擦れの音と共に白いバスローブが床に落ちる。バスローブの下は、私がプレゼントしたセクシーランジェリーであった。豊満なバストを包み込む面積の小さいブラがピンと張り詰めており、恥ずかしげに身を捩らす度にプルンプルンと双丘が弾んでいる。下半身も総レースのビキニショーツで、サイドリボンが官能的な雰囲気を殊更に引き立てている。

 ヤバい! 愛しの張遼ちゃんの痴態で、ジュニアが完全復活してしまったようだ。

「主よ……見るだけでいいんですか?」

 身体をモジモジさせ、伏し目がちな張遼ちゃんの口から誘惑の言葉が漏れる。艶めかしい姿に見惚れていた私は、魅惑の追撃を受けてぷっつりと理性が切れてしまった。据え膳食わぬは男の恥である。ましてや懸想し続けた張遼ちゃんからの甘美な誘いである。張遼ちゃんを引き寄せると、熱い口づけを何度も重ねる。それから張遼ちゃんを抱き上げるとベッドの上にそっと下ろした。恥ずかし気に仰向けになっている姿は言葉にできないほど魅力的で、ゾクッとするほどの艶めかしさを兼ね備えていた。


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