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厄介な隣国の招かざる客
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お市様との親父ギャグ対決の最中に、新しいスキルを獲得した私は、慌てて自分のステータスとスキルを確認するのであった。
「ステータスオープン」
【名前】 鈴木祐太
【レベル】32→36
【年齢】 39歳
【種族】 人間(男)
【職業】 剣士 魔法使い 芸人
【装備】 日本刀 拳銃(9mm拳銃)防刃ベスト
【称号】 エロ男爵→エロ子爵(NEW)
【OGP】275
【武芸】A 剣術 拳闘 鉄砲術
B 忍術
【魔術】A 回復魔法 解毒魔法
B 攻撃魔法(火 風 水 土 雷 聖) 生活魔法
【魅力】B ナイスガイ タフガイ
【スキル】 異世界語 医学 薬学 鍛冶 鑑定 欺瞞 以心伝心 命中補正
気配察知 神眼 アイテムボックス コピー 親父ギャグ
異常状態無効(NEW)強運(NEW)親父ギャグブースト(NEW)
【パーティ】 ジュビ アリス ユイ リン
「鑑定」
【異常状態無効】
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ事によりすべての異常を
無効にする
【強運】 金運、恋愛運、勝負運、武運長久、ラッキースケベ等の全ての運気が
アップ
貴方の強運を狙う者には『他人に授ける運など持たぬ!』と言って
追い返すのが正解
【親父ギャグブースト】
戦闘前や戦闘時に親父ギャグを言って獲得した【OGP】を対価に
して、全能力を大幅に引き上げるスキル
OGP1~3 全能力1.2倍 継続時間3分
OGP3~4 全能力1.5倍 継続時間5分
OGP5以上 全能力2倍 継続時間10分
※レベルによって使用回数が増える (現在は1日3回)
新しいスキルを獲得したのは嬉しいが、何故か称号がエロ子爵にランクアップしてしまった私は、ショックのあまり落ち込むのであった。
「祐太殿!どうしたのじゃ?」
「ははっ!色々納得出来ない事がありまして・・納得出来なくても納豆食う!な~んちゃって!」
《OGP+1》
その後も不毛な親父ギャグ対決が続き、私は何とか勝負に勝ったのであった。
「さすが祐太殿、妾の負けなのじゃ!約束通り妾の事を貰って欲しいのじゃ。そうじゃ!H後に越後に新婚旅行に行くのじゃ」
未だに親父ギャグをぶっ放すお市様に感心しながら、私も負けずに言い返すのであった。
「お市様、年の差を考えてください! 中年には無理ちゅうねん!」
《OGP+1》
「祐太殿!【中年よ妻子を抱け!】と、言うではないか。早く結婚したほうが良いのじゃ!」
「お市様、それは【少年よ大志を抱け】だと思うのですが・・・」
時代背景が滅茶苦茶なお市様のネタに、私は頭を抱えるのであった。
「祐太!さっき話していた小話の内容は酷すぎないか? 何故、正しい者が馬鹿を見るのだ」
私に迫るお市様に嫉妬したのだろうか、アリスちゃんが突然横から口を挟んできた。
「いやいや!アリス殿の正義感が強いのは判ったが、世の中は性善説が通用しない事が多々あるのじゃ!――例えば、日ノ本の近隣にある唯我独尊の国”大明華帝国”と腰巾着の属国”大藩王国”は酷いものじゃ! 平気で条約を破り悪びれる風もないのじゃ」
お市様の話によると、この二国は自国の利益の為に何回も条約を破り、日ノ本に多大な損害を与えているようだ。あまりの傍若無人な行動に業を煮やした信長公は国交断絶を遂行したそうだが、逆恨みした二国は日ノ本に艦隊を派遣して侵攻してきたそうだ。しかし、織田家の秘蔵の鉄甲船に完膚なきまで叩きのめされ、撤退する途上で暴風雨に遭遇し、艦隊の殆どが海の藻屑となって消えたそうだ。懲りない二国はその後も、日ノ本に文化を伝承した我が国への暴挙は許せないから謝罪と賠償をしろとか、王に任命してやるから臣下の礼をとれとか、訳の分からない事を上から目線で宣ってくるそうだ。
「日ノ本が大明華帝国や大藩王国と国交を断絶し、レリクス国のクリスタル王と通商協定を結ぶのも当然の帰結と言えるのじゃ!」
「お市様、通商協定は建前で、本当は軍事同盟を結ぶのが目的ですよね」
私としては何気ない発言だったが、その瞬間空気が一変してお市様一行は驚愕して固まってしまったのだ。
「ゆ、祐太殿!な、何を言っておるのじゃ!・・では、仮にそうだとして――結果はどうなったと思うのじゃ」
「通商協定は締結できたと思いますが、軍事同盟は無理でしょう。レリクス国としては、日ノ本と大明華帝国、大藩王国が潰し合ってくれれば漁夫の利を得られます。参戦するとしても、勝敗がはっきりした時に突如乱入して、労少なく最上の結果を狙うでしょう――それに、二国も同じようにレリクス国と同盟を結ぶように画策するでしょう」
「うぐっ! 祐太殿には隠し事は通用しないのじゃ!」
私の発言通り通商協定は締結出来たそうだが、軍事同盟は拒否されたそうだ。更に運の悪い事に街中で二国の使者と鉢合わせになり、お市様に気付いた二国の使者達が――『お市様が、大明華帝国の皇帝の後宮に入り、臣下の礼をとれば信長を日ノ本の王として認めてやるから謁見に来い』とか言って、連れ去ろうとしたそうだ。当然、久太郎達腕利きの護衛に容赦なく打ちのめされ、泣きながら逃げ去っていったそうだ。
お市様は――『あれだけ痛い目に遭えば、あの使者達も懲りたはずじゃ!』と言っていたが、認識が甘かったのだ。彼の国は逆恨みと粘着だけは、当代随一だったのである。密かにお市様一行の後をつけた二国の手の者によって、私の住居は数時間後に包囲される運命にあったのである。
「ステータスオープン」
【名前】 鈴木祐太
【レベル】32→36
【年齢】 39歳
【種族】 人間(男)
【職業】 剣士 魔法使い 芸人
【装備】 日本刀 拳銃(9mm拳銃)防刃ベスト
【称号】 エロ男爵→エロ子爵(NEW)
【OGP】275
【武芸】A 剣術 拳闘 鉄砲術
B 忍術
【魔術】A 回復魔法 解毒魔法
B 攻撃魔法(火 風 水 土 雷 聖) 生活魔法
【魅力】B ナイスガイ タフガイ
【スキル】 異世界語 医学 薬学 鍛冶 鑑定 欺瞞 以心伝心 命中補正
気配察知 神眼 アイテムボックス コピー 親父ギャグ
異常状態無効(NEW)強運(NEW)親父ギャグブースト(NEW)
【パーティ】 ジュビ アリス ユイ リン
「鑑定」
【異常状態無効】
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ事によりすべての異常を
無効にする
【強運】 金運、恋愛運、勝負運、武運長久、ラッキースケベ等の全ての運気が
アップ
貴方の強運を狙う者には『他人に授ける運など持たぬ!』と言って
追い返すのが正解
【親父ギャグブースト】
戦闘前や戦闘時に親父ギャグを言って獲得した【OGP】を対価に
して、全能力を大幅に引き上げるスキル
OGP1~3 全能力1.2倍 継続時間3分
OGP3~4 全能力1.5倍 継続時間5分
OGP5以上 全能力2倍 継続時間10分
※レベルによって使用回数が増える (現在は1日3回)
新しいスキルを獲得したのは嬉しいが、何故か称号がエロ子爵にランクアップしてしまった私は、ショックのあまり落ち込むのであった。
「祐太殿!どうしたのじゃ?」
「ははっ!色々納得出来ない事がありまして・・納得出来なくても納豆食う!な~んちゃって!」
《OGP+1》
その後も不毛な親父ギャグ対決が続き、私は何とか勝負に勝ったのであった。
「さすが祐太殿、妾の負けなのじゃ!約束通り妾の事を貰って欲しいのじゃ。そうじゃ!H後に越後に新婚旅行に行くのじゃ」
未だに親父ギャグをぶっ放すお市様に感心しながら、私も負けずに言い返すのであった。
「お市様、年の差を考えてください! 中年には無理ちゅうねん!」
《OGP+1》
「祐太殿!【中年よ妻子を抱け!】と、言うではないか。早く結婚したほうが良いのじゃ!」
「お市様、それは【少年よ大志を抱け】だと思うのですが・・・」
時代背景が滅茶苦茶なお市様のネタに、私は頭を抱えるのであった。
「祐太!さっき話していた小話の内容は酷すぎないか? 何故、正しい者が馬鹿を見るのだ」
私に迫るお市様に嫉妬したのだろうか、アリスちゃんが突然横から口を挟んできた。
「いやいや!アリス殿の正義感が強いのは判ったが、世の中は性善説が通用しない事が多々あるのじゃ!――例えば、日ノ本の近隣にある唯我独尊の国”大明華帝国”と腰巾着の属国”大藩王国”は酷いものじゃ! 平気で条約を破り悪びれる風もないのじゃ」
お市様の話によると、この二国は自国の利益の為に何回も条約を破り、日ノ本に多大な損害を与えているようだ。あまりの傍若無人な行動に業を煮やした信長公は国交断絶を遂行したそうだが、逆恨みした二国は日ノ本に艦隊を派遣して侵攻してきたそうだ。しかし、織田家の秘蔵の鉄甲船に完膚なきまで叩きのめされ、撤退する途上で暴風雨に遭遇し、艦隊の殆どが海の藻屑となって消えたそうだ。懲りない二国はその後も、日ノ本に文化を伝承した我が国への暴挙は許せないから謝罪と賠償をしろとか、王に任命してやるから臣下の礼をとれとか、訳の分からない事を上から目線で宣ってくるそうだ。
「日ノ本が大明華帝国や大藩王国と国交を断絶し、レリクス国のクリスタル王と通商協定を結ぶのも当然の帰結と言えるのじゃ!」
「お市様、通商協定は建前で、本当は軍事同盟を結ぶのが目的ですよね」
私としては何気ない発言だったが、その瞬間空気が一変してお市様一行は驚愕して固まってしまったのだ。
「ゆ、祐太殿!な、何を言っておるのじゃ!・・では、仮にそうだとして――結果はどうなったと思うのじゃ」
「通商協定は締結できたと思いますが、軍事同盟は無理でしょう。レリクス国としては、日ノ本と大明華帝国、大藩王国が潰し合ってくれれば漁夫の利を得られます。参戦するとしても、勝敗がはっきりした時に突如乱入して、労少なく最上の結果を狙うでしょう――それに、二国も同じようにレリクス国と同盟を結ぶように画策するでしょう」
「うぐっ! 祐太殿には隠し事は通用しないのじゃ!」
私の発言通り通商協定は締結出来たそうだが、軍事同盟は拒否されたそうだ。更に運の悪い事に街中で二国の使者と鉢合わせになり、お市様に気付いた二国の使者達が――『お市様が、大明華帝国の皇帝の後宮に入り、臣下の礼をとれば信長を日ノ本の王として認めてやるから謁見に来い』とか言って、連れ去ろうとしたそうだ。当然、久太郎達腕利きの護衛に容赦なく打ちのめされ、泣きながら逃げ去っていったそうだ。
お市様は――『あれだけ痛い目に遭えば、あの使者達も懲りたはずじゃ!』と言っていたが、認識が甘かったのだ。彼の国は逆恨みと粘着だけは、当代随一だったのである。密かにお市様一行の後をつけた二国の手の者によって、私の住居は数時間後に包囲される運命にあったのである。
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