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めぐりあい夢中

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 ○ンダムファンが激怒しそうなキャラの出現に頭を抱える私であったが、気を取り直して妖艶で危険な香りを漂わすエロメスと対峙した。

 エロメスを逃がさないように、アリスちゃん達と共に周りを包囲して徐々に距離を詰めていく。人数的には四対四で互角だが、アホ三人組は負傷している上に蹴飛ばされてその辺に転がっているので、絶対的に有利な立場は揺るがないだろう。

 油断せず包囲網を狭めていくと、微動だにしなかったエロメスが冷ややかな微笑を口角に浮かべ『ラーラー』と、呟き始めた。すると次の瞬間、アホ三人組が表情の無い顔でフラフラと立ち上がり始めたのであった。

 異変に気付いた私達が歩みを止めると、アホ三人組は何故か鎧や衣服を脱ぎ捨て真っ裸になり、井○らっきょも真っ青なスピードで女性陣に突撃し始めたのであった。

 当然、ウブで純情なアリスちゃんとユイちゃんの口から悲鳴が上がる。

「うわぁ――! き、貴様! なんて物を見せるんだ!! サンダーボルト!!!」
「ひゃ~~ん! 変な物を見せないでください!! ファイヤーボール!!!」
「やっぱりご主人様じゃなければ駄目だね! そんな粗末な物を見せても、リンはちっとも欲情しないよ! エナジードレイン!!」

 軽いパニック状態に陥ったアリスちゃんとユイちゃんから放たれた容赦の無い魔法の一撃で、ザコとグズは吹き飛ばされ地面に叩きつけられた後、燻った煙を上げながら微動だにしなくなった。そして、リンちゃんに向かっていったドジも既に精気を吸われ地面に転がっているのであった。

 私は、むさいおっさん達のヌードを見せられ、吐き気を催し集中力を欠いてしまったようだ。その僅かの隙をついてエロメスが疾風の如く接近してくる。

 咄嗟に身構えたが手遅れだったようだ。抱きつかれ、押し付けられる柔らかく張りのある膨らみの感触と同時にエロメスに唇を奪われる。 

「「「アッ―――!!!」」」

 アリスちゃん達の悲鳴と怒声が混じった声が辺りに響き渡るが、エロメスは気にも留めていないようだ。するりと熱い舌先が私の口内に割り込み、クチュクチュと淫靡な音を奏でながら舌を絡めてくる。

 私の口内を丹念に弄り、満足げなエロメスが艶のある唇を離すと二人の唇を吊り橋のように繋がった唾液が糸を引き、淫らにキラキラと輝いているのであった。

 突然の口付けに困惑している私を尻目に、エロメスがアリスちゃん達を見ながら勝ち誇ったように叫ぶ。

「ふふっ! この男は貰っていくわよ。心配しなくても大丈夫よ直ぐ会えるんだから。でも、次に会う時は私の虜になっていて、お嬢ちゃん達の事なんて目に入らないと思うけど――クスクス! 悪く思わないでね♡ 転移!!!」

 刹那、エロメスの艶かしい胸元を強調するように掛けられていたネックレスの宝石が砕け、粉雪のように光の粒子が宙を舞う。エロメスに掴み掛かろうとしているアリスちゃん達の姿や周りの景色が次第にぼやけ始め、叫び声もくぐもって聴こえる。舞い落ちる光の粒子が一際強く輝いたかと思うと、私とエロメスはその場所から完全に消え去っていたのであった。



 気が付くと私は、見知らぬ部屋の中に居た。エロメスの奇策にまんまと引っ掛かり、連れ去られたようだ。
 
 部屋の中は殺風景で、ベッドと家具が少しあるだけであった。

 部屋の中央に置かれた香炉から情欲を掻き立てるような妖しくも甘美な匂いの煙りが漂い、明り取りのような小さな窓から光がぼんやりと漏れていた。部屋の中は薄暗く、粗末な机の上に置かれた蝋燭の炎がユラユラ揺らめき、辺りを照らし出していた。

 背後から――しゅるり・・・と、衣擦れの音がする。

 振り向くとフードの付いた外套を脱ぎ、妖艶の姿のエロメスが挑発するような笑みを浮かべている。

 すらりとした体、透き通るような白い肌、エメラルドグリーンの瞳、サラサラで艶のある青みを帯びた黒髪。

 成熟した魅力に溢れたエロメスに見とれ、思わず『ゴクリ』と唾を飲み込む。

「どうかしら私の身体? 美しいものが嫌いな人がいるのかしら? フフッ! それに、貴方はもう見るだけじゃ我慢できないんじゃなくて?」

 笑みを漏らしたエロメスが甘く囁き、外套の下に着込んでいたスリットの深い服を焦らすようにゆっくり脱ぎ捨て、滑らかで瑞々しい素肌を晒していく。残っているのは肩紐のあるスリップのような薄く透けた服と黒い下着だけだ。

 肩紐に指を掛け、妖艶に腰をくねらせながらエロメスが近づいてくる。

 ――ぱさっ・・・。肩紐が外され、私の目の前でスリップのような服がフワリと床に落ちる。さっきまで僅かに透けて見えていただけの深い胸の谷間と、白色で形が良くむっちりした膨らみが目前で露になり、ゆったりと揺れ動いている。

 エロメスの誘惑は止まらない。

 抱き付き、絹のようにすべすべの太腿を擦るように動かし、押し付けてきた質量感のある柔らかで張りのある膨らみも淫らに形を変え、至高の感触が私の情欲を煽り始める。

 上気してうっすらと汗ばんだ肌が薄桜色に染まり、男を魅惑させる濃厚のフェロモンが漂い私の鼻腔をくすぐる。

 視覚、聴覚、感触、嗅覚で惑わされ、筆舌に尽くしがたい快楽に翻弄される。


――ぎゃ~~~! この女、色っぽ過ぎるだろ! 【異常状態無効】のスキルがあるから魅了される事は無いが、身体は正直だ! このままだと、私のビー○サーベルがエロメスに突き刺さる~~~~!!! 

「あらっ? 未だに正気を保っているなんて貴方凄いわね! 大抵の男は今頃情欲に溺れ、私の身体を獣のように何回も求めた後、快楽に屈して私の虜になっているわよ」

 エロメスの行動は、更にエスカレートしていく。ネコ科の動物のような柔らかくしなやかな動きで、一際強く抱きつくと私の足にすらっと伸びた白く長い美脚を絡みつけてくる。バランスを崩した私は、難なくベッドに押し倒されてしまった。

 私の上に跨り、向き合った形になったエロメスは私の服をたくし上げ、魅惑的な身体を擦り付け、舐めるように滑らせながら情欲を掻き立ててくる。  

「あっ、んっ♡ 凄いわ! でもね・・・責任取ってもらうわよ! 貴方のせいでお嬢ちゃん達を攫うのに失敗して下僕は失うし、貴重な転移石まで使ってしまったのよ。ふふっ! 抗っても無駄よ! 快楽に溺れて絶頂のまま何回も果てて、私の虜になりなさい♡」

 エロメスが情欲を焚き付けるように、私の手を柔らかな膨らみに導いてくる。――悲しいかな男の本能には逆らえず、吸い付くようなふくよかな双丘を手のひらで包み込み、頂上にあるツンと硬くなった尖がり帽子を指で挟みコリコリと摘みあげると、エロメスの口から驚くほど甘い声が漏れる。

「んっ、あっ・・はあっっん! はーっ、はーっ。 も、もう♡ 本当に油断できない男ね! でも、今度は私の番よ。覚悟しなさい」

 唇の端を舐め上げ、獲物を狙う女豹のような目付きのエロメスが、密着させた身体を上下にくねらせ悩ましげな吐息を吐くと、私の全身を執拗に愛撫し始めた。やがて、エロメスは慣れた手つきで私の下半身に手を移動させると、一回りも二回りも大きくなった熱く滾った剛直を優しく撫で上げ、弄ぶように細い指先でリズミカルに弾いてくるのであった。私が愉悦の声を上げると、満足げなエロメスは黒い下着に指を掛け、見せ付けるようにゆっくりと下ろし始めるのであった。

――ぎゃ~~~! これ以上は不味いでしょ! 完全にR18だ! だがしかし、据え膳食わぬは男の恥と言うし、どうすれば良いんだ~~~!!!



 私が煩悩の葛藤に苦しんでいると、小屋の外でガヤガヤ騒ぐ声が聞こえる。アリスちゃん達が私の居場所を探し当てたようだ。

「リンちゃん! 本当に祐太はこの小屋の中にいるのか?」
「絶対いるよ! 発情したあの女のフェロモンの匂いがこの小屋からプンプン漏れてるよ」
「よし! 扉を壊すぞ! サンダーボルト!!」

 どうやらアリスちゃん達が私の居所を突き止め、小屋の中に突入しようとしているようだ。正直、ホッとしたような残念のような気持ちである。だが、よく考えると今の状況は非常に不味いのでは無いか・・・・・。

 アリスちゃん達が小屋の中に突入した瞬間『祐太、イキまーす!』とか言って発射してしまったら正に大惨事である。慌ててエロメスを押しのけようとしたのだが、彼女は熱い腕を私の首に強く絡めながら快感に身を震わせ蕩けるような眼差しを向けた後、耳元で扇情的に囁くのであった。

 
「あんっ♡ 大丈夫よ。この小屋の結界は簡単には破れないわ! ふふっ、気にせず楽しみましょ♡ さ、いよいよお待ちかねの・・・」
「エクスプロージョン!!!」

 リンちゃんの特大魔法が炸裂し、眩いばかりの閃光と共に振動で小屋が激しく揺れ動く。壁がミシミシと嫌な音を立てて歪み始め埃が舞い上がる。そして、結界が破れ小屋の一部が崩れたかと思うと、焦燥に駆られたアリスちゃん達が怒涛の勢いで飛び込んでくる。そんなアリスちゃん達の視界の先に映ったのは、半裸にされ浮気現場を発見された亭主のように焦りまくっている私と、一糸まとわぬ妖艶の姿で私に跨り、ビー○サーベルに貫かれる寸前のエロメスの姿であった。

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