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二尾暮爽という男
あなたの名前
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タイムカードを勢い任せに引き抜き、弘は長い拘束時間から釈放されたのだった。
一人トボトボ駅のホームにたどり着き終電にこぎ着く。電車を降りて帰路に着く、これが習慣にもなれば自殺したくなるのも当然かな、などと考えていると路地裏にうずくまっている人影が見える。
帰り道に我慢できず酒を少し飲んでいた弘にとっては助けるべき存在を助けるというのは当たり前のことだった。
「あなたどうしたの?」
傷だらけの男に声を掛けた時、弘は思わず声が出るほど驚いた。その男は今朝、自分を救ってくれたあの男だったのだ。弘が肩を担ごうとすると。
「熱っ!!」
男からは少なくとも六十度は超えているであろう熱を全身に帯びていた。
「こんな場所にいたら危険よ!救急車呼ぶわね。」
携帯を取り出そうとすると男が腕を掴んで首を左右に振った。
「呼ばなくていいの・・?じゃあ私の家で看病してあげる?」
これにも男は首を振る。
「あなたの名前は?今朝助けてくれたのってあなたよね?私、お礼が言いたい。」
男は震えた唇を使って答えた
「二尾暮、爽」
「爽さん、この傷はどうしたの?」
爽は黙ったまま俯く。弘が助けを呼ぼうと辺りを見回すが、誰もいない。
「爽さんとりあえず。。」
振り返るとそこに爽の姿は既になかった。
一人トボトボ駅のホームにたどり着き終電にこぎ着く。電車を降りて帰路に着く、これが習慣にもなれば自殺したくなるのも当然かな、などと考えていると路地裏にうずくまっている人影が見える。
帰り道に我慢できず酒を少し飲んでいた弘にとっては助けるべき存在を助けるというのは当たり前のことだった。
「あなたどうしたの?」
傷だらけの男に声を掛けた時、弘は思わず声が出るほど驚いた。その男は今朝、自分を救ってくれたあの男だったのだ。弘が肩を担ごうとすると。
「熱っ!!」
男からは少なくとも六十度は超えているであろう熱を全身に帯びていた。
「こんな場所にいたら危険よ!救急車呼ぶわね。」
携帯を取り出そうとすると男が腕を掴んで首を左右に振った。
「呼ばなくていいの・・?じゃあ私の家で看病してあげる?」
これにも男は首を振る。
「あなたの名前は?今朝助けてくれたのってあなたよね?私、お礼が言いたい。」
男は震えた唇を使って答えた
「二尾暮、爽」
「爽さん、この傷はどうしたの?」
爽は黙ったまま俯く。弘が助けを呼ぼうと辺りを見回すが、誰もいない。
「爽さんとりあえず。。」
振り返るとそこに爽の姿は既になかった。
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